ナツメロ喫茶店/うたノートvol.39


ナツメロ喫茶店

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  こころに残るあのうたを、力をくれるそのうたを、ちょこっと綴っておきました。

vol.39

心象風景(ココロノスケッチ)/長山洋子

(作詩・川村真澄/作曲・鈴木キサブロー/編曲・中村哲 EP「悲しき恋人たち」 1987)



冬が来るんだね。


帰り道の冷たい風と、
久しぶりのこのうたで、
ふっとあの日を思い出したよ。



大きな肩パッドのジャケットに
ホントの気持ちをすっぽり隠して、
砂浜にはおよそ似合わないオデコ靴で歩いたね。

お互い大切なことをちっとも言い出せずに。


「夕陽のカーブで 渚が終わった
 きっとこれで しばらく会えないね」


北風に流れてった会話も、
一緒に口ずさんだリック・アストリーのうたも。
そして、それからの日々も…

みんな、このうたを入れたカセットに閉じこめていたんだね。


「季節が過ぎても 心は変わらないから
 たぶん あなたは 私より ツラくなるよ」


サックスの響きがあの頃にこだまするから、
なくしてしまってた思い出が手招きをするから、
今夜は、つかのま戻ってみよう。


傷つけて傷つくばかりだった日々と、
あのとき背を向けてしまった凍えそうな後ろ姿を、
やっと見送れる気がするから。


「ごらん 車が 国道に 小さくなる」

(2009.11.3)

note:EP「悲しき恋人たち」 1987.6.3発売
オリコン最高10位、ブレイクを果たした「ヴィーナス」から数えて3作連続でトップ10入りを果たしたシングルのB面がコレ。遠藤京子作の名曲(A面)に隠れてしまっていますが、長山ちゃんの引きのウマさを実感できるナンバーです。80年代後半の青春の代弁者・川村真澄さんの心象風景をえどった詩や、長山ちゃんの表現力も見事ですが、あの時代の空気感までもを伝えるサウンドがまた魅力的です。


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