千秋による80年代聖子の名曲カバー第3弾、夏編!
松田聖子が最も輝いていたのは、やっぱり黄金期の80年代。そのキラキラした名曲群をシーズンごとにチョイスしてカバーしている企画が、ご存じ「MemorieS」シリーズ。
大の聖子ファンの千秋が選曲・監修したオフィシャルカバーアルバムというだけあって、通好みの選曲や現代のガーリーポップ系歌姫たちによるリメイクぶりは素晴らしく、コアな聖子ファンでさえ認めているといいます。
そんなシリーズの新作、第3弾の夏編「 MemorieS ~Bitter Sweet Pineapple~ 」がいよいよリリースされることになりましたので、復刻盤ではありませんが今回もご紹介することにいたしましょう。
第1弾の冬編「MemorieS〜Songs for the Season of White〜」(こちらで紹介)、第2弾の春編「MemorieS ~Goodbye and Hello~」(こちらで紹介)に続くものですが、今回もデビュー年の1980年から結婚休業前の85年まで、飛ぶ鳥を落とす勢いの時代に発表されたナンバーがずらり。
まさに♪恋って不思議なビター・スウィート・パイナップル!という感じですが、80年の第2弾にして出世作となった新人賞受賞曲「青い珊瑚礁」を皮切りに81年の「夏の扉」を経て、ここでも核をなすのは当然松本隆作品です。
82年には聖子のアルバムアーティストぶりが光る名盤「Pineapple」が大きな話題を呼びましたが、今回選ばれたのは先行シングルとなった「渚のバルコニー/レモネードの夏」。その次のシングルB面曲「マドラスチェックの恋人」も屈指の名曲ですよね。
また、聖子の夏のLPというと、やはりリゾートアルバムの風情が漂いますが、それはここでもバッチリ。
83年の「ユートピア」からはシングル曲「天国のキッス」のほか、コンサートの定番曲でもある「マイアミ午前5時」がセレクトされておりますし、84年の「Tinker Bell」からは「Sleeping Beauty」、同じく84年の「Windy Shadow」からは「MAUI」と、世界ビーチ巡りの様相を漂わせています。
ハワイ率が高いですが、やっぱり聖子のリゾート言えばハワイかも。短期留学や、プルメリアの伝説を思い出させますしね。
そして85年の「The 9th Wave」から、銀色夏生の感覚的な空虚感が聖子とマッチした奇跡の名曲「Vacancy」まで、唸ってしまう選曲ではないでしょうか。
歌うアーティストは、今回も千秋を筆頭に、前作からの工藤真由や、Hamar、宮崎れいな・真山りか・星名美怜・柏木ひなた from 私立恵比寿中学、樹海の愛未といった個性派ガーリー系が集結していますが、話題を呼んだ通信カラオケ・LIVE DAMによるオーディションで選ばれた2名も参加しているとのこと。
これまでの聖子トリビュートアルバムやハウス系リミックスアルバムとはまったく違う、新鮮だけどオリジナルの良さをしっかりとらえている解釈に、今回もハマってしまいそうです。
(2011.7.27)