名曲回帰、男性スーパースターたちのバラード集!
スーパースター。そう聞いて連想するのはアディダスのスニーカー? カーペンターズのヒット曲? それとも百恵ちゃんが命名したがったという幻のアルバムタイトル?
人それぞれにいろんな印象があるでしょうが、アーティストとしてのスーパースターって、やっぱりカリスマ性を持ち、人々に感動はもちろんいろんな影響を与え、時には生き方さえ変えさせてしまうような人だという気がします。
歌の世界でも最近はかつてのようなスーパースターがいないと言われますが、それはそういう人がいないんじゃなくて、もうかつてのような形では必要とされていないんじゃないか、などと思ったり。
ただ、暮れの紅白でユーミンたちとのシングアウトを見てて痛感したのは、やっぱり時代に鎮座するスーパースターの必要性でした。
ハンパなかったリスペクト演出の効果といえばそれまでだけど、目をふさいで聴いても分かるユーミンの個性的な歌声に寄り添うように、老若男女ともに共感できる詩世界や心を打つメロディーを、みんなで一体になって歌う様は、まさにスーパースターとの至福のひとときに思えたんですね。
むろん演歌の大御所とか芸能界のご意見番への視線とは全く違う、憧憬のまなざしが包み込んでいたこともあるでしょう。ユーミン自身の、若いときは見せなかった人間的な魅力をあらわにするようになったことも大きかったのかもしれません。
しかし、明け方床に就く頃もその光景が頭を離れず、無性に我々世代のスーパースターの歌を聴きたくなってiPhoneの中を探し回ったのです。
紅白の影響で最初こそユーミンやみゆきでしたが、結局行き着いたのは男性陣。吉田拓郎、井上陽水、小田和正、さだまさし、甲斐バンド、松山千春などなどを聴きながらしみじみと眠りについたのでした。
と、スーパースターたちの存在意義をあらためて再確認し、原点回帰したような年越しとなりましたが、手前ミソながらそういう感じでオススメしたいのが来週リリースになる「 ワン・アンド・オンリー 」。
拓郎から、陽水、小田さん、財津さん、チンペイさん、まっさん、キヨシローに甲斐さん、千春、ハマショー、チャゲアス、元春、玉置さん、尾崎、民生やマッキーまで、長いキャリアを誇りスーパースターと呼べる男性シンガー・ソングライターの名曲、それもスタンダードなバラードナンバー16曲を集めたコンピ盤です。
「おきざりにした悲しみは 」「ジェラシー」「言葉にできない 」「青春の影」「昴 -すばる-」 「主人公」「スローバラード」「安奈」「大空と大地の中で」「片想い」「男と女」「グッドバイからはじめよう」「メロディー」「 I LOVE YOU」…並べ立てたタイトルだけでもわかるように、世代を超えたスーパースターたちのおもに初期の作品をセレクトされています。
今やどんなものにも名曲という冠がつけてしまう時代ですが、ここに収められているのはどれもその名に恥じない、ホントに永遠の名曲といえるものばかりではないでしょうか。
これら個性の競演はまさに圧巻ですが、グループ時代の作品が選ばれているアーティストもいますし、各人、数あるヒット曲や名曲の中でも、ほとんどがベタな王道ナンバーではなく2番手以降の代表作というのもいい感じ。
新しい年の始めに名曲へと回帰し、今一度本物の良さを実感してみてはいかがでしょう。
さすがスーパースターと呼ばれるだけあって、みんなオーラありまくりで今も変わらずお若く見える方ばかりですが、メンツの中には故人や大病をなさった方もいらっしゃいますし、この中では一番若いマッキーでさえとうに40の声を聞き、20年以上のキャリアになっているワケですから、キャリアの分だけお年を召しているのは事実。
あの頃は小中学生だった我々も、もはや初老となってしまいましたし、誰も時の流れには逆らえないのですが、これからも人々を大いに勇気づけるであろうスーパースターの皆さんたちにはいつまでもお元気でいてほしい。そんな風に思う松の内明けでした。
(2012.1.8)