“荒井由実”も参加した夢のライブがパッケージ化！

　1969年、作曲家の村井邦彦さんが、作詩家の山上路夫さんとともに設立した音楽出版社・アルファミュージック。そこから制作部門を独立させたアルファ・アンド・アソシエイツ、そしてレコード会社として立ち上げられたアルファレコード…。
　赤い鳥、ガロ、荒井由実、ハイ・ファイ・セット、サーカス、YMOなどなど、アルファから数多の優れたアーティストが世に送り出されてきたことは今さら言うまでもないでしょう。
 
　2000年代に入ってからアルファの音源はソニーが管理受託。数多くの復刻盤や企画盤に加え、村井さんの作品集BOX「 The Melody Maker －村井邦彦の世界－ 」もリリースされてきましたが、創立50年を迎えた2019年にはソニー・ミュージックパブリッシングの子会社として再出発。
　さらに今年4月には、ソニーミュージックグループ内で50周年プロジェクト「ALFA50」がスタート。コロナ禍の中ではありますが、 オフィシャルサイトの開設や全世界配信ストリーミングサービスをはじめ、さまざまな企画が立ち上がっています。
 
　世界的な日本のシティポップスブームでも再評価の高まるアルファですが、今日につながる大きなターニングポイントとなったのが、今から５年前の2015年9月27、28日、東京・渋谷のBunkamuraオーチャードホールで行われたライブイベント「ALFA MUSIC LIVE」。
　そう、村井さんの古希を祝し、アルファゆかりのアーティストたちが一堂に会した夢のライブですが、なんとここに来て映像＋音源集の「 ALFA MUSIC LIVE－ALFA 50th Anniversary Edition 」として商品化されることが決定しました！
 
　ライブの総合演出は松任谷マンタさん。ユーミンがアルファ作家契約の第１号・荒井由実として登場するオープニングから度肝が抜かれること請け合いですし、加橋かつみ、ガロの大野真澄、赤い鳥の後藤悦治郎＆平山泰代夫妻（紙ふうせん）、雪村いづみ、小坂忠、吉田美奈子、ブレッド＆バター、サーカス、山本達彦、コシミハル、さらにはメンバーが欠けてはいるもののYMO（細野晴臣、高橋幸宏）やシーナ＆ロケッツら、豪華なレーベルメイトやプレゼンターが勢ぞろい。バッキングはティン・パン・アレーと武部聡志バンドが担当しています。
 
　約4時間、当時のエピソードを交え、加橋かつみ「愛は突然に」、紙ふうせん「竹田の子守唄」「翼をください」、雪村いづみ「蘇州夜曲」「東京ブギウギ」、荒井由実「ひこうき雲」「中央フリーウェイ」、小坂忠「ほうろう」「機関車」、吉田美奈子「夢で逢えたら」、サーカス「Mr.サマータイム」「アメリカン・フィーリング」、ブレッド＆バター「あの頃のまま」、YMO「ライディーン」などアルファ時代のヒット曲を披露するという凝った趣向のライブでしたが、今回は２日目の模様をBlu-ray Disc２枚に完全収録。
　さらに、当日のセットリストでオリジナル音源を集めたCD2枚に、楽曲解説、参加アーティストや関係者のコメントを纏めたブックレットも付属。まさに永久保存盤といえるBOXに仕上がるようです。
 
　ライブの模様はWOWWOWで何度か放映されてはいますが、ホントに奇跡のライブといいますか、入手困難のプラチナチケットでしたので、パッケージとして残ることに感謝。早々に予約して家宝にすること決定です。
 
　ちなみに、発売日は村井さんの誕生日となっていますが、村井さんにとって一番好きな音楽であり“アルファの音”と定義しているのが「ユーミンの楽曲、細野晴臣を中心とするミュージシャン、そして山本潤子の歌で創り上げた作品」とのこと。特に山本潤子さんについては「生涯で出会った歌手の中で最大の歌手」というこの上ない賛辞とともに称えておられますが、肝心の彼女が活動休止中につきこのライブへの出演が叶わなかったのが唯一残念なことでした。
　アルファを体現したアーティストという意味でも、この機会にぜひファンリクエストで出来上がったオールタイムBOX「山本潤子／Junko Yamamoto ALL TIME SONGS」（ こちらで紹介、解説などを担当させていただいています）をお聴きいただければと思います。
 
　なお関連アイテムとして、このコンサートに先駆けアルファレコードの軌跡をまとめた2枚組コンピ盤「アルファレコード～We Believe In Music～」（ こちらで紹介）や、村井さんと山上さんとの共同制作50周年を祝した３枚組の作品集「 『翼をください』を作った男たち～山上路夫・村井邦彦作品集～」（ こちらで紹介）も併せてどうぞ。