ナツメロ喫茶店/うたノートvol.16


ナツメロ喫茶店

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  こころに残るあのうたを、力をくれるそのうたを、ちょこっと綴っておきました。

vol.16

絵はがき坂/さだまさし

(作詩、作曲・さだまさし/編曲・渡辺俊幸 LP「帰去来」1976)


 楽しいことから、哀しいことを引き算して、ほんのちょこっとでも楽しいことが残っていれば、それは、この上なく味わい深いエンターテインメント。

 昔、いろんなうたを届け続けてくれた人たちは、みな一様にそんなことを言っていましたっけ。いや、何かに書かれていたものを読んだだけのような気もするし、勝手にそう思い込んでいただけかもしれない。
 どちらにしても、今、それを真実のように感じているのは確かです。


ああ、さよならですか。


 いくつもの別れが通り過ぎて、そしてまたさよならの時が来て、ようやく、ありのままを受け止められるようになったのか。それとも、人々を分かつ日さえ永遠の別れではないと思うようになったからか。それは分からないけど、このうたみたいに笑って手を振ろう。美しい面影に心でシャッターを押して、絵はがきでも書こう。しばらくは会えないあの人へ。


ああ、そうですね。


 人生も、この上なく味わい深いエンターテインメント。
 あらためて、うたに気づかされたこの頃です。

(2007.12.8)


note:LP「帰去来」1976.11.25発売
 グレープを解散し、ソロになったさだまさし初のアルバム。まさしんぐファンならずとも多くの人が知る名曲「絵はがき坂」は翌年、ユニークなシングル「雨やどり」のB面としてリカットされ、そのシングルはオリコン1位をマークしました。なお「帰去来」には、南沙織、山口百恵ら多くの女性歌手に好んで歌われ、天地真理や由紀さおりによってレコード化された「童話作家」も収録されています。

◎いまCDで聴くなら… 帰去来  


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