ナツメロ喫茶店

 ビバ!旧譜の新譜。紙ジャケからBOXまで、ナツメロ復刻盤&再発盤、コンピ盤などのレビューコーナーです。

#935
大江千里/Senri Premium Ⅱ~MY GLORY DAYS 1989-1992
(2019.5.20発売、DYCL-751、¥8,000+税) *オーダーメイドファクトリーで条件をクリア、商品化が決定!

11年ぶりの続編、千里POPS黄金期のBOX!

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 現在はアメリカ・ニューヨークを拠点にジャズピアニストとして活躍する大江千里さん。
 
 昨年5月でデビュー35周年を迎え、9月の誕生日にはジャズ転身5作目にして、ポップス時代の代表曲をジャズピアノでセルフカバーしたアルバム「Boys & Girls」( こちらで紹介)をリリース。
 オリコンではジャズ・クラシックのチャートで1位を獲得、凱旋ライブの東名阪ツアーも成功させ、アナログ盤も発売されるなど、ジャズのジャンルでも高い実績を残したのはご存じの通りです。
 
 往年の千里キッズには、千里さんのジャズが原点のポップスに回帰することでさらに一皮むけたことが何より喜ばしいんじゃないかと思いますが、そのポップス時代の旧譜としても、オーダーメイドファクトリーで後期のDVD-BOXがアンコールプレス( こちらで紹介)。35周年に華を添えることができてよかったなと思っていましたら、さらにウレシイニュースが到着しました。
 アニバーサリーイヤーは今年の5月までということで、待望の紙ジャケBOX企画が発表されたのです!
 
 それが、2008年に出た紙ジャケ復刻アルバムBOX「Senri Premium~MY GLORY DAYS 1983-1988」( こちらで紹介)の続編となる「 Senri Premium Ⅱ ~MY GLORY DAYS 1989-1992 icon」!
 
 文字通り1989年から92年にかけてリリースされたオリジナルアルバム、すなわち「red monkey yellow fish」「APOLLO」「HOMME」「六甲おろしふいた」の4タイトルに、ボーナストラックとしてアルバム未収録のシングルをミックス違いまで含めて収録したCD-BOXです。
 
 思えば88年の傑作「1234」で一区切りを付け、89年のリミックスベスト「Sloppy Joe」(リイシュー盤は こちらで紹介)でデビューからの5年を総括した千里クン。そこまでをホップ、ステップと呼ぶなら、この時期はまさにジャンプ! 千里ポップスの黄金時代をまるごとパッケージしたものと呼べるでしょう。
 
 今回の4枚はすべて初復刻となりますが、オリジナル発売自体がCDで、セールス的にも絶頂期でしたので、初期のアルバムに比べ圧倒的に持っている人が多そう。よって買い控える人もいそうな感じなんですよね。
 
 しかしですね、今回の音源は2019年最新デジタルリマスターで、盤はBlu-spec CD2へとグレードアップ。
 プラケースや三方背BOX使用のオリジナルとはひと味違う紙ジャケ仕様ですし、何より別冊ブックには、何よりご本人書き下ろしの今だから言える秘話が満載のライナーが掲載されていますからね。千里キッズなら買い換え、買い増しは必至。買って損はない仕様になっていると断言できます。
 パート1もまだ在庫があるようなので、未入手の方は併せてそろえてみてはいかがでしょうか。
 
 個人的にこの4枚では、昔から千里ザ・ベストと思っている「red monkey yellow fish」をイチオシしてきましたが、今回久々にじっくり聴いてみて、それぞれに甲乙つけがたい魅力が拮抗していたことを実感。
 特に、当時は聴きやすいけど安定してしまったようであまり面白くないと感じていた「HOMME」と「六甲おろしふいた」の凄さに今さらながら気がついたりして…。
 
 87年の段階で既に作家としてオリコン1位を獲得済みだった千里クンですが、89年にはCDチャートで、90年にはアルバム総合チャートで自身でもついに1位を獲得。さらに、シングルでも「ラジオが呼んでいる」で初のトップ10入りを果たし、「dear」「あいたい」とヒットを連発。91年の「格好悪いふられ方」はマッキーの「どんなときも。」に僅差で破れたものの、オリコン2位に輝き自己最大のヒットとなったことはファンでなくともご存じのことでしょう。
 
 私小説をベースに自らの心情を切り売りしていたシンガー・ソングライターから、よりプロフェッショナルなソングライターへ。そんなシフトチェンジを意識されていたのかどうかはわかりませんが、特に「格好悪いふられ方」以降の2年は、音楽家・大江千里として時代が求めるアーティスト・大江千里に書くという姿勢を貫いたように思えるんですよね。
 もしかしたら他者へのサービス精神が強い関西人の血というものかもしれませんが、千里クンの場合はパブリックイメージの「大江千里」というか、時代のアイコンにまで成長してしまった「大江千里」を、ひたむきに全うしようとしていた…という気がします。スーパースターの座に就いた人の宿命と言えばそれまでですけど…。
 
 また、この時代は“やまかつTV”に代表されるバラエティーの明るいイメージといいますか、曲でいえばY.M.C.Aみたいな「おねがい天国」や「たわわの果実」に代表されるコミカルな軽さを前面に出していた千里クン。
 ツアーや野外ライブでもピカピカキンキラキン、極限まで弾けまくった上に、トレンディードラマへの出演や映画主演、写真集、月刊誌や週刊誌でのエッセイ連載、オールナイトニッポンのDJ、車やノートパソコン、お菓子などのCM、新創刊となった雑誌のキャンペーンキャラクターと、八面六臂の活躍というか、生き急いだ感じもあったのですね。
 
 そのあたりの千里さんの思いも含め、当時は決してわからなかったことが、このボックスでは解き明かされるような気がする…。30年経ってもう一度出会う名曲群は、新たな発見をもたらしてくれるかもしれません。
 
 いずれにせよ、OMFにつき条件をクリアしないと達成できませんので、オールドキッズの皆さんはもちろん、初めてこの時代の千里クンに触れるニューキッズも、ぜひともご予約ください!
 
 
 

(2018.3.15)
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