コイズミさんの30周年は、豪華単行本仕様のCD&ブック!
花の82年組が満30周年を迎える2012年。ちょうど30年前、あの3.21戦争が繰り広げられたのかと思うと感慨深いものがあります。
前年度から話題となっていた山口百恵を彷彿とさせる京美人、同時主演ドラマデビューを果たした大手タレントスカウトキャラバン優勝者、テープメーカーが興した新レコード会社の新人第1号と、鳴り物入りの大型新人たちがこの日に照準を定めて歌手デビューしたのです。
そんな中、「スター誕生!」から事務所的にもレコード会社的にも、前年に引退した石野真子の後を受ける形で登場したのが、キョンキョンこと微笑少女・小泉今日子だったのでした。
スタ誕の予選ではちょっとツッパリの雰囲気がしたものでしたが、そこはポスト真子。どんどん整えられて、デビューする時にはちょうちん袖がついたフリフリドレスの衣装が似合う感じに変身。最初は確かにブリッコアイドルだったのですね。
ただ、デビュー曲のドレスは流行のパステルカラーではなく、ショッキングピンクやキツイ若草色だったので、その後を暗示していたと言えるのかもしれません。
とはいえ、デビュー曲はB級アイドルの古くさいカバー曲だし、スタ誕とビクターではあからさまに中野美紀がイチオシみたいな感じで、いくら真子ちゃんの親衛隊がスライドしたとはいえ最初はあの熾烈な戦いに埋没しそうな感じがしたのも確かです。
しかし、人気は高いわ、セールスは1曲ごとに伸びるわ、翌年には弾けちゃうわで、中森明菜と並び、押しも押されもしない82年組トップへと驀進したていったのはご存じの通り。
老若男女みんな大好きで、歌やお芝居という芸能分野だけでなく、オピニオンリーダーといいますか、その影響ははかりしれないものがありましたっけ。
女子がみんなマネした部活カットやカリアゲなんかのヘアスタイルやVIVA YOUの服とかファッションは当たり前で、読書家らしくエンデの「モモ」とか太宰治の「皮膚と心」とか文芸にまで及んでましたし、キョンキョンが好きだというモノが即トレンドのものさしになっていたことや、CMのみならずクリエイティブな素材としてプロ中のプロからも評価され続けたことを思い出します。
今シーズンも主演ドラマ「最後から二番目の恋」もリアルなセリフが巷で話題となったり、いくつになっても相変わらず人気のコイズミさんですが、そんな彼女のデビュー30周年はといいますと、まず発表されていたのがベストアルバムの企画。
昨年からブックレットに掲載するメッセージ募集が行われていましたが、このほど、デビュー記念日の3月21日に発売されることが発表になりました。
それが、CD2枚組+160ページ雑誌スタイルのブックレット付き、豪華単行本仕様の初回生産限定盤「 Kyon30~なんてったって30年!~ 」!
デビュー以来、ずっとビクターというのも30年来のファンとしては喜ばしい感じがしますよね。余談ですが、ビクターという会社は、アイドルであっても長年在籍し続けてるアーティストが多いような気がするのですが、それって日本的な人情や義理堅さの証ではないかと思い、胸を熱くする次第です。
さて、キョンキョンの場合、CDファイルはまだ生きていますし、オリアルの紙ジャケ復刻も完結していますし、ファンによるリクエストベストも出ていますし、音源的には別に…という人が多いでしょうが、そんな人でも思わず手が伸びちゃう内容になっております。
確かに30曲を収録した2枚組CDは、デビュー曲「私の16才」から完全ブレイクした筒美作品「まっ赤な女の子」「半分少女」「艶姿ナミダ娘」「渚のはいから人魚」「The Stardust Memory」「魔女」「なんてったってアイドル」「夜明けのMEW」「木枯しに抱かれて」「水のルージュ」「快盗ルビイ」「Fade Out」「学園天国」「見逃してくれよ!」「あなたに会えてよかった」「優しい雨」「My Sweet Home」「 for my life」などなど代表的シングルが中心で、音源的には珍しくないんですけど、選曲はなんとコイズミさんと縁の深い各界の豪華著名人30名が担当。
なるほど、だから南沙織の「純潔」へのオマージュとして知られるピチカートの小西さん作「CDJ」なんかも収められているんですね。
選者を敬称略で列挙しますと蒼井優、浦沢直樹、大根仁、大森南朋、川勝正幸、川上未映子、宮藤官九郎、ケラリーノ・サンドロヴィッチ、小林武史、斉藤和義、スチャダラパー、高橋盾、高見沢俊彦(THE ALFEE)、田中裕二(爆笑問題)、土屋アンナ、堤幸彦、TOKYO No.1 SOUL SET、とんねるず、長澤まさみ、永瀬正敏、蜷川実花、平井堅、藤井隆、藤原ヒロシ、細野晴臣、マツコ・デラックス、YOU、横山剣(クレイジーケンバンド)、よしもとばなな、リリー・フランキーという錚々たる面々がずらり。
川勝さんのお名前があることに涙を禁じ得ませんが、このラインアップはさすがコイズミさんという感じですよね。
ただファンの欲目的に見れば、80年代後半以降という感じで、それも近年の人脈が結構多いような気が…。
30年というバランスを考えると、初期の人たち、むろん無理を承知していますが、例えばグリコのCMでゴールデンコンビを組んだ渡辺徹とか、大の仲良しだったダンプ松本とか、当初は舎弟のように慕ってた網浜直子とか、「あんみつ姫」でおこしの局役だった由紀さおりとか、そういうメンバーも入れてほしかった…なんて思ったり。
それはさておき、30曲の選者30名によるコメントが収録され、30年ヒストリー満載だというブックにはやっぱり興味津々です。何せ雑誌顔負け、160ページですからね。
「ファン、スタッフ、お友達による30周年おめでとうメッセージ」「髪型で振り返る小泉今日子30年のヒストリー」「緊急!コイズミ会議 in 新宿二丁目」「小泉今日子直筆メッセージ」など、タイトルだけ見ても読み応えを確信できる好企画が満載な感じ。
30周年のご祝儀という意味合いだけでなく、コレを目当てに買う人も多いことだと思います。
個人的には、大山和栄さんが書いた初期のイメージイラストをはじめ、「迷宮のアンドローラ」の長岡秀星さん、「快盗ルビイ」の和田誠さん、「Ballad Classics」のペーター佐藤さんとか、キョンキョンをめぐるアートなんかの企画があったら最高なんですけどね。
なお、このアルバムは本好きなコイズミさんらしく単行本仕様というだけあって、CDショップだけでなく書店でも購入することができるとか。ただし、初回生産限定なのでお早めに。
(2012.2.7)
*TOWER RECORDS、HMV、TSUTAYA RECORDS、新星堂、山野楽器の大手CDショップをはじめ、指定のCDショップや書店で予約すると、先着オリ特としてB3サイズの復刻ポスター(告知用、ショップ別全7種類)がもらえるとのことです。
図柄は各店で異なり、例えば新星堂なら「微笑少女」、TOWER RECORDSなら「なんてったってアイドル」、HMVなら「ファンタジェン」、山野楽器なら「Fade out」、TSUTAYAなら「あなたに会えてよかった」、その他CD SHOPなら「bambinater」、書店なら「The Stardust Memory」になるそうです。
なお、いずれも先着であり、特典自体に対応していないショップもあるようですので、ご注文時には特典がつくかどうかを必ずご確認ください。特に書店に関しては、商品自体の取り扱いのない店舗もあるようです。くれぐれもご注意ください。