全員集合もレコ大も！ジュリーのTBS歌唱映像集

　目下、今は亡き志村けんさんの代役として主演した映画「キネマの神様」の公開を控えているジュリーこと沢田研二さん。 山田洋次監督、松竹映画100周年記念の大作とあって公開が待たれる中、コロナ禍の影響で4月に予定されていたロードショーは延期となり肩を落としたファンは多いと聞きますが、朗報が届きました！
 
　そう、ソロデビュー50周年を記念した7枚組のDVDボックス「 沢田研二 TBS PREMIUM COLLECTION」の発売が決定したのです！
 
　昨年暮れのNHKボックス「 沢田研二 BEST OF NHK DVD-BOX」（ こちらで紹介）に引き続いてのDVDボックスですが、今度は待望のTBS出演映像集。あの「8時だョ！全員集合」や「ザ・ベストテン」をはじめ「日本レコード大賞」など、映像が残っている1973年から90年までの貴重な歌唱映像がギッシリ詰め込まれるのです。
 
　構成は、まずDISC 1が「in 8時だョ！全員集合」（約84分）。DISC 2が「歌のグランプリ」「トップスターショー」「だぅもありがと！」など、ジュリーの特番を含めさまざまな番組から選り抜いた「on TV」（約70分）。
　DISC 3が久世光彦さんのプロデュースによる伝説の番組「inセブンスターショー」（約72分）で、DISC 4、5が一「inザ・ベストテン」（計約148分）、DISC 6がバンドブームに沸いた87年から90年にかけCO-CoLOを率いて出た音楽番組から「inロックな番組」（約74分）。
　そしてDISC 7が「awarded 日本レコード大賞」（約40分）という7枚。
 
　カラーの異なる番組別につき、とても見やすくジュリーの変遷がしっかり理解できるのではないかと思いますが、気になるのはセブンスターショーもさることながら、やっぱり全員集合とベストテン、レコード大賞ではないでしょうか。
 
　全員集合は73年の「危険なふたり」から「渡り鳥はぐれ鳥」までとのことですが、あの番組ならではの忙しないライブ感と、歌ゲストもおちおちスタンバイしてはいられなかったハプニング感に対し、ジュリーはどのように対処していたかが気になるところ。
 
　ベストテンに関しては、78年の第1回で6位に初ランクインした「憎みきれないろくでなし」から、スポットライトで久々の出演となった86年の「アリフ・ライラ・ウィ・ライラ」までからセレクトということですが、やはり1等賞にこだわったジュリーだけに「サムライ」「ダーリング」「カサブランカ・ダンディ」という1位獲得曲が見ものです。
　タイガースの除外はしょうがないとして、できることならば紹介シーンも入れてほしいのですが…。
 
　レコ大は、和田アキ子に手を引かれた72年の歌唱賞「許されない愛」から、大衆賞の「危険なふたり」、歌唱賞の「追憶」、大賞候補ベストテンの「時の過ぎゆくままに」、悲願の大賞「勝手にしやがれ」、V2ならずも最優秀歌唱賞に輝いた「LOVE（抱きしめたい）」、金賞の「カサブランカ・ダンディ」「酒場でDABADA」「ス・ト・リ・ッ・パ・ー」「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」、そして特別金賞の「きめてやる今夜」まで。再放送されたものも多く、賞レースを辞退した年もありましたが、レコ大の映像がまとめて商品化されるのは初のことだそうで（単曲では南沙織の歌唱賞受賞曲「人恋しくて」が84年と2000年に商品化されております）、こうして一堂に見られてコレクションできるのが何よりですね。
 
　毎度申しておりますが、ジュリーの場合、テレビでのビジュアルを重視した先駆的存在だけに、華麗なパフォーマンス演出や衣装、小物などとセットで楽しむのがイチバン。
　特に77年から80年にかけての変幻自在なテレビパフォーマンス、例えば「勝手にしやがれ」の壁塗りソフト帽、「憎みきれないろくでなし」のパンクルックやサスペンダー、「サムライ」のシースルーな入れ墨襦袢シャツや小刀、「ダーリング」の指なめセーラーマン、「LOVE（抱きしめたい）」の血染めの包帯、「カサブランカ・ダンディ」のバーボン吹き、「OH!ギャル」の煙草とメイク、「TOKIO」のパラシュート、「恋のバッドチューニング」のカラーコンタクトなどなど、後にも先にもジュリーの右に出る人がいないことが十二分に実感できるはずです。
 
　なお、今回はすべてデジタルレストアと音声リマスタリングが施されているそうなので永久保存版としての価値も大。いろんな意味でジュリーの映像集としては最強ではないかと思いますので、スーパースター・ジュリーのファンのみならず、昭和歌謡、昭和ポップスを愛してやまない皆さんも必携のBOXといえるでしょう。
 
　ちなみにジュリーのテレビ番組の歌唱映像DVDといえば、前述のNHK映像集のほか、夜ヒット出演回などフジテレビの集大成による6枚組の「 沢田研二 in 夜のヒットスタジオ」（ こちらで紹介）やナベプロ制作番組での歌唱を集めた「快傑ジュリーの冒険」が発売されていますので、網羅されたい方は併せてどうぞ。
 
　また、歌唱映像を観て、往年のヒット曲を音源としてコレクションしたい人は、昨年暮れにドーナツ盤復刻BOX「沢田研二 シングル･コレクション･ボックス ポリドール･イヤーズ」が限定アンコールプレス（ こちらで紹介）されていますので、そちらをぜひ。