ナツメロ喫茶店/うたノートvol.40


ナツメロ喫茶店

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  こころに残るあのうたを、力をくれるそのうたを、ちょこっと綴っておきました。

vol.40

東京慕情/桃井かおり

(作詩・三浦徳子/作、編曲・筒美京平 EP「東京慕情」1984)


「低い空にも ネオンライトが
 灯る頃…」


まだスカイメイトが使えていた10代の頃、
夜のフライトを避けてしまう癖がついた。

特にひとりで乗る時は、飛び立つのも降り立つのも
陽が残る時間帯を選ぶ。


「TOKYO 今夜は 
 みぞれ混じりの雨が降ると…言ってた」


ひとりで夜の飛行機に乗ってしまうと、
見下ろす街灯りに誘われて、このうたが響き出すから。
いつまでもやるせない慕情に溺れてしまうから。


「TOKYO 今夜は
 やけに冷たい風が何故だか…吹いてる」


あの頃のTOKYOが、愛しくって。
ふるさとでもないのに、たまらなく恋しくって。

もうどこにもないのは分かっているのに、また探してしまう。

羽田だけじゃなく、千歳でも、関空でも、福岡でだって、
誰かによく似た、あの頃のTOKYOを。


「TOKYO どこかで 
 また出会うこともある街だから
 笑って 別れようね」

(2010.1.5)

note:EP「東京慕情」1984.7.21発売
もともとは81年秋の資生堂CMソングのレコード化としてご本人の意向で自主制作したシングル「メイク23秒」のB面収録曲。大ヒット間違いなしだっただけに、事務所の通販のみというスタイルが残念でしたが、インディーズに強いレコード屋ではちゃんと売られていましたね。それがA面としてリリースされたのは、TBSの日立テレビシティ枠で放送された桃井さんの主演ドラマ「林真理子の星に願いを」の主題歌になったから。おなじみマリコの立身出世物語には、切なくも甘い筒美先生作のこのうたがピッタリ。桃井さんと美保純ちゃんの掛け合いのように「ナーイス!」でした。

◎いまCDで聴くなら… GOLDEN☆BEST/桃井かおり


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