初のオリコン1位を獲得、RCA時代の代表作！

　デビュー40周年記念企画として、初期RCA時代のアルバムの記念リマスタリング盤がファースト「BEGINNING」（こちらで紹介）、セカンド「UNIVERSITY STREET」（こちらで紹介）とマンスリーでリリースされている竹内まりやさん。
 
　いよいよデビュー記念日ということで、明日23日からはライブ映像のベストシーンをまとめた映画「souvenir the movie ～Mariya Takeuchi Theater Live～」も全国ロードショーされますが、そのタイミングでサードアルバム「LOVE SONGS」のリリースもアナウンスされました！
 
　80年3月リリースのこのアルバムは、新人賞レース参加曲としてリリースされ、レコード大賞新人賞などに輝いた第3弾シングル「SEPTEMBER」と、資生堂キャンペーンソングに起用されシングル初のトップ10ヒット（オリコン3位）となった出世作「不思議なピーチパイ」を含む全11曲。
　テレビ出演を重ねた知名度と、CMスポットの大量オンエアで得たシングルのヒットが後押しとなって、オリコンLPチャートでは自身初の1位を獲得。ぐんとメジャーな存在となったまりやさんの、初期の代表作に挙げられるアルバムです。
 
　シングルではボーカリストに徹していたまりやさんですが、歌のクオリティをパワーアップさせたのは、やっぱり「SEPTEMBER」での松本隆さんの起用でしょう。林哲司さんのメロディーやアレンジも大きかったですけど、それまでのキャンパスソング路線に松本さんがプラスしたハイセンスな陰影は、まりやさんの爽やかで知的なイメージとマッチ。ご本人のキャラクターというか、人間的魅力もアップさせたような気がします。やはりディレクターの宮田茂樹さんの采配の賜物でしょうが、まりやさんのブレイクは、松本さんの詩世界とのマッチングがきっかけだったと言い切ってしまいましょう。
 
　というワケで、このアルバムはピーター・アレン&キャロル・ベイヤー・セイガーの英語曲に加え、ちょっとハードなロックやブルージーなナンバーなどバラエティも広がった自作品など特筆すべき点がいくつかありますが、やっぱり松本さん作詞の「磁気嵐」「象牙海岸」「五線紙」という名曲がサラリと入っていることに尽きるんじゃないかと思っています。
 
　そしてもう一つ忘れてはならないのがレーベルメイトとなるデビュー前のEPOによるコーラスです。これも宮田さんの采配ということですが、自らもコーラスグループ、リバティ・ベルスのメンバーとして歌っていた方ですからね。
　個人的な話ですが、「SEPTEMBER」を聴くたび、南沙織の「昨日の街から」「色づく街」「ひとかけらの純情」などに付いたリバティ・ベルスのコーラスでショックを受けたことを思い出します。コーラス一つで楽曲の輝きが違ってくることをヒシヒシと実感したものですが、後でいずれにも宮田さんが関わっていたことを知って大層驚いたことでした。
 
　今回もボートラが入るようですし、ノージ祐子さんによるRCA時代を振り返るインタビュー（Vol.3）も含め、買い増し、買い換え必至ですね。