次の休日にもしも爽やかな風が吹いていたら、ベランダに椅子を出してこのうたを聴きたい。ストローで吸ったレモン水のような、すがすがしさに包まれるから。
死んでしまった犬のことや、もう逢えない人の面影がちらついて離れない夜更け。
次の朝にもしもまぶしい光が差し込んでいたら、窓を開けてこのうたを聴きたい。かけがえのない想い出たちが幾重にも輪になって、行く先を指さしてくれるから。
今日もしも、悲しみを抱える人とすれ違ったら、このうたを聴かせてあげたい。
明日もしも、愛に苦しむ人に出逢ったら、一緒にこのうたを口ずさみたい。
おせっかいだと言われたって。嫌いだと言われたって。もしも君に逢えたなら。
そんなふうに、いいうたなんです。このうたって。
(2008.4.22)
note:CDS「心だけそばにいる〜here in my heart〜」1991.3.21発売 PCDA-00166
南沙織→早見優→西田ひかる、そんなベクトルでとらえる人も多い西田さん。デビューから知名度は高かったものの今一つ抜けきれなかった時代に生まれたうたですが、美しく優しい名曲に仕上がっています。オリコン25位をマークしましたが、西田さんがトップ10入りしブレイクを果たすのは次作。松本隆+筒美京平によるドラマ主題歌「ときめいて」でした。そういう意味からも、このうたは不遇の名曲と言えそうです。作詩した谷山さんも同年の「ボクハ・キミガ・スキ」で歌っています。
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