LP時代の18タイトルが紙ジャケ＆SHM-CD化！

　小椋佳、井上陽水に続くキティの大型アーティストとして、1976年に「浅い夢」でデビューした来生たかおさん。
　40年周年を迎えた2016年には、提供曲集「来生たかお 40周年記念作品集 "WORKS"」（ こちらで紹介）のリリースにとどまっておりましたが、ここに来てアナログ時代に発表したアルバム全18タイトルが2回に分けて、紙ジャケ＆SHM-CDで復刻されることになりました！
 
　第1回発売はこの12月リリースで、「 浅い夢+1(紙ジャケット仕様) 」「 ジグザグ+2(紙ジャケット仕様) 」「 By My Side(紙ジャケット仕様) 」「 BIOGRAPHY(紙ジャケット仕様) 」「 Natural Menu+1(紙ジャケット仕様) 」「 AT RANDOM+1(紙ジャケット仕様) 」「 Sparkle+4(紙ジャケット仕様) 」「 夢の途中+1(紙ジャケット仕様) 」「 BIOGRAPHY II+3(紙ジャケット仕様) 」の9タイトル。
　第2回発売は来年1月で、「 遊歩道(紙ジャケット仕様) 」「 Ordinary(紙ジャケット仕様) 」「 Visitor(カセット版) 」「 ROMANTIC CINEMATIC(紙ジャケット仕様) 」「 LABYRINTH(紙ジャケット仕様) 」「 ONLY YESTERDAY(紙ジャケット仕様) 」「 I WILL. . .(紙ジャケット仕様) 」「 Etranger(紙ジャケット仕様) 」「 With Time(紙ジャケット仕様) 」という予定になっています。
 
　近年の来生さんの復刻というと、2013年のタワーレコード限定で計7タイトル（「 ジグザグ＜タワーレコード限定＞」「 Sparkle＜タワーレコード限定＞」「 Ordinary＜タワーレコード限定＞ 」「 Romantic Cinematic＜タワーレコード限定＞」と2000年の25周年企画盤「 Dear My Company＜タワーレコード限定＞」の5タイトル＋「 Natural Menu +2＜タワーレコード限定＞ 」「 夢の途中＜タワーレコード限定＞」の2タイトル）がお買い得なボートラ付き廉価盤として再発されただけ（まだ入手可能なので価格重視の方はこちらをどうぞ）。
 
　メーカー発の企画としては2007年のBOX「来生たかお大全集」があったものの、単品復刻はQ盤全盛期の95年以来23年ぶり。コアなファン以外には、想い出のアルバムが単品チョイスで聴ける願ってもないチャンスとなっております。
 
　いやコアなファンもスルーすることなかれ。今回の紙ジャケ復刻は、夏の「柏原芳恵 SHM-CD／紙ジャケット・シリーズ」（ こちらと こちらで紹介）と同様の仕様になる模様ですが、これがユニバーサル渾身、コレクターも大満足の仕様とクオリティなのです。
  
　来生作品も今回紙ジャケット自体が初となるそうですが、この紙ジャケがいいんですよね。初回盤LPをミニチュア再現し、インサートもオリジナルにでき得る限り忠実に復刻…というのは当たり前ですが、特筆すべきは巻き帯なのですね。
　巻き帯は手間とコストがかかるので、それ自体復刻されるケースが少ないのですが、芳恵ちゃんの復刻ではCDの商品帯と、復刻された巻き帯は別という、マニアが泣いて喜ぶサービスぶり。今回の来生さんでも同じらしいですから、紙ジャケフリークにはたまらないアイテムになることでしょう。
 
　もちろん音質の方もオリジナル・アナログテープをもとにした2018年最新リマスター音源とのことで、旧譜を持っている人も、買い増し買い換えを検討すべきではないかと思っております。
 
　“パステルのシンガー・ソング・ライター”や“音の印象派”と称された通り、シャイで朴訥とした雰囲気そのままの繊細でメロディアスな作品群は、実姉の作詞家・来生えつこさんとのコンビを中心にエバーグリーンな名作ぞろい。
　現役ですし、地味なキャラクターゆえに復刻史上でもクローズアップされることは少ないように思いますが、どのアルバムもハズレなしだと思います。それは多くのヒット曲や名曲を世に出した作曲家としての実績を鑑みてもお分かりいただけることでしょう。
 
　今回初めて触れる人には、新録も含むベストアルバム「 BIOGRAPHY(紙ジャケット仕様) 」「 BIOGRAPHY II+3(紙ジャケット仕様) 」がオススメ。当時もしばたはつみの「マイ・ラグジュアリー・ナイト」や三浦友和の「ほほえみの扉」で注目したり、「セーラー服と機関銃」や「シルエット・ロマンス」でファンになった人向けにヒットしましたので、今回の第1回復刻分のダイジェスト版として聴いてみてもいいんじゃないかと思います。
 
　なお、昨年には太田裕美さんも参加したさくらももこ全作詞によるコラボ作品集「 One Week (DVD付) 」が話題を呼んだり、そして今年は40周年記念コンサートの模様を収録したCD+DVD「 40th Anniversary Symphonic Concert 2015-2016 ~夢のあとさき~ 」や、40周年アルバムのLP版「 夢のあとさき(オーケストラバージョン)LP2枚組 [Analog] 」がリリースされたり、現役としてもますます活躍している来生さん。コンサート活動も盛んなようですので、これを機に足を運ぶ人が増えそうな気もします。