奇才の40年を集約した、初のCD-BOX!
「森雪之丞」という名前を意識したのはいつのことだったでしょうか。
記憶をたどれば、作品自体はキャンディーズのLPで耳にしていたはずですし、初めて買った森作品のレコードはあおい輝彦の「Hi-Hi-Hi」だったはずですが、ハッキリとインプットしたのは1977年の10月。榊原郁恵の新曲として耳にした「アル・パシーノ+アラン・ドロン<あなた」でした。
まず、タイトルの長さと表記にビックリして、PLみたいなタイトルだから阿久悠さんを思い浮かべたように思いますが、色物っぽいタイトルとは違ったとっても素直でカワユイ曲に感激し、「作詩・作曲 森雪之丞」というクレジットを何度も確認したことを覚えています。
思えば高田みづえ、清水由貴子にリードされていた郁恵ちゃんにとって、新人賞レースの勝負曲となる第4弾シングル。ご本人は長ったらしいタイトルがイヤだったそうですが、ホントにイイうたで、それまでの3枚のシングルと比べても郁恵ちゃんのイメージにもぴったりマッチ。当時はユッコの方に肩入れしていたワタシでしたが、郁恵ちゃんも応援していくことを決めるきかっけになったのでした。
世間的にもそういう人が多かったようで、この曲が決定打となり郁恵ちゃんはレコ大新人賞にもユッコと競り合って滑り込み。翌年にはみづえさえも追い抜きトップアイドルの座についたのですからね。
我々世代にとっては、いか天とかで鮮烈だったご本人の見た目も含め、シブがき隊の奇抜なタイトルなんかのキッチュな印象が強い森さんですけれど、個人的にはあの「アル・パシーノ+アラン・ドロン<あなた」の世界観のまま、至極真面目で優しいイメージを持っております。
と、思い出話が長くなりましたが、今年はその森雪之丞さんがザ・ドリフターズの「ドリフのバイのバイのバイ」で作詞家デビューしてからちょうど40周年。
30周年の2006年には記念のトリビュートアルバム「Words of 雪之丞」がリリースされましたが、40周年の今年はなんと9枚組のCD-BOX「 森雪之丞原色大百科(完全生産限定盤) 」が登場することになりました!
9枚のCDには、アイドルから、ロック、そしてアニメはもとより、近年のミュージカルまで、2400曲を超える作品群から177曲を厳選。
構成はといいますと、まずDISC 1と2は「雪之丞HISTORY」。作詞家デビュー曲の「ドリフのバイのバイのバイ」から、最新作「映画 プリキュアオールスターズ」まで40年のヒット作を中心に、年代順に収録。
DISC 3は90年代には布袋寅泰、hide、氷室京介などを手がけた森さんならでは、ロックをメインにした「雪之丞ROCK」で2015年の最新曲までを厳選。
続くDISC4と5は、女性アイドルのみをたっぷり網羅した「雪之丞IDOL」。個人的にはコレがいちばん聴きどころではないかという予感がしております。
そしてDISC6は大ヒットアニメ「キン肉マン」「ドラゴンボール」のテーマソングを筆頭にした「雪之丞 ANIME SONG」。DISC7はキャンディーズをスタートにしたミュージカルや舞台作品をまとめた「雪之丞 MUSICAL」。
DISC8はジャンルに収まりきらない詩作と言葉遊びの集大成「雪之丞 MORE & RARE」、最後のDISC9は、大人のために、大人になった雪之丞が自らセレクトした「OTONANO 雪之丞」と言う内容だそうです。
仕様は高品質Blue-spec CD2で、パッケージは三面デジパックの三方背BOX。さらには別冊ブックレットとして、216Pの詩集、セルフライナーを含む120Pの手引きが付く豪華盤。まさに原色大百科というにふさわしいBOXになるようです。
作家さんBOXとしては久々という感じの大スケール。森さんの奇才ぶりが余すところなく堪能できる永久保存版ですから、ぜひとも入手したいものです。
(2016.4.14)