ディスコ歌謡「夕ごはんはカレーにしましょう」もCD化!
70年代半ばから、東京銀座・山野楽器提供の深夜放送“エミ長”こと「エミ子の長いつきあい」のパーソナリティーを務め、受験生を中心に人気を博した中山恵美子。
やはり、受験勉強に励む中高生のお姉さん的存在のDJというイメージが強いのですが、実は森昌子と同じ徳間音工・遠藤ミノルフォンレコードから、同時期に歌手デビュー。
ロマンフォーク路線といいますか、歌謡曲とフォークのねっとりとした折衷路線から、演歌にカテゴライズされそうなミノルフォンらしい歌謡曲、アイドルっぽいポップス歌謡、はたまた山野楽器の社歌まで、東芝EMIへの移籍後を含めたくさんのレコードをリリースしている歌手でもあります。
80年代に入ってからは、シンガー・ソングライター、中山エミコとしてニューミュージックのジャンルで活動したことを覚えてる人も多いかも。ちなみに、あの見岳章夫人になって引退したんだとか!
そんな彼女ですが、このたび初期のシングル・コレクション「 中山恵美子/エミ子の長いつきあい〜シングル・コレクション1974-1977 」が、Hotwax presents 歌謡曲番外地シリーズとして登場することになりました。エミ長をリリースするなんて、さすがはウルトラヴァイヴ!という感じですよね。
さて、件のラジオ「エミ子の長いつきあい」のジングルで幕を開けるというこの初CDは、72年から76年までのミノルフォン時代の全シングルAB面、すなわち「白い波をのこして/世の中をかえるもの」「はだしのヨコハマ/もくれん」「長いつきあい/ちょっと違うんだなァ」「ジョージへの手紙/避暑地の出来事」「マイ ホームタウン"ギンザ"/北の伝説」「夕ごはんはカレーにしましょう/ニュース速報」「私はピアノ/星ふる渚」を完全収録。
さらに東芝レコードへの移籍後のシングルも「とどかぬ青春/夢の世界で」「北国は寒いだろう/慕情のワルツ」という77年までの2枚を追加。
そして74年のアルバム「エミ子とおしゃべり—長いつきあい」から「秘密のノート」「不信のとき」「みずうみ」の3曲をプラスしたコレクションになるそうです。
個人的には、唯一歌える75年12月発売の「夕ごはんはカレーにしましょう」が初CD化される(ですよね?)ことがめちゃくちゃウレシイ。
実は今回取り上げさせていただいたのは、それだけの理由と言ってもいいほど。一般的に代表曲とされるのは「長いつきあい」でしょうが、当時小学生だった我々世代の中は「夕ごはんはカレーにしましょう」の方が記憶に残っているという人も多いのではないでしょうか。
岡田冨美子+佐藤健コンビによるナンバーで、決してファミリーソングやコミックソングではなく、れっきとしたオトナのラブソング。
当時流行のハッスルなソウル&ディスコサウンドがイカすナウな名曲でしたが、キャッチーなサビの歌い出しから、子どもたちの心をわしづかみにする魅力にあふれてたんですよね。
とっても狭い範囲で恐縮ですが、少なくともワタシの周辺では当時、「およげ!たいやきくん」や「春一番」「木綿のハンカチーフ」なんかと並んで口ずさまれるヒット曲になっていたものでした。
なんたって当時「トイレット博士」と並ぶ下品さで大人気を博していた少女漫画「つる姫じゃ〜っ!」の中でも登場したほどですからね。
なぜだかキョーレツに覚えていて、給食時間の校内放送DJになったおハナと吾作(わかります?)が、献立のカレーライスにちなんでチョイスしたのがこの曲。「それではおいしいカレーをいただきながら聞いてくださいこの曲、『夕ごはんはカレーにしましょう』!」などという、とっても流ちょうな曲紹介に、レコード回し係のつる姫も感心してライバル心を燃やす…みたいな流れでした。
この際ですし、インド人もびっくり、童謡の「カレーライスのうた」やエンケンの「カレーライス」と並ぶ三大カレーライスソングの1つだと言い切ってしまおう!
というワケで、この1曲だけでもとっても思い入れがあるので、今回のベストは即予約決定です。
当然のごとく最新デジタルリマスタリングで、ブックレットには解説やジャケ写真なども掲載されるそうですので、エミ長ファンはもとよりディープな歌謡曲にご興味がおありの方はぜひ。
なお「3年B組金八先生」第2シリーズでおなじみの川上麻衣子のデビューアルバム「 川上麻衣子/ 夢みて・・・+2 」も初CD化、同時発売だそうです。
(2011.12.9)