ナツメロ喫茶店/オススメ復刻盤543

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  ビバ!旧譜の新譜。紙ジャケからBOXまで、ナツメロ復刻盤&再発盤、コンピ盤などのレビューコーナーです。

#543

清水ミチコ/清水ミチコ物語

(2012.3.28発売、MHCL-2031、¥2,800)

あの月刊明星メドレーも収録!25周年初ベスト!

 今は昔の中高生の頃、ヘンタイよいこのビックリハウサーだったもので、当時からその類のニオイがするモノやヒトに知らぬ間に惹きつけられてしまう性癖があります。昔から飽きずにこちらに来続けてくださっている方は、もしかしたら同じヘンよいだった皆さんなのでは?という気がしますが、いかがでせうか。

 そういう視点でいうと、松永光代ではなく清水ミチコのファンになったのも、そんなニオイを感じたからかもしれません。

 最初はむろん大ファンである矢野顕子のモノマネをする人(当時は他にいなかった)だということに最大の興味を抱いたワケですが、実際に「冗談画報」でそのモノマネを見て仰天。いっぺんで大好きになったのは言うまでもありませんが、その後に出たファーストアルバム「幸せの骨頂」を手にしてまた仰天。アッコちゃんと同じミディからのリリースであり、しかもジャケットイラストはビックリハウスでもおなじみだった霜田恵美子さんだったのですから。

 そんなこんなで動向に注目するようになって、当時愛読してた「月刊カドカワ」の総力特集を読んでからはミッチャンという人の謙虚な人柄や生き方にも共感。
 パテ屋での日々はホントに素敵なエピソードばかりだったし、ミッチャンがなぜ日本では希有な品の良いボードビリアンなのかが少しだけ理解できたような気がして、シンパシーを高めていったワケですが、のちの黒柳徹子さんや三谷幸喜さん、平野レミさん&和田誠さんご夫婦、阿川佐和子さん(先日のミッチャンがゲスト「サワコの朝」も抱腹絶倒でしたね)らとの関係も含め、ホント好きなものは数珠つなぎでつながっているのだなあということを確信した次第です。

 と、そんな風に愛してやまないミッチャンなのですが、ブログやツイッターでも書かれていた通り、25年のキャリアを網羅した初めてのベストアルバム「 清水ミチコ物語 」がリリースされることになりました!

 なんでもブログに寄せられたリクエストをもとに、ミッチャン自身が選曲。最新ネタや新録音の新曲も収録するというただのベストではない内容になる模様です。

 一昨年に拝見したお楽しみ会ツアーでもホントに楽しませていただきましたし、その模様を収めたライブDVDも最高でしたが、このベストも必携。なんたってミッチャンの歴史と進化の過程が手に取るように分かる内容なのですから。

 チョイスされているのは、まず87年12月のデビューアルバム「 幸せの骨頂 」から「五人の港—港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」に、「謎の中華三昧」。加賀美幸子、桃井かおり、黒柳徹子 、吉田日出子、楠田枝里子の狂演もゴイスーですが、アグネス・チャンに欧陽菲菲、そして皆様のジュディ・オングが入り乱れる構図は筆舌しがたいものがあります。

 それに加え、ジャケットからして続編という感じの89年「 幸せのこだま 」からは「おれんち金持」、テリー・ジョンソンこと湯村輝彦ジャケットの90年「ミス・ヴォイセス」からは「似た声どうし」「オクラホマミキサー」「本物は誰だ」、ソニーから再発もされた92年の「 飴と鞭 」からは「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」「ニュースキャスター 四姉妹」…と続きますが、ウチ的にオススメしたいのは2曲入ることになった「月刊明星メドレー」シリーズでしょう。

 「幸せのこだま」の「なつかしの月刊明星メドレー」は、百恵ちゃんの「イミテイション・ゴールド」から始まり、南沙織の「純潔」、麻丘めぐみの「わたしの彼は左きき」、桜田淳子の「わたしの青い鳥」、浅田美代子の「赤い風船」、平山三紀の「真夏の出来事」、天地真理の「ひとりじゃないの」まで、王道アイドルの代表曲がずらり。
 百恵ちゃんのみ一部歌詞が変えられていますが、各人がテレビの歌番組で見せた特徴をうまくデフォルメ。正直、モノマネとしてはイマイチの出来もあるんですが、真理ちゃんや三紀さん、淳子にミヨちゃんらマネしやすい人はともかく、当時シンシアやめぐみタンをモノマネする人なんか誰もいませんでしたから、とにかく感激したものです。
 あと、あの頃はカラオケにまだ昔のアイドルのナンバーなど、ほとんど入っていない時代。愛好の氏みんなでミッチャンのカラオケを歌っていたことを思い出します。

 一方シングルとしてリリースされた「月刊明星メドレー ~シブイ編~」は、確かに明星のグラビアは飾っていましたが、アイドルと呼ぶにはいろんな意味でシブイラインアップ。
 渡辺真知子の「かもめが翔んだ日」から、欧陽菲菲の「雨の御堂筋」、浅野ゆう子の「恋はダン・ダン」、あべ静江の「みずいろの手紙」、伊藤咲子の「ひまわり娘」までを、ビューティ・ペアの「かけめぐる青春」でつなぎながら、濃ゆ〜く展開しています。

 後半は、ソニー時代になって、ますますクオリティを磨き名人芸として完成されてゆくネタが満載。
 五月女ケイ子さんがジャケットイラストを描いた2005年「 歌のアルバム 」からは、森山家&ムッシュの「この凄い血筋いっぱい」やユーミンのレディオをイメージしたい「ボイス・アドベンチャー」&「リキュールの恋人」、フランソワーズ・アルディ「さよならを教えて」をベースにした「イェル・ケ・クク」、ライブバージョンでますます歯止めのきかない綾戸智絵「テネシー・ワルツ」、「野球中継」と圧巻のラインアップ。
 また、テリーの奧様、湯村タラちゃんイラストの2006年「 リップサービス 」からはモノマネ講座「ミミックレッスン」、陽水もビックリの「欲望」、黒き瞳だから「MY BLACK EYES」と続きます。

 さらには、ライブではおおひなたごう氏のボツになったイラストにウケましたが、藤子(F)やアサツーからクレームが付いたのではないかと心配する2009年の最新アルバム「 バッタもん 」(実はライブDVD「 Live! 清水ミチコのお楽しみ会 ”バッタもん” [DVD] 」はイロイロあったらしく発売延期になった末ジャケットが一部変更になっております)からは、「お好み演芸会」と千風パロディーの「変な風になって」。
 今回、このベスト盤のために進化した「新バッタもん」も挿入されるそうです。

 そして感謝の気持ちをこめた新録が、アンケートでぶっちぎりで1位だったというアッコちゃんの名曲「ひとつだけ」。今回はキヨシロー&アッコちゃんバージョンだといいますから、コレは必聴です。
 なんと、偶然にもご本家と同じレコーディングスタジオで録ったそうですが、それもミッチャンが引き寄せたと思える因縁深いエピソードではないでしょうか。

 なお、初回限定でプロマイドを封入予定だそうですので、ミッチャンのあの世界がお好きな方はお早めにどうぞ。
 あ、そういえば、ミッチャンがご本人の承諾を取りつけたというトットちゃんのアルバム「チャック・オン・ステージ ―二重唱・マイナス・ワン―」の復刻はどうなったのでしょう。ミッチャンのベストを聴きながら待ちたいと思います。

(2012.2.7)

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