だって、昔はよく、しあわせな手紙が来たような気がしていたし、待っていればドアはノックされるものだと信じていたしね。
でも、そんな手紙は来ないまま、長い歳月が経った。引き出しを開けたり閉めたり、心が曇ったり晴れたりを繰り返して、どっかにモヤモヤした思いを隠したまま。もう小さすぎて手が突っ込めないポケットに、妖精だったアグネスと、読み方を忘れたジャバウォッキーの詩を残したまま。
久しぶりのこのうたを聴いて、やっと思い出したんだ。しあわせも喜びも、愉しさもうれしさも、誰かからもたらされるものではなく、みんな自分で創り出すものだってことに。手を出す努力さえすれば、いくつになっても、いつでもできるってことに。あの小さなポケットの底にだって、手は届くってことに。
あなたを待つ Wondeland
Come on その手を出してよ
もしつらいことがあるなら
喜び アッハハー つくればいい
夢から覚めてつけたテレビでは、アグネスが笑ってた。とても悪い夢を、みんなの愛と自らの力で乗り越えてみせた笑顔。なんだかあの頃の妖精のように見えた。ほんとだよ。
（2007.10.10）
note：LP「AGNES IN WONDERLAND 不思議の国のアグネス」1979.4.25発売
アグネス meets ゴダイゴ！ タイトル通り「不思議の国のアリス」「鏡の国のアリス」をモチーフに、かわいいけどシュールなファンタジーの世界がきっちり音楽で表現された名盤。隠し味もふんだんに施され、理屈抜きに楽しいけれど、何よりアグネスとゴダイゴの素晴らしい音楽を創ろうという真摯な姿勢が感じられるのが素敵です。ブレイク直後のゴダイゴパワーも手伝って、オリコンでは29位をマーク。CD化をずっと願っている一枚ですが、ゴダイゴ人気も再燃していることだし、そろそろ…。
◎いまCDで聴くなら…
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