名トリビュート盤が3度目の発売でパワーアップ!
巷では大滝御大恒例のアニバーサリーリリースのニュースが話題のようで、今回はロンバケ発売30周年のアニバーサリーエディション「 A LONG VACATION 30th Anniversary Edition 」と、ナイアガラの70年代の集大成ボックス「 NIAGARA CD BOOK I 」が同時発売されるとかで、例年にも増して盛り上がっているのではないかと拝察いたしております。
その一方で、細野御大率いるYMOがポッキーの日を宣言したりオリジナルアルバムがBlue-spec CD化されたり、はたまた松本御大がここまでにしたといっても過言ではないクミコの紅白初出場が決まったり、鈴木さんも無事復帰されたり、やっぱりはっぴいえんどな4人は変わることなくご活躍のご様子です。
毎度感服しきりですが、実は、今年ははっぴいえんどにとって結成40周年なのだとか。でもってトリビュート企画も満載の模様で、来週には唯一のメンバー公認ベスト「CITY-HAPPY END BEST ALBUM」をアルバム丸ごとトリビュートカバーという新企画「 はっぴいえんど CITY COVER BOOK 」が発売。
さらに同発として、はっぴいえんど解散20周年の93年に発売されたトリビュート盤「はっぴいえんどに捧ぐ」が2度目の復活を果たすことになりました。
それが今回、Blu-spec CD化され、2枚組にボリュームアップした「 はっぴいえんどに捧ぐ+ 」。
まずDisc1は93年のオリジナルおよび2004年再発と同じ構成で、チャカ、楠瀬誠志郎、THE真心ブラザーズ、区麗情、種ともこ、SCANCHら93年当時、ソニー系レーベルに在籍していた当時の若手アーティストが勢ぞろい。
「あしたてんきになれ」「夏なんです」「風来坊」「花いちもんめ」「風をあつめて」といった名曲をカバーしましたが、あの時は渡辺満里奈の「空いろのくれよん」が大きな話題を集めましたよね。
今回はBlu-specのいい音でよみがえっています。
そして超オススメのDisc2は、新旧いろんなアーティストのカバーによる、ライブ音源を含むトリビュートコンピ集。
74年の小坂忠with葡萄畑「暗闇坂むささび変化」、75年の吉田美奈子「風来坊」「明日天気になあれ」など、大御所の名演もありますけれど、なんといっても聴きどころは、矢野顕子の76年版「あしたてんきになれ〜雨ふり〜相合傘」、さらにそれをモノマネしたピヤノアキコ公認・清水ミチコの08年「相合傘」の同時収録でしょう。テレビで見たアッコちゃんとミッちゃんのセッションはいろんな意味でスリリングでしたが、その光景を思い出してしまいます。
また、忘れてはならないのが松本さんに愛され、彼の手引きによって鈴木さんとアルバム「背中合わせのランデブー」も制作し、ナイアガラファミリーのようになり、細野さん作曲の「風をあつめて」もカバーした太田裕美。
今回は99年の松本隆作詞家生活30周年トリビュートアルバム「Candy」収録の「かくれんぼ」がチョイスされています。(なんと紙ジャケボックス 「太田裕美 オール・ソングス・コレクション」はまだ買えるようです!躊躇したままの方はぜひ今すぐ!)
さらに松本さんご寵愛と言えば、一時期心底入れ込んでいた裕木奈江も忘れられません。彼女の歌は、93年のファーストコンサートで披露されたはっぴいえんどメドレー「夏なんです〜氷雨月のスケッチ〜かくれんぼ」が収録されております。
と、今となっては貴重な音源を聴いておりましたら、ホントははっぴいえんど4人すべての書き下ろしを歌った松田聖子のカバーが存在していたらよかったのに、などと無理な願いを持ってしまったのでありました。
演奏はともかく、それぞれの楽曲がまったく古さを感じさせないのは、日本語のロックの始祖、はっぴいえんどならでは。今やリアル世代どころか、松本チルドレンでさえない人たちが支持層の中心らしいですが、それも素晴らしいことですね。
はっぴいえんどのオリジナルも含め、もし未聴の方がいらっしゃいましたら、ぜひこの機会にお聴きください。
(2010.12.8)