40周年第2弾、アンの台詞も聞けるセカンド！

　デビューアルバム「BEGINNING」（ こちらで紹介）を皮切りに、初期RCA時代のアルバムの記念リマスタリングがスタートした竹内まりや40周年イヤー企画。間髪を入れずセカンドアルバム「 UNIVERSITY STREET 」のリリースも決定しました！
 
　デビュー曲は今ひとつパッとしなかったのですが、第２弾シングル｢ドリーム・オブ・ユー～レモンライムの青い風｣はキリンレモンのCMソングとして大量オンエアされ、オリコンでは最高30位まで上昇するスマッシュヒットを記録。
　ラジカセを抱えてローラースケートやスケードボードに乗ったナウいヤングといいますか、清涼感たっぷりのCMのイメージとともに、竹内まりやは慶応のカレッジポップスシンガーとして広く知られるようになりましたが、その余波を受けて1979年５月にリリースされたのがこのセカンドアルバムでした。
 
　タイトル通り、等身大のキャンパス・ライフを映したポップン・ワールドではありますが、ナウなウェストコーストのUCLAというよりも、古き良き学生通りの雰囲気。それは、まりやポップスのルーツがカンツォーネやフレンチポップスも含むオールデイズだからかもしれませんが、オープニングの自作曲にしてペニー・レイン歌謡とでもいうべき「オン・ザ・ユニバーシティ・ストリート」のせいでしょうか。
　哀愁たっぷりのメロディーラインとサウンドは、レーベルメイト・大貫妙子の81年のナンバー「ブリーカー・ストリートの青春」にも通ずる日本人好みの佳作です。ちなみにアウトロでまりやと会話し「バイビー！」と言っているのは、実際の友人だったというアン・ルイス。
　まりや自身、今月発売されるアンのベスト＆カバーコラボ・アルバム「 アン・ルイス・グレイテスト・ヒッツ・ウィズ・カヴァーズ 」にコメントを寄せ「アンは、私が芸能界に入って一番最初にお友達になった人」と話していますし、達郎・まりや夫妻ご両人から楽曲提供を受けているアンはある意味２人のキューピットだったそうです。
 
　さらに、アンはこのセカンドの2曲目で次のシングル「September」のカップリングとしてリカットされた「涙のワンサイデッド・ラヴ」も英語カバーしております。
 
　山下達郎、大貫妙子、杉真理、林哲司というおなじみのポップス職人たちによる粒よりのナンバーが詰まっていますが、特筆すべきなのがカーラ・ボノフのカバー「イズント・イット・オールウェイズ・ラブ」とラストの「グッド・バイ・ユニヴァーシティ」の２曲を英語で歌っていること。
　バイリンガル・まりやご本人はそう呼ばれるのをいたく嫌がったそうですが、ポスト南沙織としての面目躍如という感じですよね。
 
　なお｢ドリーム・オブ・ユー～レモンライムの青い風｣はイロイロと問題があったそうで封印され、達郎アレンジのアルバムバージョンで収録されています。
 
　オリコン最高７位と初のトップ10入りを果たしたという意味でも記念すべきアルバム。もちろん今回もノージ祐子さんによるRCA時代を振り返るインタビュー（Vol.2）も載るそうなので、買い増し、買い換え必至ですね。