ナツメロ喫茶店/うたノートvol.49


ナツメロ喫茶店

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  こころに残るあのうたを、力をくれるそのうたを、ちょこっと綴っておきました。

vol.49

ロッキーとポリー/ミッチーとチャタラーズ

(作詩・山元護久/作曲、編曲・宇野誠一郎 EP「テレビ漫画 山ねずみロッキーチャックから 緑の陽だまり」1973)



「何があるのかな この森のおくに
 何があるのかな あの空のむこうに」


見知らぬ国の、まだ見たことのない風景や、
会ったことのない誰か、したことのない物事。
いろんな未知の世界を夢見るとき、
胸がワクワクしてくるのを抑えることができません。


どこからわいてくるのか分かりませんが、
そんな気持ちがあることを初めて意識し、実感したのは、
このうたからだった気がします。


あの空のむこうや、あの虹のむこうで、
ドキドキしたり、ハラハラしたり、メソメソしたり…
いろんなことを経験しながら、
いろんなことに感動しながら、生きてゆくこと。

それが人生の永遠のテーマだと気がついたのは、
すいぶんと時間が経ってからのことでした。


夢中で探したり、つまずいてあきらめたり、
それでもほのかな望みを抱いて、また探しはじめたり…

5才のあの頃から今まで、
そんなことを繰り返しつつ、ずっと歩いてきました。

そしてこれからも、そんなことを繰り返しつつ、歩いてゆくのでしょう。

与えられた命のもとで、生かされている時間の中で
胸がワクワクしてくるのを、いまだ抑えられずに。


「何があるのかな あす 雨の中で
 何があるのかな あす 虹のむこうで」



宇野誠一郎さんのご冥福を心よりお祈りいたします。

(2011.5.11)

note:EP「テレビ漫画 山ねずみロッキーチャックから 緑の陽だまり」1973.2発売
宇野先生は劇伴はもとより、NHKテレビの人形劇「ひょっこりひょうたん島」、テレビまんが「ムーミン」「ふしぎなメルモ」「一休さん」などの音楽、「アイアイ」といった童謡まで、優れたメロディーを紡いでこられた大作曲家。たとえ子ども向けであっても決して子どものためだけのものではなく、どれも人間の琴線に触れる名曲ばかりです。宇野亜喜良さんの美しいイラストによる先生のアンソロジーシリーズでも分かるように、知らず知らずに心に残り続けるうたが多いのですが、中でも大好きなのが、堀江美都子と仲間たちが歌うこのうた。1973年にフジテレビ系で放送されたテレビ漫画のエンディングテーマですが、優しい希望で胸を高鳴らせてくれるうたで、まるで自分も緑が森の住人になったような、そんな気にさせてくれる佳曲です。それは毎週欠かさずこのテレビまんがを楽しみしていた5才のあの頃も、こうして43才になった今も変わることがありません。


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