祝40周年!新3人娘きっての実力派、豪華BOX!
1971年4月25日。ワーナー・パイオニアから「わたしの城下町」で歌手デビューして、今年でちょうど40周年となる小柳ルミ子さん。
またたく間にスターダムに上り詰め、月刊明星や平凡の表紙を幾度となく飾ったルミちゃんは、同年デビューの南沙織ちゃん、天地真理ちゃんとともに新3人娘と呼ばれるれっきとしたアイドルであり、出す曲出す曲すべてが大ヒット。デビュー年には最優秀新人賞を総ナメにした上、2年目にはなんと歌謡大賞に輝き、レコード大賞の最有力候補になるなど、当初から別格の存在でした。
老若男女あらゆる層に愛され、その人気はホントに圧倒的。彼女こそ、ザ・芸能界の真の実力派と呼ぶにふさわしいザ・歌手といえるでしょう。
昨秋のテレビ番組で、真理ちゃんと久々の再会を果たし、活躍を誓い合った姿も記憶に新しいところですが、ことしの40周年を機にクラウンへと移籍し、この3月にはなかにし礼+平尾昌晃コンビによる第1弾シングル「 やさしくして 」をリリース。久々の新曲発売ということで、第一線へと返り咲うとする意欲が満々という感がありますね。
中にはrumicoへの改名はどうなったのかと言及する御仁もいそうですが、そこはめでたい40周年。固いことは言いっこなしと行こうじゃありませんか。
そんなこんなで、いろんなコトがあった激動の40年。天賦の才能に加え、努力と根性で芸能界で生き抜いてきたルミちゃんにふさわしい、記念企画の登場です。
なんと12枚組という豪華BOXセット「 小柳ルミ子 デラックスBOX(仮) 」!
2002年には、ナベプロ時代の音源をまとめた6枚組ダイジェストBOX「 小柳ルミ子 CD-BOX 」がビクターから通販限定でリリースされていましたが、今回はその倍のスケールとなる、まさに40周年にふさわしいデラックスなBOX。
古くからのファンにとっては、リリースがワーナーミュージック・ジャパンという点も特筆すべきことではないでしょうか。
ナベプロ系レコード会社だったワーナー・パイオニアもSMSも、アポロン音楽工業もバンダイ・ミュージックエンタテインメントもなくなった今、いくら原盤が渡辺音楽出版だからしょうがないとはいえ、関係のないレコード会社からは出て欲しくない…ってのがずっと応援してたファン特有の心理だと思いますからね。
構成は、CD11枚とDVD1枚の12枚組ですが、CDはナベプロ時代、すなわちワーナー・パイオニアおよびSMSレコードからリリースされた全シングルの両面、アルバム収録のオリジナル曲、カバー曲を網羅する内容になるとのことです。
細かい収録曲はまだ発表になっていませんが、基本的には前のBOXの内容をスケールアップした感じで、オリアル復刻にはなりませんが、やはり前回かなり漏れていたシングルB面の完全収録が目玉といえるでしょう。
なお、DVDは、ナベプロ所属タレントだけに、数多の映像が残るテレビ番組での歌唱VTRに期待したかったところですが、今回は、82年10月に日本青年館で収録されたリサイタル映像商品「あつき血汐に」のDVD化になるようです。
そういえば、81年のデビュー10周年記念に5枚組のLP-BOX「小柳ルミ子大全集」で紅白歌合戦のオンエア音源を収録し、82年には「ベストアルバム NHK紅白歌合戦出場曲」というLPを出すなど、現在のようにテレビ番組の音源や映像が商品化されることなんて考えられなかった時代に画期的な作品をリリースしてきたルミちゃん。
他のナベプロアーティストと同様、アポロンのテープだけでしか聴けない秘蔵音源もありそうですし、そういうレア音源への期待も高まりますね。
なんたって幼い頃から基礎を積み、厳しいことで知られる宝塚音楽学校を首席で卒業している彼女。
シンシアや真理ちゃんとは一線を画す存在だったのは当たり前で、どんな時も芸の精進を怠らなかったプロ中のプロであることは周知の事実です。
自らの志向とは違っていたとは言え、長いことキープした和的な清純イメージも素晴らしいですし、後のブロードウェイミュージカルを彷彿させるショービズチックなナンバーまで、変幻自在のルミ子ワールドには感服する次第です。
それは、オリジナルだけでなく、戦前戦後の懐メロから民謡、童謡、抒情歌、フォークまで幅の広さを見せつけるカバーからもしっかり確認できることだと思いますね。
エンターティナーとしても一流で真価を発揮するステージングはホントに魅力ですし、それはいくつかの実況録音盤(79年の2枚組ライブアルバム「やさしさということ…」収録、梓みちよを歌った「林さんのお姉さん」は必聴)でも分かるはずです。
3人娘ではシンシア派のワタシですが、ライバル意識を燃やし、ルミちゃんと真理ちゃんの新曲や動向は常に気にしていましたし、80年代半ばまでは渡辺プロタレント友の会会員でしたので、「ヤング」で結構後期のルミちゃんも追っていました。
そんな中、いろんなエピソードを知るにつけ、これは太刀打ちできないはずだと痛感したことでした。
振り返るとデビュー曲「わたしの城下町」が71年の年間No.1となるミリオンヒットを記録し、シングルではほかにも「瀬戸の花嫁」「京のにわか雨」「冬の駅」と計4枚もオリコン1位を獲得。
独特の野太いファルセットを生かし、ディスカバー・ジャパンブームにのっとった日本情緒路線を貫き、73年までの初期は出す曲すべてがトップ10入りしていますし、77年に2位をマークした「星の砂」や、80年の「来夢来人」、84年にトップ10入りを果たした復活ヒット「お久しぶりね」など、要所要所できっちりヒット曲を放ったてきたことは、並大抵のアーティストにはできないことだったと思います。
また、シングルだけでなくアルバムセールスが高かったのもルミちゃんの特長で、72年の2枚組ライブ盤「初心を忘れまいと誓った日」と73年のフォークカバーアルバム「春のおとずれ」の2枚が1位という大セールスを記録。
と、こう黄金期のデータを追って見ても、称賛されて余りある実績ですよね。なのに、現在のイメージはちょっと残念なものもありますが、これが正当な再評価のきっかけになることを祈っています。
なお、BOXに手が出ない、BOXを買うほどでは…という方はベストを、というところでしょうが、数多ある1枚ものベストはスルーして(5タイトルがバラで出たアポロンのCDコレクションは好企画でした)、ぜひ2005年にソニーから発売された2枚組の「 ゴールデン☆ベスト 小柳ルミ子 シングル・コレクション 」を入手してください。
「わたしの城下町」から昭和最後の63年「LEATHERY」まで、“昭和のルミ子”のシングルA面43曲を完全収録。2,980円とお買い得ですし、とにかくヒット曲が多いルミちゃんですから押さえておきたいナンバーは全部入っているこちらをどうぞ。
個人的なオススメNo.1「思い出にだかれて」は、なかなか1枚ものベストには入っていませんのでね。
(2011.4.5)
*「小柳ルミ子 デラックス・ボックス」の詳細は下記の通りです。
・CD…シングル曲は71年の「わたしの城下町/木彫りの人形」から91年の「誰でもいいはずないじゃない/笑わせないで」までの全AB面、アルバム曲は71年の「お祭りの夜 ふるさと日本の唄・小柳ルミ子」から84年の「うたかた」までの全オリジナル曲(カバー曲を除く)を完全収録。合計214曲の予定。ボーナス・トラックとして「わたしの城下町」と「瀬戸の花嫁」のオリジナル・カラオケのほか、農協共済の歌として制作された非売品貴重音源「しあわせの輪をひろげよう」を収録。最新リマスタリング音源。
・DVD…ライブ映像で唯一商品化され現在入手困難な「あつき血汐に」(1982年日本青年館でのライブ映像:1時間48分)を初DVD化収録。
・豪華ブックレット…貴重な未発表写真、シングル&アルバム・ジャケット写真、ディスコグラフィーなどを掲載。
・封入特典…LP「京のにわか雨」の封入特典(フォト・カード12種)を縮小再現。
*2011年6月現在、通販価格での最安値はHMVの楽天市場店「
【送料無料】CD+DVD 21%OFF小柳ルミ子 コヤナギルミコ / 小柳ルミ子 デラックス・ボックス 【CD】
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