幻の「いちご畑でFUN×４」収録の40周年アルバム！

　今年は松田聖子さんの記念すべきデビュー40周年。しかし、新型コロナウイルスのおかげですべての予定が中止や延期を余儀なくされ、肩を落としているファンは多いようです。
　ファン大集合のお祝いライブになったであろう夏のアリーナツアー「Seiko Matsuda Concert Tour 2020 “Singles & Very Best Songs Collection!!”」は結局来年に延期。FC会員向けのオンラインファンミーティング「スペシャルオンライントークショー!!」が8月に開かれたものの、コロナ禍の昨今では年末恒例のディナーショーの開催も危ぶまれる状況です。
 
　音盤の記念企画も、ソニーから出た40周年記念ベストのカラーレコード（ こちらで紹介）をはじめ、先行配信となった松本隆さんによる全編日本語歌詞の「 SWEET MEMORIES～甘い記憶～」やコロナ禍だからこその「 瑠璃色の地球 2020」といったセルフカバーが話題を呼んだものの、槇原敬之書き下ろしの記念曲がマッキーの逮捕によってお蔵入りになったそうですし、肝心の記念アルバムは6月3日の発売予定が9月に延期。
　新型コロナには多くのアーティストが影響を受けていますが、聖子の場合、大型企画続出のアニバーサリーイヤーだっただけに踏んだり蹴ったりの様相を呈していたんですよね。
 
　そんな中、ようやく今月30日にリリースされるのがニューアルバム、初回盤「 SEIKO MATSUDA 2020 ［SHM-CD+DVD］＜初回限定盤＞」と通常盤「 SEIKO MATSUDA 2020＜通常盤＞」。タイトルだけ見ると、反射的に「すわ、あのソニーの10万円BOXの2020年バージョンか！」と思ってしまいますが、ユニバーサルにつき当然そうではなく、れっきとした40周年記念アルバムとなっています。
 
　とはいえ純然たるオリアルではなく、配信済みの「SWEET MEMORIES～甘い記憶～」「瑠璃色の地球2020」というリメイクバージョンを筆頭に、テレビ東京系「ワールドビジネスサテライト」エンディングテーマとしてオンエアされている「La La!! 明日に向かって」、20周年以降にシリーズ化した記念曲「40th PARTY」などセルフの新曲もたっぷり収録されそう。
　チューリップの財津和夫さんから久々に曲提供を受け、これまた先行配信された「 風に向かう一輪の花」など、40年の歴史を感じるさまざまなサプライズが用意されているようですが、黄金期の聖子が好きなファンにとって大きな目玉といえるのが、このほど発表された秘蔵音源。
 
　そう、かの大瀧詠一御大がミックスした秘蔵音源「いちご畑でFUN×４」です。
　ナイアガラーの間では原曲となった2曲は、ドゥビドゥビダンダンな対をなすものとして有名ですが、あらためて紹介するといずれも松本隆＋大瀧詠一コンビが81年に手がけた作品。
　「FUN×４」は言わずと知れた御大の傑作「A LONG VACATION」の収録曲で、太田裕美さんがシークレットゲストとして参加していることでも知られるナンバー。
　一方、「FUN×４」を下敷きにした「いちご畑でつかまえて」は御大参加による聖子の4thアルバム「風立ちぬ」に収録。当時喉のコンディションが最悪だった聖子は、御大の執拗なディレクションに嫌気がさしたと伝えられていますが、聖子ちゃんカットのぶりっ子全盛時代らしく、この曲ではかわいいくしゃみを聞かせて大きな話題を呼びました。
 
　という2人が歌う2曲を１つにしたミックス音源は、洒落というか、遊びゴコロに満ちた御大ならでは、ご自身も商品化を前提にしたものではなかったでしょうが、そこは聖子の40周年。御大がご存命ならば世に出たかどうかは分かりませんが、ここはお祝いの意味を込めて収録が決まったことにただ感謝したいと思います。
 
　そういう意味では、現在とデビュー当時の写真を対比させたジャケット（通常盤）も楽しみ。何だかんだいっても松田聖子は特別かつ永遠の存在ですからね。
 
　なお、レコード会社直営のUNIVERSAL MUSIC STOREでは、SHM-CDに80年代メモリーグッズの応援ハチマキが付いた 限定生産盤も同時発売されるそうです。来年のコンサートに締めていくためにも、コアなファンはやっぱりコレも入手して、3形態コンプリートという感じでしょうか。