ナツメロ喫茶店/オススメ復刻盤477

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  ビバ!旧譜の新譜。紙ジャケからBOXまで、ナツメロ復刻盤&再発盤、コンピ盤などのレビューコーナーです。

#477

北川剛/握手でグッバイ +4

(2012.12.7発売、DYCL-348、¥3,150)  *オーダーメイドファクトリーで条件をクリア、復刻が決定しました!

アルフィーの筒美作品カバー入り、'83大型新人の全曲集!

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 驚愕した先般の「 ボーイズ・ミラクルバイブル フラッシュ・未都 由・水谷大輔 icon 」をきっかけに、禁断の男性マイナーアイドルの帳の中に突入した感のあるオーダーメイドファクトリー。
 新御三家とたのきんの狭間に林立する男性陣にただならぬミリョクを感じる人は多いと聞きますし、ソレがCD化という真っ当なカタチとして昇華されることを祈っておりますが、なんと、一部の方々が悶絶するような、グンバツのまさか度、これぞOMFの真髄!という感じのタイトルが登場しました。

 覚えている人はいったいどのぐらいの数に上るでしょうか。1983年に俳優としてデビューし、歌手としても活動した北川剛クン。
 なんと彼の唯一のアルバムに未収録シングル曲を4曲をプラスした、初CD化となるオール・ソングス・コレクション「 握手でグッバイ +4 icon 」が候補に挙がってしまったのです。

 北川剛という名前に記憶がなくても、デビュー作はTBSドラマ「オサラバ坂に陽が昇る」だったといえばピンとくる人も多いでしょうか。
 積木くずしが社会現象となる中、金八、新八、仙八、貫八と続いた金曜よる8時の学園ドラマであっても、舞台はどんどんエスカレート。この作品はなんと教護院の物語とあって、あの時代の保護者や同世代の我々の注目の的となりました。

 なんとあのイルカが寮母さん役(主演の矢崎滋さんと夫婦という設定)で出演したことも大ニュース(名曲「風にのせて」なども流れました)でしたし、金八OBの伊藤つかさの演技も上手くなったと話題になりましたから「ああ、あのドラマ!」と膝を打つ御仁もいらっしゃるのではと思います。感動した記憶ほどには視聴率は良くなかったみたいなのですが、いずれにしても毎回涙してしまう良質のドラマだったことには違いありません。

 教護院に入っている生徒役には、学園ドラマによく出演しレコードデビューも果たした斉藤康彦や、ジャニーズの三好圭一もいましたが、その中にあって他を寄せつけないほど圧倒的で、クールな存在感を放っていたのが北川剛クンでした。
 役柄的なものが大きかったんでしょうがスポーツ刈りというヘアスタイルに、大柄でガッシリしたスポーツマン体型という、人工的なジャニーズとは対極に位置するルックス。しかも硬派、ワイルドというイメージだけでなく、朴訥とした優しさとかシャイで生真面目な硬さも感じさせる逸材であったように思います。

 ジャニーズ以外目立った男性アイドルが不在の中、最初の頃はアイドル誌のカラーグラビアの常連となりましたし、83年9月には満を持してのレコードデビュー。RVC・RCAレーベルの先輩、ヒデキ、マッチに続けとばかり、歌の方でも大型新人という扱いでしたね。

 原盤制作は確か日音が担当し、デビュー曲「握手でグッバイ」はなんと松本隆+宇崎竜童という巨匠コンビ。硬軟一体となった朴念仁っぽいミリョクを引き出そうという狙いがあったのなら、ドンピシャな人選です。そしてその期待通りの歌唱を聴かせる北川クンの歌唱もお好きな人にはたまらないものではないでしょうか。
 なお、この歌を太川陽介のデビュー曲のB面のカバーだと言ってる方が前から結構いらっしゃるように思うんですが、どうしてなのでしょう?

 さて、今回OMFの候補になったアルバム「握手でグッバイ」(83年12月発売)は、このデビューシングル「握手でグッバイ/センチメンタル・ハーバー」を含むファースト&ラストアルバム。作家陣は松本隆、宇崎竜童、下田逸郎、木森敏之というシングル両面を書いた面々が中心となっていますが、驚くなかれ、オリジナルのほかは日音隠れた名曲選という一面も持っているのです。

 その筆頭がオープニング、松任谷由実の作詞による「席はあるかい」。これは、作曲の梅垣達志が、キリンレモンの「渚さ・わ・や・か」やチャーに書いた「気絶するほど悩ましい」で脚光を浴びた77年、自身のアルバム「CAT A LOG」に収録されていたナンバー。
 そして松本隆+筒美京平のゴールデンコンビ作品「危険なリンゴ」。74年、アルフィーのデビューシングル「夏しぐれ」のカップリング曲です。このコンビのごく初期の作品として知られる曲です。
 今回、ぜひこの2曲にご注目いただき、カバーバージョンをコレクションするユーミンフリークや、アル中の皆さんも、忘れず一票をお入れください。

 なおボーナストラックとして、翌84年に出したシングル「夢うつつ/ポータブルラジオが歌ってた」と「ヒーロー/サマーナイト・コール」の4曲を追加収録。
 当初の輝きもだんだん褪せてしまい、カッコ良かった不良っぽさは安上がりなヤンキー風に変化していったといわれる剛クンですが、それはやっぱり否めない事実でした。
 起死回生を図った「ヒーロー(Holding Out for a Hero)」はご存じ「フットルース」の挿入歌であるボニー・タイラーのカバーで、麻倉未稀、葛城ユキ、三好鉄生らとの競作になりましたが、麻倉版がドラマ「スクールウォーズ」の主題歌としてヒットしたせいで、競作はあんまり話題にならず…残念な結果に終わってしまいましたし。

 というアルバム、ジャケットのツイードのスーツがなんとも借り着っぽく、居心地悪そうに見えてしまっていますけど、そういう部分がまた味わい深いのかも。
 とはいえ、マニアでさえ女性アイドルに飛びつくようにはいかないかもしれませんが、OMFの男性アーティスト復刻への布陣になるかもしれませんので、三浜鉄平、福沢良、麿こうじ、団俊吾、メッツ、山本伸吾、坂井裕一、四方堂亘、山本陽一らソニー&BMG系の復刻を望んでいる方々も、ぜひご検討ください。

 個人的には相も変わらず清水健太郎の年季明けコンプリート企画を望んでるんですけど、三波豊和、アルル、ルネ、クリッパーらにも期待してます。豊和クン、単品でムリなら坂上二郎、草刈正雄、田中健、大和田獏らと抱き合わせでアクターズ・ミラクルバイブルシリーズでもいいんですけど、賛同者はいそうにないか…。

(2011.1.28)

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