NHK生まれの人気者、ソニー音源コンプリート！
ミュージックバラエティーとでもいうべきその画期的な音楽番組は、現在アラフィフ以上となった当時のヤングには涙がちょちょぎれるほど懐かしい存在として根強い人気を持ち、出演していたヤング101は青春のシンボルとして愛され続けています。
ホント近くにも「涙をこえて」を涙ながらに歌う先輩がいましたし、ギリギリ見てた我々やその下の世代にとっても、太田裕美や谷山浩子らが出た番組として、または「レッツゴーヤング」や「ヤングスタジオ101」の前身となった伝説の音楽番組として、知名度はかなり高いはずです。
洋楽やオリジナルソングを中心に良質な音楽を届けてくれるNHKの姿勢は、ヤング101に始まりレッツヤンのサンデーズへと受け継がれてきましたからね。
ネット時代になってからは、かつてのファンや出演者の交流も盛んになるとともに、ソフトロックブームも相まって再評価はうなぎ上り。CD復刻も進み、ついには2003年に復活コンサートが開かれるなど大きな話題を振りまきましたが、現役当時を知らない昭和歌謡マニアの皆さんの中にもその時ファンになったという人がいるかもしれませんね。
ステージ101という特定の番組での活動にもかかわらず、レコードのリリースも盛んだったヤング101。入れ替わりつつ、４年余りのキャリアの中で、ベスト盤を入れるとなんと20タイトル以上のアルバムが出ているとか。
当時の発売元は東芝EMI、CBS・ソニー、そしてキャニオンレコードと３社を股に掛けてのリリースですが、そのうちソニーの音源を網羅した初のCD-BOX「 ヤング101 ギフト・ボックス
ソニーの101モノというと、2003年に２枚組の「 GOLDEN☆BEST/ステージ101 ヤング青春の日々
」が発売されましたが、あれは他社音源の代表曲なども含んでいたベスト盤。当時も根強い101ファンから、ソニー盤のオリジナルのCD化を望む声が高かったと思います。とはいえ、OMFではかつてアルバム「ぼくら心のふるさと」が候補に挙がったものの達成できなかったので、なかなか難しいのかもしれませんが…。
なので今回は、今度こそはという願いも込め紹介させていただきたいと思います。
ソニー発のオリジナルアルバムとしては４枚、シングルは2枚をリリースしているヤング101。ちなみにベスト盤はギフトパックシリーズで２枚、コンパクト盤のクローバーシリーズも何枚か出ていたように思いますが、今回の企画では全音源が5枚にまとめられ、最新デジタル・リマスターでの収録が予定されています。
内訳を見ますと、ディスク１は、71年６月発売の中村八大さん音楽監修による英語版「ヤング サイモンとガーファンクルを歌う」と、72年６月の全訳詞の日本語版「サイモン＆ガーファンクル ベスト」を収めた２in1。文字通りS&Gのカバー集です。
ディスク２は、72年４月のソニーの４チャンネル・SQ-4にしてオリジナル＋洋楽カバー「ヤング訪問!!」に、コカ・コーラのCMソングとしてもおなじみの同発シングル「愛するハーモニー／愛するハーモニー（コカ・コーラ編）」をプラス。
そしてディスク３の1973年３月リリース「ぼくら青春の日々」、ディスク４の同年９月「ぼくら心のふるさと」は東海林修さんが音楽監修した２枚で、オリジナル＋基本邦楽カバー集。ジャケットも秀逸です。
中でも「ぼくら青春の日々」は東海林先生ならではのお洒落なアレンジに加え、若きホソノさんや鈴木茂さん、林ミッチさんがバックを務めていることもあって、和モノ的な人気が高いんだとか。
また前述したように今回が２度目のチャンスとなる「ぼくら心のふるさと」では、「空と海がとけあうとき」が必聴。松本隆さんと東海林先生による珠玉の名作です。
最後のディスク５には、1973年12月の「ヤング集合!!」と同年４月リリースのシングル「恋人よ飛んでおいでよ／恋人よ飛んでおいでよ（インスト）」をボーナストラックとして収録。
ここでは、やはり太田さんの初々しい歌声が聞ける「この広い野原いっぱい」に注目です。
という、ヤング101のソニー音源コンプリートとなるBOX。101ファンはもちろん、シング・アウト、田中星児、ワカとヒロ（若子内悦郎、河内広明＝後の芹澤廣明）、泉朱子、黒沢裕一、串田アキラ、藤島新、田頭信幸、塩見大治郎、一条みゆ希、小林啓子、西玲子、太田裕美、谷山浩子らメンバー各氏のファンの皆さんもぜひ一票を。
（2011.11.29）
