明菜のベストが“ハイレゾCD”化！

　MQA（Master Quality Authenticated）技術を駆使し、いわゆる“ハイレゾCD”として一昨年あたりから話題を呼んでいるMQA-CD。ソフトとしては“ハイレゾも聴ける高音質ディスク。これが、CDの最終進化形だ！”というキャッチフレーズとともに「MQA-CD／UHQCD」が登場。対応のCDプレーヤーなどがないとハイレゾでは聴けませんが、普通のプレーヤーでも高音質ディスクとして再生できるということで、興味津々のCDメディアです。
 
　この「MQA-CD／UHQCD」、ユニバーサルミュージックの名盤を中心にボチボチ進んではいるものの、邦楽はより限定的で普及にはほど遠いのかも…と思っていましたが、このたびワーナーからも完全生産限定盤の「ハイレゾCD（MQA-CD ×UHQCD）名盤コレクション」シリーズとしてゾクゾクリリースが決定。
　邦楽では中森明菜さんのベスト盤２タイトル「 BEST(完全生産限定盤) 」「 ベスト・コレクション ~ラブ・ソングス&ポップ・ソングス~(完全生産限定盤) 」もラインアップに入りました！
 
　ご存じ「 BEST(完全生産限定盤) 」は86年4月1日リリース。明菜のベストとしては2枚目、シリーズとしては第1作となるシングルＡ面コレクション。すなわちデビュー曲「スローモーション」から13枚目のシングル「SOLITUDE」まで、全13枚のA面曲が収録されていますが、発売順ではないのが新鮮です。 
　前年の「ミ・アモーレ〔Meu amor e…〕」でレコード大賞に輝き、アイドルの枠を超え押しも押されもしないトップスターとなった明菜のモニュメント。聖子不在で孤高の女王として君臨する明菜時代のプロローグという感じのベストセラーベストです。
　昨年プラケースの標準仕様CDでリリース（ こちらで紹介）されておりますので、パッケージ的な希少感はありませんが、果たしておなじみのヒット曲の数々がハイレゾCDではどう聴こえるのか、お試し的な1枚としては最適ではないでしょうか。ちなみに音源は2012年のデジタルリマスターだそうです。
 
　そして、もう1作の「 ベスト・コレクション ~ラブ・ソングス&ポップ・ソングス~(完全生産限定盤) 」は、デビュー30周年の2012年に企画されたコンセプトベスト（ こちらで紹介）。
　デビュー以来、明菜が展開してきた「静」 と 「動」というコントラストをラブ・ソングス、ポップ・ソングスととらえた上で時系列で並べた2枚組。シングルA面曲だけでなく、アルバム曲やB面曲もふんだんに収録された選曲が光るリイシューです。
　といっても、既発音源を寄せ集めたベストではなく、オリジナルのマルチチャンネル・マスターテープから、すべての音素材を見直してブラッシュアップさせ、新たにミックスしたリメイク盤。よって、2012年には、元々のオリジナルとはまた違った聴こえ方ということで賛否両論を巻き起こしましたが、ハイレゾCDの場合はどんな意見が飛び交うでしょうか。
 
　ちなみにどちらのタイトルもSACDハイブリッド盤でリリースされておりますし、MQA音源も今春先行で ハイレゾ配信されていましたので、そちらをダウンロードした人には無用の長物かもしれませんが、明菜アイテムを渇望するファンにとってはこの上ない贈りものかも。
 
　なお、一般的なCDプレーヤーではハイレゾ再生は無理ですが、高品質なUHQCDとしてフツーに再生できますので、対応機器を持っていないコアな明菜ファンはやっぱり押さえておくべきでしょう。完全生産限定盤ですしね。
　他のタイトルも出してほしいと思うならなおさらだと思います。