15年ぶりのニューアルバムは、ルーツのヤマハ名曲集！
あの不変ぶりは、他の同時代のアーティストと比べても群を抜いていますし、お子さんを持たれてからは、まろやかな母性も加わり、もしかしたら今の方があらゆる意味で最高潮といえるのかもしれません。
今年は日本での活動を本格的に再開させることを発表していた八神さん。震災によって当初のプランは変更を余儀なくされたものの、愛国心を大いに駆り立てられたそうで、日本のため、被災地のために立ち上がり、トランス・パシフィック・キャンペーンを立ち上げ、チャリティーライブなども精力的な支援活動を行っていらっしゃいます。
また11月2日には、SHIBUYA-AXでザ・ブルースカイ オーケストラとの共演によるライブ「BLUESKY PLAYS "J"」を開催。これは、本来ならば10年ぶりの復活ライブとして5月に行われる予定が、震災の影響で延期になっていたものですが、圧倒的なクリスタルボイスで大成功を収めることでしょう。
と、満を持して復活を果たした感じの八神さんですが、なんと約15年ぶりとなるニューアルバム「 Vreath(ブレス)~My Favorite Cocky Pop~(ハイブリット盤)
」の発売も決定しました！Breathの「B」を音楽記号の息継ぎ「V」に置き換えたというタイトルも八神さんの強い意志の表れのようですが、内容はツイッターでもつぶやかれていたように、ヤマハの名曲集。
ポプコン出身の八神さんにとって、まさにルーツであるカバーアルバムで、深夜ラジオ「コッキーポップ」で人気のあったナンバーから、八神さん自身が今だからこそ、歌いたい＆伝えたい歌をチョイスしたというもの。復刻盤ではありませんが、これはぜひともご紹介させていただきたいと思います。
なお、通常盤はSACDハイブリッド盤「 Vreath(ブレス)~My Favorite Cocky Pop~(ハイブリット盤)
」という力の入れようで、ボーナストラックとして5.1chバージョン3曲収録予定だそうです。もちろん普通のCD盤「 Vreath(ブレス)~My Favorite Cocky Pop~
」も同時発売になりますが、ハイブリッド盤なら普通のCDプレーヤーでも聴けるワケですから、ここはやっぱりハイブリッド盤を手にしたいところです。気になる選曲はといいますと、全12曲で、本格デビュー曲「思い出は美しすぎて」のセルフカバー＆スキャットバージョンをはじめ、これでもかというコッキーポップな名曲がテンコ盛り。
例えば、合歓ポピュラーフェスティバルからは、69年度グランプリに輝いたシング・アウトの「涙をこえて」（NHK「ステージ101」でおなじみ）と、参加曲のチューリップス「20才のころ」（ズズ＆ムッシュ作品で数多のカバーが存在する名曲です）、'71入賞のトワ・エ・モワ「友だちならば」をセレクト。
ポプコンナンバーからは、第３回（'71作曲コンクール）のもとまろ「サルビアの花」をはじめ、第７回入賞の中沢京子「待ちわびて」、第9回入賞＆第10回グランプリの中島みゆき「時代／傷ついた翼」、第15回入賞の柴田まゆみ「白いページの中に」といったシブイ選択となっています。
さらに世界歌謡祭からは第１回（東京国際歌謡音楽祭）グランプリのヘドバ＆ダビデ「ナオミの夢」がチョイスされるなど、デュエットのお相手も含め、サプライズが満載の仕上がりといえそうです。
世間的にはシンガー・ソングライターのイメージが強いですし、ポプコンでも譜面歌手的なことはやってないような気もしますから、意外に思う人も多いかもしれませんが、八神さんはなんたってヤマハのボーカルスクール出身。
「私にとってヤマハが青春、青春がヤマハ」と語っている通り、78年の本格デビュー後、小野香代子の「さよならの言葉」をセカンドシングルとして発表したり、オリコンNo.1をマークした企画ベスト盤「JUNKO THE BEST」のA面では柴田容子の「うまくいかなくても」や風コーラス団の「愛色の季節」、高田真樹子の「私の歌の心の世界」といったヤマハゆかりのナンバーをカバーしたりしてきましたら、今回の選曲も当然といえば当然です。
何より注目したいのは、記念すべき本格的な再始動のリリースがコッキーポップ映像集のDVDリリースが続いていたソニーからだということ。再発や復刻といったカタログものだけでなく、ベテランが再活躍できるレーベルとしても定評のあるダイレクト発だけに、さらなるリリースや新曲にもかなり期待できそうです。
さらに、来年２月からはこのアルバムを引っさげ全国ツアーも開始と、今後ますます楽しみですよね。
なお、 Sony Music Shop
（2011.11.2）
＊大江千里と共作したシングル「
さくら証書
