シリーズ第4弾!女性ボーカルBlu-specコンピ!
復刻モノも二巡、三巡という感じの昨今。音源そのものが変わるワケではないので、仕様などプラスαの付加価値で勝負しているという印象もあります。
そんな中、ここ数年ポイントとなっているのが高品質CD。むろんリマスタリングされているかとかも重要なようですが、ハイエンドのオーディオでなくても音の向上は確か。昔のQ盤などと聴き比べるとその差は歴然としていて、お気に入りのアルバムなどは高品質CD化されるとつい買い換えの対象として見てしまいます。
当初ほどではないものの、ワリとコンスタントに出ているような気がしますが、和モノ復刻で活発なのがソニー系のBlu-spec CD。今月も聖子のLPサイズ紙ジャケ第1弾(こちらで紹介)をはじめ、岡村ちゃんの紙ジャケ(こちらで紹介)がリリースされ、すっかり市民権を得た感があります。
中にはBlu-specのコンピ盤もありまして、その代表格が70〜80年代のガーリーポップを中心にセレクトされた2枚組のラブリーシリーズ。
この時代のナンバーをBlu-spec CDで聴くと、臨場感といいますか、特にボーカルのパワーに圧倒されてしまうのですが、それこそが今のJ-POPが失ってしまったうたの本質だと思いますし、そういう意味からもこのシリーズをプッシュさせていただいております。決して手前ミソというだけはなく…。
とそんな話題をふったのも、いよいよ来週、シリーズ第4弾となる新作「 ラブリー・クイーン 」がリリースされるからだったりして…。
でも、内容自体はとっても充実しておりますので、Blu-spec CD未体験の人はもちろん、既に各音源を所有している方にも聴き比べていただきたいと思っております。
さて、このアルバムは前述の通り「ラブリー・ポップス」(こちらで紹介)、「ラブリー・ビーナス」(こちらで紹介)、「ラブリー・プリンセス」(こちらで紹介)に続くラブリーシリーズ第4弾。
ポップナンバーからメロウチューンまで、アイドル、ロック、ポップスなどジャンルを問わずセレクトするという基本的なコンセプトはそのままに、ますます選曲の妙が色濃い仕上がりとなっております。
まずは80年代のアイドルブームに火を付けた80年組、松田聖子と河合奈保子。今回、オープニングがユーミン作品の「瞳はダイアモンド」で幕を開け、エンディングは竹内まりや作品の「Invitation」で閉まるという構成で、NMの女王対決の様相も呈していますよね。
NMといえば、リバイバルブームを反映した大御所作品のカバーヒット対決も聴きもの。高田みづえはサザンのハラ坊が歌った「私はピアノ」を完璧に歌って紅白へと返り咲き。ユーミンが三木聖子に書き下ろした「まちぶせ」は、まさに石川ひとみの上にも3年、デビューから3年でつかんだヒットです。
実力派ではポプコン出身の歌姫対決、渡辺真知子対八神純子。「ブルー」「想い出のスクリーン」とそれぞれブレイク後のナンバーが選ばれておりますが、当時とは逆転してしまった今の体型を思い浮かべて聴くのも一興です。
同期ライバルといえば太田裕美と岩崎宏美のWヒロミも忘れてはなりません。歌謡曲とフォークの架け橋だった太田さんがフォークタッチの「しあわせ未満」なら、ヒロリンはヒロミ・イン・ディスコ!黒っぽいフィーリングが素敵な心霊レコード(?!)「万華鏡」で激突します。
そして、なんてたってタイムリーなのが祝30周年、花の82年組特集。「センチメンタル・ジャーニー」の松本伊代、「さよならの物語 」の堀ちえみ、「抱いてマイ・ラブ 」の早見優、「Hey!ミスター・ポリスマン 」の石川秀美というキューティー☆マミー+1の仲良し4人組プラス「マイ・ボーイフレンド」の北原佐和子と、2大女王以外がそろい踏み。
また、女優陣では、映画女優の薬師丸ひろ子は歌手デビュー曲の「セーラー服と機関銃」、テレビ女優の伊藤麻衣子は「婦警候補生物語」の「見えない翼」。
ドラマで言えば歴代スケバン刑事もバッチリで、斉藤由貴「白い炎」、南野陽子「はいからさんが通る」、浅香唯「セシル」が勢ぞろいしているというのも見逃せないチョイスでしょう。
セーラー服つながりでいえば、聖子のもう1曲「制服」、イルカの妹として人気を博した沢田聖子「卒業 」と、この時季にぴったりの卒業ソングも入ってます。
さて、この時代のタイアップといえば、やっぱり化粧品戦争。資生堂VSカネボウの図式もしっかり押さえられていて、コマソン対決は“時間よ止まれ、くちびるに。メロウカラー”の南沙織「春の予感 -I've been mellow-」と、“気まぐれ肌に 選んでなっとく、素肌べっぴん。”の総立ち白井貴子「プリンセス TIFFA」。
今回時に幅をきかせているガールズロックでは、歌謡ロックを確立したアン・ルイスの「あゝ無情」(おミズのお姉さんによるエッチな替え歌を思い出します)を筆頭に、レベッカ「RASPBERRY DREAM 」、再結成を果たしたプリプリの「GET CRAZY! 」とバンドブームの中心となったグループや、小比類巻かほる「TONIGHT」、谷村有美「がんばれブロークン・ハート」などポップロックな女子たちも。
まだ出芽していませんでしたが、本田美奈子「Temptation(誘惑)」、菊池桃子「Say Yes! 」と、ワイルド・キャッツ、ラ・ムー以前とのちにロック化する2人のヒット曲も選ばれています。
一線を画す大御所という意味では、豪華書籍もスゴイ予約だったという百恵ちゃんは、「乙女座 宮」&「しなやかに歌って-80年代に向って-」という後期エレガントチューンが選ばれています。おニャン子出身なのをおくびにも出さない工藤静香は、前髪立ち上げ&ボディコンの「嵐の素顔」でイケイケギャルに。
ほかにもキャンディーズ「やさしい悪魔」と「わな」に、ピンク・レディー「サウスポー」、Wink「One Night In Heaven~真夜中のエンジェル~」といった新旧アイドルグループなどなど、怒濤のエバーグリーン・ポップス38曲がギッシリ収録されております。
各種作業のBGMにすればガンガンはかどりそうだし、春の行楽シーズンですからドライブのお供にもぴったり。Blu-spec CDによる輝きもどうぞご体感ください!
(2012.2.23)