年内で引退のマコ、還暦＆引退記念BOX

　先月、年内いっぱいでの芸能界引退を発表して話題となった森昌子さん。1986年に森進一さんとの結婚を機に１度引退し、離婚して2006年に復帰していますから、今回で2度目の引退となるワケですが、大病をなさったとはいえ昨年に還暦を迎えたばかりの若さです。
　昔とは時代が違いますし、引退など宣言せずマイペースでまた歌いたかったら歌えばいいのに…などとつい思ってしまいがちですが、何せ13才で芸能界に入った人ですし、結婚時は家事やら子育てやらで家庭に縛られていたようですから、無理もないことでしょうか。
 
　現在は新曲「 あなたの愛に包まれながら 」を引っさげ、夢グループ主催で全国津々浦々を回る「夢スター歌謡祭 森昌子 祝・還暦コンサート」の真っ最中で、12月まで昼夜2回公演のスケジュールがびっしり詰まっているそうですが、これが事実上のさよならコンサートになる模様です。
 
　デビュー当時からものまね名人で芸達者な彼女ならでは、近年は小学2年生という設定の謎の姪っ子キャラ・ま～ちゃんも登場し、歌だけでなくコントなどもはさんだステージを展開。客席は大いに沸いているそうですが、ファンの中心は行動力があって購買意欲の高い中高年層。
　さぞ物販も飛ぶように売れるんだろうなと下衆の勘繰りをしておりましたら、まさに72年のデビューから現在までの足跡を網羅した引退記念盤にして4枚組のCD-BOX「 森昌子全集 」の発売が決まったようです。
 
　歌手・森昌子の軌跡をたどると72年に徳間音工・ミノルフォンレコードからデビュー。学園歌謡や青春演歌を中心に人気を博した後、79年にキャニオン・レコードへと移籍。本格的な演歌歌手へと転身し、代表曲と呼べるヒットも飛ばしました。
　キャニオン（ポニーキャニオン）には引退する86年までと2006年の復帰後も所属していましたが、ホリプロからの独立を機にインディーズでの自主制作、ホリデージャパンを経て、2012年にはキングレコードへ移籍。コンスタントに新曲を発表し、初期のいくつかのヒット曲も新録音していますが、今回のBOXは、還暦にちなみ全60曲が収録されるということで、その流れがざっくりと網羅される見込みです。
　豪華ブックレットおよび本人のメッセージ入りの豪華仕様だそうですので、ファンの方は要チェックです。
 
　BOXとしてはこれまでにも、最初の引退後に6枚組の「豪華愛蔵盤 森昌子大全集」（2001年には簡易ボックスの「森昌子大全集」としてリニューアル）が、2011年に5枚組の「歌ひとすじCD-BOX」が通販限定でリリースされていますけど、いずれも最初の引退時までというくくりでしたから、今回の復帰後も含むオールタイムベストBOXは貴重。引退記念にふさわしいアイテムになるのではと思います。
　どうぞ最初の引退前の楽曲が、キングの新録音ではなくオリジナル音源で収録されますように…。
 
　とはいえ、個人的には、森昌子といえば、ま～ちゃんではなく、桜田淳子さんや山口百恵さんと花のトリオとして活躍したアイドル・マコ。初期のヒット曲を中心に、アイドル時代から最初の引退までがオススメです。
 
　こちらもポニーキャニオンが充実していて、51枚のシングルA面コンプリート「森昌子 シングル・コレクション51」（ こちらで紹介）や、キャニオン移籍後に限定した2枚組の「森昌子シングルABコレクション 1979～1986」が出ていますが、極めつけはやっぱりデビューから86年までのの全シングルAB面を集めた「 ゴールデン☆アイドル 森昌子 」（ こちらで紹介）でしょう。
　メーカー5社合同企画によるシリーズとして、淳子や百恵ちゃんと同時発売。ドーナツ盤のシングルジャケット復刻ブックが付く豪華仕様が大評判を呼びましたが、マコの盤はまだ入手可能ですからね。
　ちなみに、こちらには72年のデビューシングル「せんせい／太陽の花嫁」から、86年の引退記念シングルとして４枚同時発売となった「いつまでも～~愛彩川／幸せありがとう」「ありがとう～雛ものがたり～／雁来紅」「そして、今…悲しみの終着駅／涙暦」「～さようなら～／初秋」まで、すなわち徳間音工・ミノルフォンレコード時代を経てキャニオンレコードに移籍し、一度引退するまでの全シングル50枚、そのAB面99曲（「翔んでけ青春」のB面はカラオケのため除外）が網羅されております。