OMFの敗者が市販品でリニューアル復活!
2016年の年頭からメディアを賑わせたジャニーズ事務所ですが、ジャニーズというグループから始まったことはユーはモチ知っていますよね? そして、初代ジャニーズのメンバーには、今も歌手・俳優として息の長い活躍を続けるあおい(青井)輝彦さんがいたことも。
ジャニーズのヒット曲「太陽のあいつ」などは歴代の後輩たちに歌い継がれていますし、ジャニーズのバックをジュニアとして務め、後にデビューしたのがフォーリーブス…というように、今日まで続くジャニーズ特有のビジネスモデルもこの初代ジャニーズから。SMAPも嵐も、ジャニーズがいなければ存在しなかったといっても過言ではないでしょう。
ジャニーズタレントの場合、事務所にいようが離れようが、青年へと成長してしまうと伸び悩む人が多いと言われていますが、そういう意味でも、あおいさんは先駆者。後に劇団四季で活躍した飯野おさみさんとともに、ジャニーズ独立組初の成功者と言えるでしょう。
我々世代だと、かの木下恵介アワーの常連となったあおいさんというよりは、テレビ漫画「あしたのジョー」のジョー役のイメージが強かったり、やはり76年以降といいますか、一世を風靡した角川映画「犬神家の一族」での犬神佐清・青沼静馬役が衝撃的。
歌手としても、同じ年にテイチクレコードから放ったオリコンNo.1ヒットの「あなただけを」や、続くトップ10ヒットなった「Hi-Hi-Hi」の印象が強いですが、今回、その前に在籍していたRCA時代のオールソングス・コレクション「 GOLDEN☆BEST あおい輝彦 RCAイヤーズ 」がリリースされることになりました。
コレを聞いて「ん?」と思った人は正解。以前、オーダーメイドファクトリーで候補に挙がって実現せず、その後再び復活するもやはり実現しなかった「GOLDEN☆BEST limited あおい輝彦 二人の世界」の市販版という内容なのです。
確かにOMFのユーザー層と、あおいファンは決定的に違うと思いますし、OMF情報を全く知らなかったファンはかなり多いでしょうから、確かに市販の方がいいと思いますし、歌手としても現役ですからコンサートでの即売にもぴったりという感じですけど、それにしても思い切った決断に拍手。
なんたって、曲数もブルスペ2の仕様はそのままで、ぐんとお買い得になっているのですからね。
しかも、これまで頓挫したタイトルがリニューアルされて市販で実現するかも…なんていう期待が現実になるかもしれませんからね。
ということで、内容は71年リリースの「二人の世界~あおい輝彦の青春」、72年の「恋人たちの海」という2枚のアルバムがLPの曲順に則って収録された2in1。
2枚のアルバムには、6枚のシングル全曲、すなわちオリコン3位をマークする大ヒットを記録した同名ドラマ主題歌「二人の世界/あかりを消して」をはじめ、出世ドラマの主題歌リリース「三人家族」(カップリングの「冬の雲」主題歌「苦しき夢」は芦田伸介の語りによるサントラにつき除外)、「ひとりの旅/平和の握手(ケ・サラ) 」「夜霧のかなたへ/愛の未完成」「おいたち/泪の河」「恋人たちの海/愛を求めて」が収録されていますので、これにてRCA時代のオールソングス・コレクションになるというワケなのです。
木下恵介アワーならでは、脚本を手がけた山田太一が作詞、音楽担当の木下監督の実弟・木下忠司が作曲のオリジナルも楽しめますが、「あの素晴しい愛をもう一度」「知床旅情」「白いブランコ」としったフォーク系、ペドロ&カプリシャスがカバーした「別れの朝」やそれに連なる「メルシー・シェリー」といったカンツォーネ系まで、ボーカルの魅力がいっぱい。
OMFで涙を飲んだ方にとっては、まさに敗者復活という感じのリリース。今回は市販だからといって油断は禁物。すぐ入手困難になってしまうでしょうから、お早めにご予約を。
(2016.1.27)