アナログ第2弾は初のピクチャーレコード！ 

　“抱きしめたいッ…！ ミス・ソニー”のキャッチフレーズでデビューしてから、今年でちょうど40周年を迎えた松田聖子さん。
　コロナ禍のため記念のコンサートが全て中止となり、ディナーショーもほぼ全滅と、さんざんなアニバーサリーイヤーになったかと思いきや、そこは天下の松田聖子。
 
　オンラインでのファンミーティングやスタジオライブといったキャリア初の試みを行ったかと思えば、セルフカバーや大瀧作品、財津和夫さんとの久々のタッグなど話題満載の記念アルバム「SEIKO MATSUDA 2020」（ こちらで紹介）をリリース。オリコンではデイリー1位、ウイークリー3位という好記録となり、オリジナルアルバムとしては24年ぶりとなるオリコンTOP3入りを果たしました。
　さらに、栄えある日本レコード大賞の特別賞を受賞、海外ドラマの監督デビューという仰天ニュースも聞かれましたし、大晦日には24回目となるNHK紅白歌合戦への出場に加え、久々のカウントダウンコンサートも敢行と、むしろwithコロナで活動の幅を広げた感すら漂っています。
 
　旧譜の方も、今月には1982年のクリスマスアルバム「金色のリボン」が単体復刻（ こちらで紹介）されオリコン27位をマークしておりますが、年の瀬を迎えたタイミングで、今春アニーバサリーイヤーの先陣を切って出たアナログ盤の第2弾「 Seiko Matsuda 40th Anniversary Bible -bright moment-<完全生産限定盤>」の発売が発表されました！
 
　聖子のベスト企画としてはすっかりおなじみ、91年から続く「Bible」シリーズに連なる2枚組アナログLPですが、前回の第1弾「Seiko Matsuda 40th Anniversary Bible～blooming pink～」（ こちらで紹介）は、デビュー記念日の4月1日にリリース。
　空前のアナログブームということもあるでしょうが、コアな聖子ファンにとっても、飽和状態にあるCDベストよりはるかに喜ばれたようで、即完売の上、オリコンでは堂々23位を記録。よって続編が企画されるのは至極当然のことだったのでしょう。
 
　第2弾は、まず選曲の妙に注目。当然第1弾との重複はなく、「風は秋色」「チェリーブラッサム」「瞳はダイアモンド」「ハートのイアリング」「Pearl-White Eve」といったおなじみのシングルＡ面はもちろん、「制服」「愛されたいの」「SWEET MEMORIES」という広く知られたB面曲、そして「白い恋人」「一千一秒物語」「P･R･E･S･E･N･T 」「真冬の恋人たち」「瑠璃色の地球」などアルバム曲もふんだんに収録。
　しかも今回も人気曲のみならず、「花びら」（2005年のセルフ作品ではなく81年の「Silhouette～シルエット」収録作）や「電話でデート」「Private School」「今夜はソフィストケート」「シェルブールは霧雨」など、Bibleシリーズ初収録となる隠れた名曲もチョイスされています。
 
　というように今回も80年代のナンバーがほとんどを占めますが、アナログ盤初収録となる90年代後半、すなわちソニー移籍後の作品も2曲入っております。
　といってもオリジナル音源ではなく、最大のヒット曲である「あなたに逢いたくて～Missing You～」は、2004年のリクエストベスト企画で1位となり新録されたロイヤルフィルハーモニックオーケストラを従えた2004バージョン。松本隆さんに託された大村雅朗さんの遺作として世に出た「櫻の園」は、槇原敬之編曲による2018年のリアレンジバージョンという変化球となっているので、逆に面白いギミックですよね。
 
　そして今回の目玉といえるのがアナログ盤の仕様。前回がピンクのカラーレコードだったのに対し、今回はなんとピクチャーレコードなのです！
　しかもジャケットになる絵柄は、前回の反省からか、81年の聖子ちゃんカットの写真。
　「夏の扉」や「Silhouette～シルエット」のアナザーカットだと思いますが、まさにピクチャーレコードにふさわしいショットではないでしょうか。
 
　80年代はアイドルのカラーレコードやピクチャーレコード花盛りの時代でしたが、ソニーの場合は音質的な問題のためか、他社に比べカラーレコードやピクチャーレコード率は極端に低かったんですよね。
　特にピクチャーレコードはほとんどなくて、郷ひろみのLP-BOXの特典レコードやシブがき隊の企画盤のほか、ちょっと時代が下がって松本典子やソニーのおニャン子ユニットぐらいの印象でした。
　よって、聖子としては初のピクチャーレコード。とはいえ、聖子と同期ではキャニオンの田原俊彦やコロムビアの河合奈保子ぐらいしか出てなかったように記憶していますから、今回の企画は80年組にとっても貴重な記念アイテムといえそうです。
 
　ちなみにパッケージはピクチャーフレーム・ダブルジャケット仕様で、ピンナップ歌詞リーフレット封入。しかも発売は聖バレンタインデーなのだとか。
　聖子からのバレンタインギフトが見目麗しいピクチャーレコードなんて、いささか出来すぎの感はありますが、若い世代を中心に昭和ポップスとしての聖子の再評価はうなぎ上りのようですし、今回も完全生産限定盤につき即完売必至。 SonyMusicShop では、先着オリジナル特典としてA3サイズのポスターが付くそうなので、早めの予約をお忘れなく。