オススメ復刻盤「大江千里/Senri VISUAL Premium My GLORY DAYS 1989-1999」


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 ビバ!旧譜の新譜。紙ジャケからBOXまで、ナツメロ復刻盤&再発盤、コンピ盤などのレビューコーナーです。

#559

大江千里/Senri VISUAL Premium My GLORY DAYS 1989-1999

(2012.9.12発売、DYBL-1861、¥22,050) *DVD-BOX オーダーメイドファクトリーで条件をクリア、商品化が実現しました!

*全米デビューアルバム「Boys Mature Slow」の日本盤(VRCL-4022、¥3,300)は9月6日発売!

プレミアムな千里BOX、初DVD化の90年代ライブ集!

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 2008年からアメリカ・ニューヨークの大学でジャズの勉強に励んでいる大江千里さん。

 渡米されてからも頻繁に近況を発信してくれていますし、NYでの様子を拝見させていただいたりする機会があったりしますが、いくら昔からなじみ深いNYとはいえ、アメリカという異国で一般の人たちとともに音楽や人生と真っ向から向き合っている姿は、日本の音楽シーンで頂点に立った人とは思えないほど真摯かつ謙虚。
 こちらが逆にビックリしてしまうほど普通の感覚に基づいておられるので、その真っ当な人間性の目の当たりにしてあらためて尊敬の念を抱くこともしばしばです。

 千里キッズの皆さんと同じく、そういうとこも含めて応援してる一ファンとしては「さすがは我らの千里クン!」とまた惚れ直す感じですし、今もってその存在と音楽に勇気づけられていることを実感します。

 月日の経つのは早いものであれから4年、“日本一忙しい大学生”だった頃以来となる二度目の大学生活も、あとは今週金曜の卒業式を残すのみということだそうですが、ついにジャズピアニストとして全米デビューを飾るアルバム「Boys Mature Slow」も完成。発売日も7月31日に決定したそうです(日本盤「 Boys Mature Slow(DVD付) 」は9月6日発売決定!)。
 このアルバム、ジャズの理論や技法など難しいコトが一切分からなくとも、一聴するだけでビックリするほど本物の輝きを放っていることを切に感じたりして。しかも、我々日本のファンが愛した千里クンらしさはそのままなんですよね。
 NYでの生活を事細かに聞くより、このアルバムをただ耳にするだけで、千里クンがかの地でどんな勉強をし、どんなことを考え、どう生きてきたか如実に分かる出来ではないかと思っています。

 さて、まるでそんな千里クンへの卒業祝いのように、オーダーメイドファクトリーのスペシャル新企画が持ち上がりました。2009年のDVD-BOX(こちらで紹介)の続編となる、初DVD化の映像集「Senri VISUAL Premium My GLORY DAYS 1989-1999 icon」!

 これまで千里アイテムはOMFで高い実績を残してきましたから、そのご褒美という感じもあるのか、なんと今回は2ndステージからというシード扱い! 予約受付は6月20日までとなっておりますので、ぜひご協力のほどお願いいたします。

 内容はといいますと、1990年から1999年までのディケイドに発売された、未DVD化のライブビデオ7タイトル。
 すなわち「“red monkey yellow fish” TOUR 1989-1990」から「more APOLLO武道館ライヴ」「HOMMEマラソンfilmed NIHON BUDOKAN 30th,march.1992」「Chic again from concert tour chic」「 mickey watches me SENRI OE ‘Giant Steps’」「Double Twisted」「Single Twisted」まで。
 全盛期のピカピカキンキラキン武道館コンサートを中心に、恒例となった小劇場クリスマスライブや、熱気ムンムンのライブハウス、現在の活動につながるアコースティックツアーまで、同じアーティストのものと思えないほどバラエティーに富んだライブがずらりと並んでいます。

 底抜けに明るいポップ少年と、苦悩に満ちた若き哲学者の両面を持ち、そのバランス上を行ったり来たりして、1粒で2度おいしい的な音楽を展開してきた千里クンですが、ライブの時に表に出てくるのは好奇心いっぱいでチャレンジャーのポップ少年が、一流のエンターティナーに変身した姿でした。

 特に、あのヒデキも真っ青のV!・O!・C!・A!…で突き抜けたというか、開き直ったというか、あそこからの何でもありのパワーは元気をくれること請け合いですし、ピークの「HOMME」まで、どんどん大がかりで豪華になっていくセットと、何が何だかエスカレートして奇妙キテレツになっていく衣装は、さすが男ユーミンというか、本家を凌駕するようなオリジナリティがほとばしっています。
 ちなみにあのエンタテインメント千里は、ご母堂の影響なのだとか。千里さんってZUCCA×ZUCAみたく宝塚にもやたら詳しいんですが、お母様のエピソードを聞くに連れその辺も含め納得であります。

 早変わりや瞬間移動、フライングやマジックなど、サプライズも満載で、何をやっても許されるところまで上り詰めた、そんな時代の“ザ・大江千里”が堪能できますが、あのとどまることを知らないパワーや突き詰め感には、やっぱり時代というものが大いに関係したような、そんな印象を持ってしまいますね。

 年代を追うに付け、だんだん渋くなっていくんですが、それは動員だとか予算だとかということでなく、あれほどまでのことをやり尽くした人だからこそ達することができた境地、というものではないかと思っています。
 その証拠にシンプルな内容になっていくに連れ、表現されるものは研ぎ澄まされ洗練されていきますし、アコースティックライブでは、もはやわびさび感さえ醸しているよう。
 DVDのクリアな映像ならば、そういうものもハッキリ体感できるんじゃないかと思います。

 また、見逃せないのが髪型やメガネの変遷。アメカジ風からバッサリいった坊主頭、タンタンヘア、ロン毛に無造作、無精髭とか、この10年間の恐るべき変化は必見です。代名詞のボストンメガネでさえ、ウェリントン、アイブロー、ハイパータイプまでどんどん進化していきましたからね。
 多くの保守系女子があこがれていた王子様なのに、その立場に安穏も迎合もしなかった思いきりの良さと、それを受け入れた女性ファンに脱帽します。
 あくまで当時のライブ空間を共有した者としての個人的な意見ですけど、それは女性の千里キッズたちに、メガネ男子を手にかけるイマドキの肉食系じゃなく、真面目で傷つきやすく思いやりのある女の子が多かったからだと思っておりますが…そのへん、千里さんはどうお思いでしょうか。

 さて、武道館ファイナルをライブ化することが毎度のお約束になっていることでも分かるように、これほどの規模のライブが毎年当たり前に行われていたことに今さらながら驚きますが、個人的には飛ぶ鳥を落とす勢いに連れて、厳しいチケット争奪戦が繰り広げられたことを懐かしく思い出します。
 この当時は自らのキラキラ青春時代と重なりますもんで、感慨深いというか、今回久々に見直したら当時のことが次々にオーバーラップしてきて、感情の振れ幅がハンパなかったです。
 なので、当時の千里ライブに参戦された経験のある方も必携ですぞ。

 とはいえ、90年代のライブをこうして2012年の視点で見直してみると、10年いや20年経って出会ったその時の懐かしさだけじゃなく、いろんな発見があるんじゃないでしょうか。

 生きていくということは大変で、つらいこともあって、でもやっぱり楽しくって、そういうのもひっくるめて面白くて尊いもの—そんなことまでも感じさせてくれるように思うのですが、それもまた千里クンらしい。
 届くはずのなかった未来を追い越してさえも、また道を示してくれる…うまく説明できないけど、そんな感じなんですよね。

 個人的にも、実際に出かけて不完全燃焼のように思った「Giant Steps」ツアーが、今回見直していちばん心に響いたくらい、その時の視点とはまったく違ったものが見えたりして。
 ワタシとしては「年をとると自分の一生が見えるようになる」という千里クンからのエールのように勝手に思っております。

 ともあれ、今となっては貴重な千里ライブの初DVD化。豪華版ではありますが、今回も、別冊ブックにはファン感涙、ご本人書き下ろしのエッセイ+解説付きですし、ライブビデオだけをここまで一気にそろえ直す機会はなかなかないと思いますので、どうぞご予約ください!
 そしてまた千里の道も一歩から、新しくてジャイアントなステップを踏み出した千里クンに日本からフレーフレーとエールをおくろうじゃあ〜りま千か!

(2012.5.16)


*ボーナストラックとして、未DVD化のビデオクリップ「木枯らしのモノクローム」(「Chic」より)、「何度も叫んだ」(「NEW YORK HARAJUKU LONDON」より)、「碧の蹉跌」「冬の背骨」「ハレルヤ」(「FLOWER」より)の収録が決定しました!
*2012年6月20日に商品化決定!予約は8月29日まで延長され、受付終了しました。

*2012年9月21日よりアンコール販売開始!生産限定につきお急ぎください!
 SMDRのサイト・OTONANOに、BOXの詳細がわかる特設ページが開設されています。

NEWS!

ジャズピアニスト・SENRI OEとしての全米デビューアルバム「 Boys Mature Slow 」の日本盤(VRCL-4022、¥3,300)は2012年9月6日(千里さんの誕生日)に発売決定!
 CD + DVDの2枚組で、日本盤だけのボーナストラック(なんと「十人十色」と「格好悪いふられ方」!)も収録されるとのことです。 SonyMusicShop で9月7日までに予約・購入すると、抽選で10名に直筆サイン入りブックレットが当たります!
 なお、輸入盤は国内の TOWER RECORDS 各店で全米発売と同時期からの取り扱いが予定されています。

ジャズミュージシャンとしてのセカンドアルバム、待望の日本盤「 Spooky Hotel(DVD付) 」(VRCL-4029、¥3,300)が、2013年9月6日(千里さんの誕生日)に発売決定!
 架空のホテルにチェックンしてチェックアウトを迎えるまでの時間の中で繰り広げられる物語。NYの第一線で活躍するジャズメンたちのビッグ・バンドによる作品です。今回もCD+DVD仕様。
リリースに合わせ東京JAZZへの出演や、凱旋ツアーも決定!今年の秋も眼鏡離せない、いや目が離せない千里クンです。


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