ナツメロ喫茶店/うたノートvol.25


ナツメロ喫茶店

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  こころに残るあのうたを、力をくれるそのうたを、ちょこっと綴っておきました。

vol.25

ピンクのタオル/少女隊

(作詩・亜伊林/作曲・都倉俊一/編曲・David Wheatly EP「FOREVER -ギンガム・チェックStory-」1984)



ライトブルー、レモンイエロー、ペパーミントグリーン、そしてピンク。
インクの香るボールペンや、K-FACTORYのトレーナーのような、
とりどりのパステルカラーに縁取られた日々。


このうたは、イントロだけであの頃を連れてきてくれます。
胸の奥がキュンとしたら、つかのまタイムトラベルの合図です。


PERSON'Sと大きくロゴの入ったスタジアムジャンパーに、
ギンガムチェックのボタンダウン。
かかとがすり減るまで履いた、コンバースのハイカット。
今はもう逢えないあの子の笑顔も、しっかり見えます…。


陽炎のようにゆらめいて、ひとつひとつ浮かんでは消える思い出たち。
若さゆえの不安な気持ちさえ、パステルカラーをしています。

楽しい時間は早く過ぎてゆくもの。心は変わってゆくもの。
「不安な sensation」が実は心地よいことに気づいたのも、この時でした。


うたが終わると、静かでしあわせな余韻を残して、こころの旅も終わります。

ほんの5分もかからない、小さなタイムトラベル。
それが明日を歩く大きな力になることを、あなたは知っていますか?

(2008.12.26)

note:EP「FOREVER -ギンガム・チェックStory-」1984.8.28発売
奈々ちゃん、クーミン、伊代ちゃんたちが貯めたボンドの大金を遣って、大がかりなメディアミックスにプロモーションを行い、超豪華な鳴り物入りデビューを飾った少女隊。レコードは都倉さんの活動拠点・ロス録音でした。ネーミングを含めB級の扱いをされてしまいましたが、この良質なデビューシングルをはじめ圧倒的な名曲が多いんですよね。中でもこのうたは、上品な都倉メロディーを80年代的LAサウンドで包んだアレンジが素敵。昔は堅実な歌唱力を持つチーコのファンでしたが、今あらためて聴くと、ちょっと苦手だったレイコのボーカルが実に魅力的です。天然ボコーダ声ともいうべき声質は、今ならPerfumeに圧勝かも。オリコン最高32位。


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