ナンノ25周年、お色直しCDがパワーアップして一般発売!
今年でデビュー25 周年にナンノ!ということで、目下、往時以上に大活躍している感がありますねえ。ハイ、43才にして衰えることのない美しさを誇るナンノこと南野陽子さん。
記念企画として“お色直し”ニュー・エディションアルバムとDVD、ブックレットをセットにした「ナンノ・アニバーサリー 25th」(こちらで紹介)をリリース。発売されるやいなや、その完成度の高さが大評判となるなど、往年のナンノファンを感動の渦に巻き込んだのは、ついこの前のことです。
しかしながらWEB予約のみの通販限定ということもあり、発売を全く知らなかったり、買おうか迷っている間に予約締め切りを過ぎてしまったなどなど、ナンノファンでありながら入手できなかった人は結構いた模様。
しかもその傑作ぶりを豪語するクチコミの効果もあって、ネットオークションなどでは定価の倍以上にまで高騰したんだそうです。
このプレミア度だけを語ってしまうとビックリしてしまう御仁もいらっしゃるかもしれませんが、音源を聴いた人ならきっと納得しているはず。アルバムの価値を高めているのは、希少性ではなく完成度の高さなんだってことを。
時代に流されることなく、音にこだわり、より聞き易く、歌やサウンドを再検討、再構築したお色直しエディションは、単なるセルフカバーや、リアレンジのオケ差し替えなんかとは全く異なるシロモノで、ホントたまらなく良いのですよ。
ナンノとまったくの同い年であるワタシも未聴の人がけっこういらっしゃることを知って、とても残念に思いましたし、マジで追加生産すべきだと一人つぶやいておりましたら、一部のスポーツ紙で一般発売されるというアナウンスが! そしてこのたび、正式決定の知らせが届きました。
その名も「 ReFined-Songs Collection~NANNO 25th Anniversary 」! むろん限定版のセットとは異なりCDのみの発売ですので、そのままの再発盤ではなく、収録曲は順番を変え、曲数も増え、12曲が17曲へと大幅ボリュームアップ(「カリブへ行きたい」はカット)。しかもBlu-spec CDにバージョンアップされるようです。
気になる収録曲は、新曲「桜詩集」(「氷のダイヤモンド」の歌詞違いボーカル新録をさらに新録)を含む17曲ですが、今回は、なんと20周年記念BOXに収録されていた「最終(ラスト)オーダー」もプラス。
前回、ウワサされながら入らなかった「雪の花片」「昼休みの憂鬱」のほか、「ひとつ前の赤い糸」「私の中のヴァージニア」「鏡の中のエトランゼ」というお色直し済みのナンバーもバッチリ入るということです。
ところでこのお色直し、歌手・ナンノをデビューから支えたプロデューサーの吉田 kaku 格さん、アレンジャーの萩田光雄さんというタッグだから成しえたものだと思いますが、やる気や愛情だけでなく、今のご時世では考えられないほどの手間暇とお金がかかっているせいではないかと思います。
「アイドルからアラフォーになった彼女の女性っぽさを何とか出せないか…」というアプローチのもと、進められたというこの企画。格さんは「簡単に作業が出来ると考えていたのですが、これが大変!!」とおっしゃっていましたが、その様子をお伺いすると、ちょっと気の遠くなる作業だった模様。
昔のテープ自体、マスターの他にスレーブ(孫)という形でマルチが複数存在する曲があったり、アナログからデジタルに移行する時代だったため、24chのアナログ&デジタル、48chデジタルというテープ探しを発端に、ハード・ディスクへのコピー、そしてどのテイクがOKかと探すところから始めたのだそうです。
以下、格さんのお言葉を引用させていただきますと「80年代のシングル・テイクはこれでもかという位に贅沢にダビングしてあったり、シンセサイザーが出始めのころ故、盛り込まれている音が今聞くと安っぽい音色で、まずはそのあたりの音を差し替える作業からスタート。そして、リズムをCUTしたり(ドラム・レス)、よりクラシックに、よりフォークに、という観点から何とか辿り着きました。歌も再度セレクトしたり、OKテイクを更に今の技術でピッチ修正したり…」とのこと。いかに丹念に再構築されていったかが垣間見られるエピソードですね。
これも、オリジナルを担当したスタッフゆえの熱き思いと申しましょうか、あふれる愛情と申しましょうか、ひしひしと伝わってきますよね。
ところで、お色直しの中にあって新録が目玉となった「桜詩集」は、康珍化さん渾身の素晴らしい出来映えで、ナンノさん自身もかなり歌の方を頑張ったそうです。もう少しテイクを録りたかったようですが、結局は時間切れだったとか。格さんも次に機会があれば再トライしてみたいとおっしゃってましたが、この一般発売では、なんと再録するらしいのです! ああ、なんとも豪華な出来事よ。
ナンノ自身のやる気も、スタッフサイドの愛情もあったでしょうけど、たとえ80年代後半のCBS・ソニーを一手に支え、一財を築かせた南野陽子だとて、今となっては往時の何百分の一ぐらいの売り上げでしょうし、普通なら散財と言われかねない予算のかけ方ではありませんか。
「デビューから関わって、今回 こんな事が出来たこと、本人以上に嬉しく思っています」とは格さんの弁ですが、こういう豪奢な企画を棚ボタのように享受できる我々もホントに幸せ者です。1次的費用がさほどかからないとされるカタログの復刻でさえ、何かと渋られる不況下、現役のミリオンアーティストならいざ知らず、普通はこんな企画は絶対実現できないでしょうから。
ホントにナンノファンは果報者。感謝の気持ちを胸に、やはり購買という姿勢でその意を表したいものですネ。通販ものとはまた別ものだし、こちらもぜひとも入手しましょうよ。今度はお近くのCDショップでも、馴染みのネットショップでも気軽に買えることですしね。
(2010.12.2)
* SonyMusicShop で予約すると、先着購入オリジナル特典としてナンノ自筆メッセージ入りアナザージャケットがプレゼントされます。