ユーミン作品集のコンプ版がUHQCD化！

　今あるJ-POPの礎となった音楽を、心をこめてあなたに伝えたい…。というキャッチフレーズで登場以来、定番ベストとしておなじみの「ゴールデン☆ベスト」シリーズ。 
 
　近年はソニーを中心に高音質CDとしてリリースされるケースも増えておりますが、昨年からはコロムビアもUHQCD化を推進。 こちらで紹介したように、発売済みのゴールデン☆ベストのUHQCD化だけでなく、新編集のタイトルやシリーズ初登場となるアーティストのものもリリースされています。
 
　来年早々には、またまた２ヶ月連続で20タイトル近くがゾクゾク発売。１月がニューミュージック、ロック系、２月が歌謡曲、フォーク、アイドル系10タイトルということですが、まず１月リリースからピックアップしたいのがコレ。
　2005年に発売されたタイトルのUHQ-CD版ですが、ユーミンファン必携の2枚組「 麗美 ゴールデン☆ベスト-REIMY BRAND COMPLETE- 」です。
 
　第二次ユーミンブーム以降、飛ぶ鳥を落とす勢いだった松任谷正隆・由実夫妻が完全バックアップし、1984年の元日にシングル「愛にDESPERAT」（後で西村知美がカバー）で鳴り物入りのデビューを飾った麗美。
　ユーミン以外のアーティストが所属すること自体初めてだという雲母社所属のうえ、ユーミン書き下ろしのナンバーがズラリ。翌85年にかけ発表された3枚のアルバムは、まさに“松任谷麗美”とでも言うべき展開で、数多くのユーミンファンの目を釘付けにしたものです。
 
　そういう流れで、ユーミンが麗美に書き下ろした作品全17曲を集めたのがこのベスト。元々は厳選された曲数で86年にリリースされ、あ～る盤も含め何度か再発されてきましたが、2005年にはユーミン作品フルコンプ盤として新装発売。今回はそれがUHQ-CD化されたというワケです。
 
　作曲のみ（作詞は田口俊）、作詞のみという曲もありますし、ロリータっぽい世界観のものも多いのですが、特筆すべきは、呉田軽穂のペンネームではなく松任谷由実名義で、ご本人も歌うつもりのナンバーばかりだったということ。
　実際、ユーミンは同時期の「ノーサイド」はもとより、ハイ・ファイ・セットも歌った「霧雨で見えない」、ナンシー・ウィルソンと競作の「残暑」、「恋の一時間は孤独の千年」などをセルフカバー。ひと頃のユーミンライブでは定番曲のようになっていた「青春のリグレット」も麗美のセカンドシングルとして書き下ろされたものですし、冒険家・植村直己さんを歌った「星のクライマー」に至っては作曲が麗美なのにセルフカバーしましたもんね。
 
　ユーミン作品ではラストのシングル「Time Travelers」は当時のユーミンがテーマにしていた世界ですが、時代はめぐり現在のユーミンツアーのコンセプトともリンクしておりますし（セルフカバーに期待したいもの）、ユーミンファンで未聴の方はぜひこのチャンスに聴いてみてください。
 
　堀川まゆみ（MAYUMI）の妹としても知られるレイミーですが、お姉さんよりずっと個性的。春川ますみのようなルックスや独特の声質に抵抗があるかもしれませんがね。