ナツメロ喫茶店/うたノートvol.45


ナツメロ喫茶店

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  こころに残るあのうたを、力をくれるそのうたを、ちょこっと綴っておきました。

vol.45

小さな人生/天地真理

(作詩・安井かずみ、作曲・筒美京平、編曲・萩田光雄 LP「小さな人生」1975)



「西日がさしこむ窓
 低くかけた ラジオの歌に
 振りむく二人が ここにいます」


同じ時代をともに生きてきた二人でも、
同じ部屋でともに暮らしている二人でも、
それぞれに別々の人生があります。


心躍る出来事が毎日ないと生きている気がしないと、あの人は言いました。
何気ない毎日こそいちばんしあわせだと、その人は笑いました。


どちらがいいのかなんて、きっと誰にもわかりません。


しあわせって、相対的なものではなく、絶対的なもの。
あなたがそう思ったら、わたしがそう感じたら、
人が何と言おうが、人の目にどう映ろうが
しあわせにほかならないのだから。


まったく違っている二人でも、
お互いがそれぞれのしあわせを実感しながら、
ともに歩いてゆけたら、この上ないことですね。


「夕暮れになっても
 ふたりぼっちでも
 明日こそ 似あうの
 あなたと わたしは
 小さな人生の中にいます」

(2010.10.28)

note:LP「小さな人生」1975.12.21発売
シングル「夕陽のスケッチ」(オリコン最高58位)のカップリングとして先行カットされた筒美作品。後期真理ちゃんの等身大・実像路線を象徴し、シンガーとしての力量をあらためて示した傑作「小さな人生」のタイトルチューンです。
ズズの詩がハッとするほど日常的な上、メロディーもシンプルかつ淡々と進行していくのですが、それこそが人生というもの。その真理が、真理ちゃんの純真無垢な歌心によってほのぼのと語られているのです。
大きな天地真理から、小さな斎藤真理へ——自分でもコントロール不能になるほど巨大化した虚像から抜け出し、歌が大好きでお母さん思いの女の子へと戻っていく。そんな、一人の人間としての誠実な思いがこめられているようです。


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