超萌え〜?! キャンディーズの近未来的カバー集!
早いもので今年もあとふた月と少し。2011年という年は本当にさまざまなことが起こった年でしたが、このサイト的に大きかったのは、やっぱりスーちゃんの逝去。
本当に悲しい出来事でしたが、スーちゃんは最期にキャンディーズというグループの唯一無二の存在意義と功績を広く知らしめ、新たなファンをも開拓すると同時に、3人の絆や、彼女たち自身のキャンディーズに対する誇りをまざまざと見せつけて逝ったような気がして、あらためてキャンディーズの大きさに感服したものです。
哀悼の意を表して、キャンディーズのうたを聴こうと思い立った人はとても多かったようで、2002年の「 GOLDEN☆BEST/キャンディーズ 」が品切れ続出となり、2009年に限定発売されていたブルースペック版を含めて急きょ追加生産。オリコンではチャートを急上昇し、なんと20位にランクインしたのです。
さらに、懐刻盤シリーズとして6月に出た「 GOLDEN☆BEST キャンディーズ コンプリート・シングルコレクション 」(こちらで紹介)は、いきなり11位をマークするなど、すわ現役時代かというチャートアクション。解散時以来、約33年ぶりの記録というセールス的快挙も果たしました。
もう3人そろうことは叶わなくなり、本当に永遠の存在となってしまったキャンディーズですが、彼女たちの名曲の数々は新しい命を注がれ、今日も巷で歌われ続けています。しかもこのたび、初のカバー集が登場することになりましたから、やっぱりキャンディーズ・ナンバーは不滅です。
それがPerfumeや初音ミクもビックリ、キャンディーズのヒット曲を現在のミュージック・シーンに残し伝えることを目的としたバーチャル・キャンディーズ企画、その名も「 C-android 」! コレはやっぱりご紹介せねば!と思った次第です。
チョイスされたのは「ハートのエースが出てこない」「年下の男の子」「あなたに夢中」「哀愁のシンフォニー」「春一番」「暑中お見舞い申し上げます」「その気にさせないで」「やさしい悪魔」「危い土曜日」「微笑がえし」「アン・ドゥ・トロワ」と、おなじみのヒットナンバーがずらり11曲。
サウンド面では、MANABU IWAMURA (岩村学)、DISKO KILLAZ、The lasttrak (ザ・ラストトラック)、DJ NAO NAKAMURA、Kz(livetune)、DJ TOMOら、アートワークの部分では、かの村田蓮爾をはじめ、SUZUHITO YASUDA、TOKIYA、門脇聡、BABYsueなどなど、錚々たる面々が参加とのこと。
21世紀の音楽シーンを語る上で外すことのできないクリエイターたちによる、キャンディーズソングの近未来ボーカロイド的解釈というイメージで、それぞれのイメージアートからバーチャルなビジュアルグループの動きをイメージして萌えながら聴くのも一興でしょう。コミケ系ならでは、やっぱアニメの映像付き、なんていうのが理想かも。
個人的には、ボーカルという意味においてPerfumeは全然OKなのですが、初音ミクの声は生理的に拒否ってしまうタイプなので、“キャンディーズ×Vocaloid!?”という触れ込みに、最初はおっかなびっくりでした。
しかし白盤を拝聴したところ、いい意味で予定調和の雰囲気で、あのメロディーにちゃんと似合っていることに驚き。これなら往年のファンも安心して聴けるのではないでしょうか。
無機的なボーカロイド的ではなく、リアルなボーカルの良さを生かしている感じもしますし、キャンディーズのリミックスよりこちらの方がハマリ度合いでは勝っているかもしれません。
原曲に慣れ親しんでいる耳には、普通こういう企画ってどうしてもなじみにくいものなので、このハマリ具合を不思議に感じる人も多いかもしれませんが、それにはちゃんと理由があるのです。
実はこのアルバム、キャンディーズが在籍していたCBS・ソニーを有していたソニーミュージック発であり、担当はキャンディーズ史上最高のBOXといわれる「キャンディーズ タイムカプセル」を手がけた吉田kaku格さんなのでした。
しかも、キャンディーズの楽曲の原盤制作を担当し、現在も全音源を管理する渡辺音楽出版も公認しているとか。うーむ、そうなりゃ名実ともにオフィシャルカバーと呼べる作品。やっぱりキャンディーズファンは必聴ですぞ!
なお、初回限定としてスーパージュエルケース仕様、さらにジャケットも担当した村田蓮爾さん描き下ろしのクリーナークロスも封入されるそうですので、そっち系がお好きな人にもオススメです。
(2011.10.12)