初CD化多数!みんなで選んだみんなのうた!
この4月で放送55周年を迎えるNHK「みんなのうた」。2011年の50周年の際には、レコード会社5社の枠を超え、放送と同じオリジナル歌手による音源を収録したアニバーサリー・ベストCD(こちらで紹介)やオンエア映像を集めたDVD(こちらで紹介)が発売され、ファンを歓喜の渦に巻き込みました。
あれから5年、今回も5社共同企画第2弾として55年記念のアニバーサリー・ベスト5タイトル「 NHKみんなのうた 55 アニバーサリー・ベスト~6さいのばらーど~ 」「 NHKみんなのうた 55 アニバーサリー・ベスト~しまうまとライオン~ 」「 NHKみんなのうた 55 アニバーサリー・ベスト~チョコと私~ 」「 NHKみんなのうた 55 アニバーサリー・ベスト~ともだちみつけた~ 」「 NHKみんなのうた 55 アニバーサリー・ベスト~日々~ 」が出ることになりました。
引き続きこの企画はオリジナルアーティストにこだわっていますし、ジャケットなどにもオリジナル映像のカットが使用されているので、昔からレコード会社別のレギュラーシリーズにあったようなパチモン臭はゼロ。
しかも、今回はみんなが選んだ「みんなのうた」ということで、一般公募による楽曲リクエストが反映された、かなりマニアックな構成となるようです。
選曲は、昨年11月から今年の1月までの2カ月間、特設サイトで募集されたリクエストをもとに行われていて、代表曲が中心だった50周年盤には収録されなかったレア曲も満載の模様。
55年間の楽曲が対象なので時代は幅広いですが、みんなのうたオリジナルという雰囲気のあった70年代を中心に、オンエアされただけでレコード化されなかったオリジナル音源も結構入るみたいです。
収録予定曲で主だったモノをピックアップしますと、キング編では、杉並児童合唱団のグリーン・グリーン」やボニージャックス「さびしいカシの木」、ペギー葉山「パンのマーチ」など合唱曲としておなじみになったナンバーや、倍賞千恵子と東京トルベール「雪映えの町」、さとう宗幸「夕顔の里」などの叙情歌に加えて、ポプコンへの譜面応募でのグランプリ受賞をきっかけにプロとなった大城光恵「以心伝心しよう」などなど。森口博子「上級生」、Toi et Moi(トワ・エ・モワ)21'の「YAKUSOKU~父に送る手紙~」もオススメします。
コロムビア編の目玉は、榊原郁恵が全盛期の78年に歌った「ホロスコープ~あなたの星座~」でしょう。ライブBOXの特典でしか聴けなかった河合奈保子「雨のてん・てん」や、渡辺真知子&筒井タケオ「しまうまとライオン」、島倉千代子「いちばんきれいな星」などの収録も喜ぶ人が多そうです。
大阪すみよし少年少女合唱団による「せんせ ほんまにほんま」は大阪弁のインパクトが強く、全然毛色は違うものの「チューリップのアップリケ」を連想してしまった人も多かったのではないでしょうか。
ソニーミュージック編は、フォーク系を中心にファン待望の初CD化曲がテンコ盛り。
森山良子「木曽路はきょうも」「だれもいそがない村」、トワ・エ・モワ 「街にだかれて」、シモンズ「熊野路ひとり」、五輪真弓「遠いまち」、ハイ・ファイ・セット「星から落ちた迷い子」、ジェリー伊藤・ミッシェル伊藤(デビッド&ミッシェルのミッシェル)親子の「美しい星」と、レア音源がごっそり。オンエア音源は音質的に…なんて声も聞かれますが、マスターがそれしか残っていない曲については仕方がありませんよね。
アイドル、歌謡曲系でも西城秀樹の初CD化「陽光のなかの僕たち」や、廃盤だった尾崎紀世彦「ふるさとの五月」に加え、岩崎宏美「笑顔」と八神純子「チョコと私」、2人がメインとなったザ★スリー・ソウル・ビグリーズ「ピンクと呪文」あたりも喜ぶ人が多そう。
あ、太田裕美「金平糖」もメジャー盤初となりますね。
ビクター編は名曲「小犬のプルー」の続編、77年の岩崎宏美「ぼくのプルー」で幕開け。といっても70年代は少なく、あとは大竹しのぶ「雪のわすれもの」&うたのおにいさん・田中星児「悲しきマングース」という初CD化2曲だけ。というのも2010年代のうたが10曲を占め、80年代も5曲、90年代も4曲という感じで、他メーカーのようなマニアが泣いて喜ぶレア曲は少ない印象です。
とはいえ、キョンキョンの「は・じ・め・て」、オギノメちゃんの「ジャングル・ダンス」、最後のアイドル・高橋由美子「出逢えるっていいね」、と80~90年代を代表するビクターのトップアイドルはしっかり押さえられていますね。
そしてポニーキャニオン編は、やはり待望の研ナオコ「赤いサラファン」やアグネス・チャン「ロバ ちょっとすねた」の初CD化がウレシイですが、全体的には大橋歩さんのイラストが可愛かった矢野顕子「わたしのにゃんこ」を筆頭に、ユーミンや聖子らのコーラスやアイドルへの曲提供でも知られる広谷順子のデビュー曲にして、ゴダイゴの「ビューティフル・ネーム」とともに国際児童年イメージソングとなった「道」、隠れた名曲として人気の高いカリフラワー「大安吉日」など、ニューミュージック系のいい曲がたっぷり。
少年ドラマシリーズ「つぶやき岩の秘密」主題歌でみんなのうたでもオンエアされた石川セリ 「遠い海の記憶」も名曲ですし、初CD化となるゆうゆ(岩井由紀子)の「ドッテン・チャールストン」やシュガーの「カメレオン」「こぶたのしっぽ」、遊佐未森の作詞でも知られる工藤順子「風のオルガン」「トタン屋根のワルツ」、三好鉄生「カボチャのおじさん」あたりも聴きどころではないかと思います。
というように、かなりマニアック度が増した55周年記念盤。50周年盤をお持ちの方はもとより、今回初めてという人にも、十分に購買意欲をそそられる内容になっているのではと思います。まずはお目当ての音源からチェックしてみては?
(2016.3.6)