ポップンロール！杉サマのお仕事をコンパイル！
」をリリースした時も、還暦だなんてにわかに信じられなかったものですが、ルックスにしてもほとんど変わってないように見受けられるのですから無理もありませんよね。また、今夏、大きな話題をさらった松本隆さんの作詞活動四十五周年記念「風街レジェンド2015」では、一番のクライマックスとなった大瀧詠一コーナーに登場。どよめきの中、伊藤銀次さんとともに新旧ナイアガラトライアングルの顔合わせによる「君は天然色」と、佐野元春さんを加えたねじれトライアングルで「A面で恋をして」を披露したのも鮮烈でしたし、ますますポップス職人としての腕に磨きがかかったように思います。
そんな杉サマですが、このたび今“杉真理の仕事”をまとめたコンピ盤「 杉真理WORKS
」のリリースがアナウンスされました！杉サマのシンガー・ソングライター＆プロデューサーとしての軌跡をまとめたCDとしては、2005年に出たコンプリート・シングル・コレクション＆自選提供曲集に２枚組ベスト「 GOLDEN☆BEST/杉真理杉真理 & フレンズ
」（こちらで紹介）がありますが、今回は後者のみにスポットを当てたモノに仕上がる模様。収録曲はまだ発表になっていませんが、選曲に関してしては、１.作詞、もしくは作曲して他のアーティストに提供した楽曲、 2.コーラス・アレンジを手がけた楽曲 、3.デュエット・ボーカルやコーラスなどで参加した楽曲、4.編曲、もしくはプロデュースを手がけた楽曲という基準が設けられているのだとか。
なんだか、より幅広い感じでチョイスされる模様で期待大です。
個人的な思い出をたどりますと、杉サマのお名前を初めて意識したのはやはりアイドルからで、最初は80年に井上望が放った名曲「シャドー・ボーイ」でした。
あの歌のとてもキャッチーだけど、凝ってて洒脱なメロディーラインが大好きになったワタシは、“まさみち”と読むとは知らず「丸山圭子とコンビを組んでる“すぎ・まり”ってどんな女の人だろーね？」「竹内まりやにも書いているらしーよ」などと、親友と話し合っていたりして。
その直後に耳にした百恵ちゃんの引退記念シングル「一恵」のカップリング「想い出のストロベリーフィールズ」（川島なお美さんもカバーしています）も好みで、Ａ面よりもいいと思っていたものです。
やがて“すぎ・まさみち”というホリプロ所属の男性アーティストであることが解明し、本格的に意識するようになったのは皆さんと同じナイアガラ・トライアングルvol.2から。上質なメロディーライン、ポップなサウンド、美しくも楽しいコーラスワークなど、３人の中で最もキャッチーでポピュラー性があったのは杉サマでしたからね。
後は聖子とのデュエットや、ユーミン、須藤薫ちゃんとのワンダフルムーンという流れで、提供曲を細かくチェックし始めるのですが、ファンになる決定打となったのは、聖子の「ピーチ・シャーベット」、同じホリプロの郁恵ちゃんがカバーした「悲しきクラクション」、そしてハイ・ファイ・セットのCBS・ソニー移籍第１弾「素直になりたい」でした。
ハイ・ファイ・セットにとってはメイン作家となりましたし、杉サマにとっても提供しがいのあるアーティストだったと思いますが、ユーミン作品とセットになったアンソロジー「 GOLDEN☆BEST/ハイ・ファイ・セット 荒井由実・松任谷由実・杉真理作品集
」も出ているほどですので、今回の作品集でイイと思った方は（収録されることを見込んで書いております）、完成度の高い他のハイ・ファイ作品も追求していただければと思います。個人的にも、杉サマの曲で最も好きな１曲はと聴かれれば、迷わずハイ・ファイ・セットの「Boy friend」と答えるほどですのでね。
ナイアガラファミリーとして太田裕美さんとコントをやったり、ホリプロのロック＆ニューミュージック部門、カレイドスコープに河合夕子ちゃんとともに在籍していたのも懐かしい思い出ですが、一般的に最も有名な杉サマの提供曲は、石川さゆりが覆面歌手として出して、後に旧友・竹内まりやもカバーした「ウイスキーが、お好きでしょ」でしょうかね。
むろん須藤薫ちゃんの一連の作品群や、今も仲良しだというワインソムリエ・野田幹子さんへの提供曲、ユーミンのコーラスアレンジ作品などなど、杉サマの名曲は枚挙にいとまがありませんので、その楽しくてクセになるポップンロールがこうして再評価されればファンとしても喜ばしい限りです。
なお、杉サマ自身の旧譜は、30周年時のボートラ付き紙ジャケ復刻盤こそ入手困難になっているものの、ブルスペ２による復刻は進んでいて83年のヒットアルバム「 STARGAZER
」が名盤復刻シリーズにラインアップされたほか、84、5年の名盤「mistone」「SYMPHONY#10」の30周年記念盤「
MISTONE-30th Anniversary Deluxe Edition-
」もまだ生きております。また、須藤薫＆杉真理としての集大成「 POP 'ROUND THE WORLD
廃盤なのでオススメするのもナンですが、杉サマがサウンドプロデュースを担当し、須藤薫ちゃんをはじめさまざまなアーティストがカーペンターズを日本語でカバーした企画盤、N.A.T「 愛は永遠に」も必聴。オリジナルの韻を大切にした超訳詩が原曲に忠実なアレンジと相まって、素晴らしい魅力を醸していますので、聴くたびにポップスの楽しさを実感できるんですよ。
（2015.12.27）
＊収録予定曲は以下の通りです
1.日曜日の冒険者（西田ひかる）
2.ホールド・オン（竹内まりや）
3.Ash Wednesday（川島なお美）
4.二人のブルー・トレイン（岡田有希子）
5.恋はマジック（峠恵子）
6.BORN TO BE LOVED（早見優）
7.雨のリゾート（松田聖子）
8.heaven on earth（RIZCO）
9.Running In The Sun（松雪泰子）
10.ときどき電話して（鈴木ユカリ）
11.悲しきクラクション（榊原郁恵）
12.ドリーム・ストライカー（島崎和歌子）
13.Sweet Feeling（設楽りさ子）
14.Rainy Day Hello（志賀真理子）
15.歩こう（石岡美紀）
16.face to face（楠瀬誠志郎）
17.代々木上原の彼女（大江千里）
18.いつものパーティー（飯島真理）
