夜ヒットDVD-BOX第4弾!ついに御大ジュリー見参!
きのうの9月8日、東京・国際フォーラムを皮切りにスタートした「沢田研二 LIVE2011~2012」。昨年はザ・ワイルドワンズによるスーパーバンド、ジュリーwithザ・ワイルドワンズの結成が話題を呼びましたが、今年のツアーではかつてのザ・タイガースのメンバー3人と再会。なんと以前の再結成の時には不参加だったピーこと瞳みのるさんが40年ぶりにステージに立つということで、早くから大きなニュースになっていました。
ステージを観覧した知人によると、会場は予想に違わぬ大盛り上がりだったとか。タイガース全盛期、うら若きティーンだった女の子も今やアラカンということで、会場は中高年パワーで熱気ムンムン。キーは低くなってはいたものの立派な黄色い声援も飛び交ったといいますから、やっぱり希代のスーパースターです。
かつてはトンガって、現在進行形にこだわり過去を封印していたジュリーですが、2008年に還暦を迎えてからは「人間60年 ジュリー祭り」とかファンの求めるジュリーをサービスたっぷりに届けてくれるようになった感じがします。
10年近くにわたりNGだったスカパー!の「夜のヒットスタジオ」再放送(現在はフジテレビONEでオンエア、「 スカパー!e2 」などでの加入申込と試聴環境が必要)も、2009年度からようやく解禁となりましたし、他の追随を許さなかったジュリーの勇姿は3〜40年経った今見てもホントに美しくカッコいいですよね。
そんなジュリーの大型企画が、今回このタイミングで届けられることになりました! ジュリーマニアのみならず昭和歌謡ファン待望、夜ヒットでの動くジュリーが見られるDVD-BOX「 沢田研二 in 夜のヒットスタジオ [DVD] 」!
夜ヒットDVD-BOXとしては、百恵ちゃん(こちらで紹介)、明菜(こちらで紹介)、ピンク・レディー(こちらで紹介)に続く第4弾。
このシリーズの充実ぶりは今さら語るまでもありませんが、恒例のオープニングメドレーをはじめ、番組独自のさまざまな演出、夜ヒットへの力の入れようが分かる衣装など、単なる歌唱映像という範疇にはおさまらない魅力が満載。
生放送ならではの緊迫感や臨場感までも記録されていたり、固唾を飲んでしまうシーンも醍醐味です。
ジュリーの場合はキャリアが長いので、タイガース、PYG、そしてソロと、デビューから番組終了まで出ていると思いますが、残念ながら初期のVTRは残っていないようで、今回収録されるのも再放送されている75年度以降になる模様。
すなわち、「白い部屋」とフランスでも大ヒットした「巴里にひとり」の2曲を歌唱した75年5月放送分から、90年2月の「DOWN」まで、102回の出演回を網羅。
70年代後半から80年代前半のヒット曲を中心に、番組で披露されたアルバム収録曲や、洋楽カバー3曲もプラスされ、オープニングメドレーも含む総収録時間は、なんと約9時間40分にも及ぶとか。DVDにしてなんと6枚組、シリーズ最大のスケールに仕上がるようです。
もう、かつての悠木千帆のように「ジュリー〜ッ!」と身をよじりたくなってしまいますよね。ジュリーの歌唱映像というと、ナベプロ制作番組のものがDVD「 快傑ジュリーの冒険」としてまとめられ珍重されてきましたが、今回のボリュームの前にはかすんでしまう感じです。
ジュリーの場合、1等賞ヒットがたくさんありますし、岩谷時子先生、安井かずみさん、阿久悠さんらが言葉を紡ぎ、大野克夫さんはじめ宮川泰先生、加瀬邦彦さんらのメロディーによる名曲の数々は音だけでも永遠不滅ですが、やっぱりジュリーのパフォーマンスとセットで楽しむのがイチバン。
ファッショナブルなブリティッシュ・ロックスターみたいだった初期の妖艶なカッコよさやもステキですが、やっぱり阿久さんが自らの願望を投影したセクシーなダンディズム路線こそ、ジュリーの真骨頂でしょう。新御三家やたのきんのみならず、後のビジュアル系バンドのボーカルたちが束になって頑張っても、あのムードには追いつくことさえできなかったのですから。
それには小物を使ったパフォーマンスが大きな効果をあげたものですが、「勝手にしやがれ」のソフト帽、「憎みきれないろくでなし」のパンクルックやサスペンダー、「サムライ」のシースルーな入れ墨襦袢シャツや小刀、「ダーリング」の指なめセーラーマン、「LOVE(抱きしめたい)」の血染めの包帯、「カサブランカ・ダンディ」のバーボン吹き、「OH!ギャル」の煙草とメイクあたりまでは、開けてみるか何が出るか分からない楽しさがありました。
それは楽曲でいえば百恵ちゃんとの、アクションや衣装でいうならピンク・レディーとの対決のような構図を描き出したものです。
以降も「TOKIO」のパラシュート、「恋のバッドチューニング」のカラーコンタクト、メイクも含め過激な「ス・ト・リ・ッ・パ・ー」などなどとにかく多彩。あの美貌とファッションセンスだからこそバッチリ決まった世界がまとめて見られることに、心から感謝したいものです。
そして夜ヒットならではの豪華な演出も楽しみですが、願わくば、毎度オシャレ番長の芳村真理さんさえも感嘆させてたジュリーならではのファッションと、真理さんのファッション評も収録していただきたい、なんて思ってます。
今回のDVD-BOXでジュリーのエンタテインメントを通して見れば、テレビの世界でジュリーが切り開いた道はやっぱりジュリーだけの道であったことを痛感するはずでしょうし、彼と彼を取り巻くスタッフ陣はもとより、当時のテレビマンたちの優秀さにも目を見張ることでしょう。
それだけでなく、そんなジュリーの存在が子どもの教育に悪影響を与えると眉をひそめていた教育ママゴンや、ジュリーの当時としてはユニセックスな出で立ちを煙たがっていたガンコ親父たちもかつて数多くいたことを思い出すかもしれません。
ああ、時代の変遷だとか、隔世だとかいうことで片づけてしまうには忍びない、今この時にとっても、とても大きな意味を持つDVD-BOXのように思うのは気のせいでしょうか。
(2011.9.9)
*詳細はユニバーサルミュージックの特設サイトでご確認ください。
なおネットショップでは2011年9月現在、amazon「
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」ともに26%OFFで最安値とのことです。