「春の午後は 強い風が吹く
赤い木の実 つけるために吹く」
木の芽どきの薄ぼんやりとした頃は、
なんとなくすべてを億劫にさせるから、このうたを聴くんだ。
「鳥は遙か 遠い国へ飛ぶ
傷ついても 生きるために飛ぶ」
見えない薄皮に包まれた気持ちを
きっぱりと断ち切るためにも、このうたを聴くんだ。
「Maybe May be
誰もが変わってゆくのは
少しずつ理想へと
近づくためだね
いつもの笑顔で見送りたいから
瞳からあふれだす
きらめきを涙と呼ばないで」
春の嵐は、優しく、厳しく、潔い。
だから、新たな出会いにも最後の別れにも
襟を正して立ち向かえる力をくれるんだ。
(2010.3.30)
note:CDS「だから涙と呼ばないで」1992.4.17発売
同じフジテレビ生まれのアイドルでも、80年代のおニャン子クラブと90年代の乙女塾では決定的に違う。無料の部活動と月謝の必要な塾通いの差というか。そんな冗談はともかく、意識の違いをまざまざまと見せつけた代表格がCoCoと言えるような気がします。このうたを最後にソロになった瀬能あづさも、卒業というより脱退という感じでしたよね。「じゃあね」と手を振って笑顔でサヨナラするのとは違い、自立心や闘争心、悲壮感みたいなムードがあふれているような…。でも、そこがホントの旅立ち、厳しい人生への船出を予感させて思わずグッときてしまうのです。 オリコン最高7位。
◎いまCDで聴くなら… CoCo☆うたの大百科その1