ベッテンBOX第3弾は、やっぱり女王・明菜!
聖子が話題の新曲と80年代ベストアルバムで好セールスを記録し、紅白歌合戦にも10年ぶりに出場するというニュースが流れた年の瀬。明菜はどうしたんだろう、大丈夫なんだろうかと、もう1人のライバルの不在を残念がっている人はかなりの数に上るはずです。
どちらも好きなワタシもまさにその通りで、先ごろの百恵ちゃんの豪華本ニュースを聞いて淳子に思いを馳せたのと同じく、聖子と聞けば条件反射的に明菜を連想してしまうのですが、それは陰陽、雌雄、正負、プラスとマイナス、太陽と月…などと並ぶ宇宙万物の摂理ではないかと確信しております。ええ、マジで。
体調不良のため無期限の活動休止を宣言してからはや1年余り。このまま2011年も暮れていくかと思いきや、明菜らしいビッグなリリースが決定しました!
そう、DVD-BOX「 ザ・ベストテン 中森明菜 プレミアム・ボックス 」! 百恵ちゃん、チェッカーズに次ぐベッテンBOX第3弾は、やっぱり明菜だったのでした!
明菜自身ベッテンに相当の思い入れがあるのはよく知られていますが、初登場の1982年から番組終了の89年まで、実際にザ・ベストテンで獲得した1位の数は曲数、週数ともに歴代ナンバー1。 まさに“ザ・ベストテンの女王”という実績を誇っています。
今回はランクインした全22曲をまとめたBOXで、明菜が出演した約30時間にもおよぶ映像を厳選。本人も可能な限りチェックして編集したということですが、それでもDVD5枚に747分、なんと約12時間半となるそうです。
曲でいえば第2弾シングルにしてブレイクを果たした「少女A」から、あの出来事で姿を消してしまう「LIAR」まで、ぷっくりほっぺのミルキーっ娘も、すっぴん赤ちゃん顔も、妖艶なアイラインで縁取ったシャープなプロフィールも、明菜ちゃんのベッテンがダイジェストで詰まっているんですよね。
細かく言いますと、Disc1には「少女A」「セカンド・ラブ」「1/2の神話」「トワイライト~夕暮れ便り~」、Disc2は「禁区」「北ウイング」「サザン・ウインド」「十戒(1984)」「飾りじゃないのよ涙は」、Disc3は「ミ・アモーレ(Meu amor e…)」「SAND BEIGE -砂漠へ-」「SOLITUDE」「DESIRE ~情熱~」、Disc4は「ジプシー・クイーン」「Fin」「TANGO NOIR」「BLONDE」「難破船」、Disc5は「AL-MAUJ(アルマージ)」「TATTOO」「I MISSED "THE SHOCK"」「LIAR」という構成。
いやあ、見事にすべてがヒット曲、しかも名曲のオンパレード。明菜の場合、オリコンで1位がとれなくてもザ・ベストテンではしっかり1位を獲得するなど、聖子とは対照的にリクエストや有線が強かったイメージがあります。
特にDisc2までの昇り龍的な流れは圧巻で、曲ごとのインパクトの強さや、動と静のバランスなどは、歌部分とトーク部分の落差も相まって、やっぱり百恵ちゃんに重なる感じ。
鬱積したエネルギーのはけ口を見つけた思春期少女のごとく、吐き出すたびにどんどん脂がのって輝いていく様子と、明菜にしかなかったガラスの吐息みたいな不安定で脆い魅力にまいってしまうこと請け合いです。
逆に頂点に上り詰めたDisc3からは、魂は同じでも1曲1曲異なる姿形で輪廻を繰り返す人生のよう。独特のセンスが光る衣装をまといつつ、自分の殻に閉じこもるように内省的で他を寄せつけないムードになっていきますが、それはまるで原罪を償う修道女の面差しにも似て、怖いほど魅惑的な魔力を放ってきます。ああ、これこそ明菜の真骨頂ではないかでしょうか。
今回は、全72ページものスペシャル・ブックレットも封入とのことですので、明菜がベッテン史上に残した記録の数々を音声と映像、そして資料という各方面から、じっくりと検証できるはずです。
ダイジェストとはいえ同じ曲が複数回連続で入ることになるでしょうが、生本番かつランキング番組ですから毎回スリリングで飽きませんよね。特に真っ正直な明菜の場合は、コンディションや表情などがその日によって驚くほど違っていましたから、そういう角度からも楽しめるんじゃないでしょうか。
ミラーゲートをくぐって出たスタジオはもちろん、「追いかけます!お出かけならばどこまでも」を合い言葉に行った各地からの生中継など、ベッテンならではの見どころもきっと満載。
久米さん、黒柳さんをはじめとする司会陣とのやり取りや、生中継先の追っかけマン&ウーマンによる曲紹介も含め、それぞれの時代の木曜よる9時がつぶさに記録されているはずです。
明菜といえば、やっぱり「セカンド・ラブ」で声が出なくて泣いちゃったシーンを筆頭に強烈な印象を残した場面がありましたが、歌声とは違うトークの控え目なおしゃべりとか、定番の新幹線シーンや1位のお祝いシーンなどなど、脳内再生してきた記憶の映像と比べるのも一興です。
豪華な衣装やセットも見ものですが、個人的には中継での私服ももう一度見てみたいなあ。ヤンキーっぽくサマになってたグラサン姿とか、よく着てたO.D OF BOURGEOISIE(ミルクの大川ひとみのブランド)とか、明菜のお気に入りの移り変わりをチェックできますんでね。
あとは聖子不在となった85年後半からのカンロクをば。他のアイドルとはまったく違う雰囲気といいますか、堂に入った風格は大スターの宿命すら感じさせます。また、それとは裏腹、まるで誰かに追いつめられるようにピリピリしていく空気とか、表情のこわばり、震えなども含め、孤高の歌姫と呼ばれるゆえんもぜひ確認できたらと思っております。
という、みんなが大好きな80年代の明菜がぎっしり詰まった宝箱といえそうな今回の豪華BOX。
リリース発表に際して公開された直筆のメッセージは、元気そうな明菜文字だったんで一安心しておりますが、コレがファンの皆さんの応援で大きなヒットを記録することに期待。
そしてファン思いの明菜のこと、その応援を糧に自信を取り戻し、頑張って体調を回復させ、希代の歌姫・中森明菜としてあざやかに復活を遂げる日を心待ちにしています。
(2011.12.16)
*詳細はユニバーサルミュージックの中森明菜オフィシャルサイトをご覧ください。
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TBS公式オンラインショップ
で購入するとTBSオリジナル特典(中森明菜ロゴ入り特製プレートホルダー)付きとのことです。