聴く、同窓会。年代別コンピ10周年のデラックス版!
あれはミレニアムの2000年、まだまだコンピ盤にメーカーやレーベルの垣根が残っていた時代。最初はソニー、コロムビア、EMI、ポニーキャニオンの4社合同企画によって、70年代〜90年代の年別ベストヒット・オムニバスが生まれました。
それが“聴く、同窓会。”のコピーでもおなじみ、この青春歌年鑑シリーズ。
現在ほど旧譜の復刻が進んでいない時代でしたし、ユーザーの求める時代ごとのヒット曲(しかもオリコン年間シングルランキングをベースにしたホントのヒットという選曲)という切り口は大好評を博し、2002年には12社共同企画へと発展。
補完版の続・青春歌年鑑 PLUSや年代を広げた60年代編もリリース、さらには演歌・歌謡曲編や戦前・戦後編、はたまた総集編や年代別BOX、収録曲とリンクした歌本など巨大シリーズへと成長し、数々の商品が発売されました。
膨大なラインアップがいまだにズラーッと並んでいるCDショップがあったり、レンタルショップの一角をリコメンド付きで長年陣取っていたり、定番CDとしてロングセラーを記録しているようです。
そんな名シリーズの誕生から10年。ソニー、コロムビア、EMI、ポニーキャニオン、ユニバーサル、ビクターの6社から、10周年を記念したリニューアル企画としてデラックスバージョンが登場します。
1960年から89年までの30年間を5年ごとに区切り、大ヒット曲ばかりを収録した6タイトル「 青春歌年鑑デラックス’60~’64 」「 青春歌年鑑デラックス’65~’69 」「 青春歌年鑑デラックス’70~’74 」「 青春歌年鑑デラックス’75~’79 」「 青春歌年鑑デラックス’80-’84 」「 青春歌年鑑デラックス '85-'89 」。
それぞれオリコンチャートの上位ランキング曲(注・オリコンチャートは68年から開始)を中心に、名曲として聴き継がれているナンバーも加えた2枚組となっています。
単品で出ていた前のシリーズでは年別で細かく分けられ、細かい青春の思い出仕様でした。一方今回は、年代をざっくりと追える仕様。例えば小学校時代はコレ、中学時代はコレ…というように、さかのぼりたい青春の日々をまとめて思い出せるようになっています。
収録されているのは、当時の世相風俗、時代をすべて飲みこんだヒット曲ですから、個人的な想い出の再生だけでなく、現代日本史を把握するのにも最適かも。
高度成長期から今日まで、日本人がどう変化していったのか。あらためて聴いていけば、それぞれの歌がどんな意味を持っていたのか、何を象徴していたのか、いろんなことが浮き彫りになってくるような気がしますし、過ぎ去った時代を俯瞰して見ることもできそうです。
収録曲やアーティストをチェックしていくと、コンピ盤の宿命がゆえ、諸事情で収録されていないアーティストもいるようですが、これほどの規模ともなるとさほど目立たないから不思議。このシリーズの場合、もしアーティスト側の意思で許諾してないとすれば、結構なマイナス要素なのではと思ったりしますが…。
それはさておき、過去に出たものを揃えていないという人は、愛蔵版としてぜひこの機会に。家族で聴くもよし、いろんな方へのプレゼントにも最適だと思いますのでね。
(2010.10.6)