オススメ復刻盤「石川優子 EMI時代オリジナル・アルバム 4タイトル」

　1970年代から80年代にかけて、フォーク＆ニューミュージック系アーティストの登竜門となったヤマハのポプコン（正式名称はポピュラーソングコンテスト）。

　中島みゆきを筆頭に、八神純子、長渕剛、世良公則＆ツイスト、チャゲ＆飛鳥、あみんらヤマハに所属したアーティストはもとより、譜面歌手的に参加した赤い鳥やオフコース、井上陽水、渡辺真知子、庄野真代、佐野元春、玉置浩二、杉山清貴、そして天地真理やピンク・レディーなど後にアイドルへと転向した面々まで、各時代を象徴する大ヒットを飛ばしたビッグネームがこぞって出場しています。

　ポプコンが生んだ名曲の数々は、ラジオ＆テレビで展開した伝説の音楽番組「コッキーポップ」を通じて全国に広がっていきましたが、このたびポプコンゆかりのアーティストが勢ぞろいするライブイベント「僕らのポプコンエイジ～Forever Friends, Forever Cocky Pop～」の開催が発表されました。

　既に特設サイトも立ち上がり、出演アーティストのオフィシャルホームページ経由で本日からチケットの最速先行予約がスタートしておりますが、大きなニュースとなっているのが、このイベントの初日である2016年4月29日、府中の森芸術劇場・どりーむホールのステージで復活することとなった石川優子さん！

　そう、1990年に引退した後、2009年にCHAGEのアルバムに参加するも、表立った活動をしてこなかった彼女が、なんと25年ぶりにステージ復帰するのです。

　復活に寄せて、彼女は「ヤマハの担当者からお誘いがあり、その懐かしい響きに胸が高鳴りました。ただ、25年ぶりのステージに大きな不安もあり、迷いに迷ったのですが、全ての懐かしい皆さんにお会いしたくて参加させて頂くことにしました。会場の皆さんとの特別なひと時を心から楽しみにしています」と語ったそうですが、ファンの皆さんは感激にむせび泣いているとか。

　ここで振り返ってみますと、石川優子がポプコンに出たのは、78年の第16回大会。デビュー後はシンガー・ソングライターとして自作品も歌っている彼女ですが、当時は譜面歌手としての出場でした。

　で、翌79年にラジオシティからレコードデビューを果たすのですが、そのデビュー曲「沈丁花」も12回大会で安部勝巳とダニエルの入賞曲のリメイクでしたし、初期のアルバムでは第３回の「あなたの手紙」をはじめ、第４回「あなたの心のかたすみに」、第６回の「土曜の夜はパーティー」、第９回の「私はコスモス」、第10回「目をそらさないで」といった入賞曲のほか、 谷山浩子の「河のほとりに」などポプコン＆コッキーポップゆかりのナンバーを多数カバーしています。

　というように、ポプコン歌姫の一人と言っても過言ではないキャリアを持つ彼女ですが、ポプコン出身の女性アーティストでは珍しく華があるといますか、親しみやすい美人だったため、やはりビジュアル的人気が高くアイドル視されていたことも事実でした。

　コルゲントローチのCMでマイクを手に「クリスタル モーニング」を披露した姿なんて、太田裕美路線そのものという感じでしたし、今回、男性陣を中心に多くのファンが大喜びしているのは、そういうスタンスだったことも大きいのではないかと思います。

　代表曲「シンデレラ サマー」をはじめとするソロ曲はもちろん、同じく出演予定のCHAGEとのデュエットヒット「ふたりの愛ランド」など、25年ぶりのステージは絶対に見逃せない感じですが、このタイミングでアルバム復刻も決定しています。

　といっても、デビューアルバムをはじめ、全盛期のラジオシティ時代のアルバムは、ヤマハ主導でレコード会社を変え何度か再発されていますし、2008年にはビクターから全13タイトルが紙ジャケ復刻済み（現在はほぼ入手困難の模様）。

　であるからして、今回出るのは87年から90年までの後期、東芝EMI時代の「 生真面目で好き 」「 Stupid Cupid 」「 月曜日のシャンプー 」「 微笑みたちの午後 」という4タイトルとなっております。

　初期のCDは復刻されるまでかなりのプレミア付いていましたが、今回の4枚もオリジナル発売時から一度もリイシューされていなかったので、中古市場では結構な高値で取り引きされていたタイトルもあるみたい。
　しかも今回はリマスタリングやSHM-CDでの音質向上もバッチリでしょうから、ファンとしては待望の復刻といえるでしょう。
　熱心な優子ファンはもちろん、「僕らのポプコンエイジ」に参戦予定の方もチェックしてみては？

　なお、これを機に一気に盛り上がりそうなポプコン回帰。人気雑誌「 昭和40年男 2015年12月号 」でも特集が組まれるようですし、ライブに向けておさらいしておくのも大事ですよね。
　手前ミソですが、ポプコンの歴史がわかるムック本「 ポプコンクロニクル (ヤマハムックシリーズ) 」や、ポプコンナンバーを年代順に収録したポプコンエイジシリーズ「 ポプコン・エイジ・クロニクル1970~1974 」「 ポプコン・エイジ・クロニクル1975~1977 」「 ポプコン・エイジ・クロニクル1978~1979 」「 ポプコン・エイジ・クロニクル1980~1985 」「 ポプコン・エイジ CMソングス 」「 ポプコン・エイジ カバー・ソングス 」（こちらで紹介）などもオススメいたします！

（2015.9.25）

＊ローチケでの受付もスタートしました！（2015.10.20）