自選50曲、amiiバーサリーの3枚組ベスト!
舌足らずでハスキー、ロリータっぽい独特の声質は相変わらずで、来年還暦とは思えないほど魅力的な尾崎亜美ちゃん。
今年デビュー40周年を迎え、アミバーサリーもといアニバーサリー企画が目白押しになるそうですが、その第1弾として、本人の監修&セレクションによる3枚組ベスト「 My Songs for You 尾崎亜美 40th Anniversary BEST 」が編まれることになりました。
振り返れば、荒井由実の大ブレイクでフォークとは一線を画すおニューなミュージックやシティー派のポップスに注目が集まった76年。ユーミンと同じ東芝EMI・エキスプレスレーベルから松任谷マンタさんプロデュースでデビューした亜美ちゃん。
第二のユーミンとして売り出され、ユーミンが結婚休業で不在となった翌年には資生堂のキャンペーンソングに大抜擢。「マイ ピュア レディ」を大ヒットさせ、翌年には同じ枠で南沙織の「春の予感 -I’ve been mellow-」を提供。作家としても引く手あまたの人気を誇ってきたことは今さら言うまでもないでしょう。
80年にはポニーキャニオンに移籍し、よりエレクトリックなポップスへと進化を遂げていきましたが、今回のベストはそのポニキャンからのリリース。
であるからして、収録曲50曲もポニキャン時代中心のセレクトになっておりますが、ご本人いわく「思い入れの強いベストアルバム」だそうで、ポニキャンだけでなく在籍したレーベルを横断したオールタイムなエッセンスも感じられます。
まずディスク1はポニキャン初期。カルピスのCMソングとして知名度の高い「My Song for You」を皮切りに、ポニキャン移籍第1弾となったトヨタカーエアコンのCMソング「21世紀のシンデレラ」や、「舞夢」「愛に恋 Love Is Gonna Get You」「恋するマリンパーク」「Judy」などB面も含むシングル曲(「Deep」はアルバムバージョン)を中心に、高橋真梨子に書いた「あなたの空を翔びたい」や杏里への「オリビアを聴きながら」をはじめ、榊原郁恵の「ひとりぼっちのクリスマスソング」、岩崎良美の「ごめんねDarling」、松田聖子の「天使のウインク」、桑名正博「生まれたてのイヴになれ」といった提供曲のセルフカバーもポインツ的に収録。
ウーパールーパーのブームを巻き起こした日清焼そばU.F.O. のCMソングにしてパピ名義で発表した「Wuper Dancing」のセレクトもいいですが、81年のデビッド・フォスターがバックアップしたLA録音の名盤「HOT BABY」(こちらで紹介)より「身体に残るワイン」がオススメです。
ディスク2はポニキャン中期がメインですが、デビュー曲「冥想」や「マイ ピュア レディ」「ストップモーション」といった最初の東芝時代のシングル曲と、97年に東芝に復帰して以降の「Let’s Imagine」もしっかり収録。
ポインツ的なナンバーでは、初の楽曲提供作としてシンシアに書いた「春の予感 ~I’ve been mellow」、松本伊代の「流れ星が好き」、松田聖子の「ボーイの季節」「夏の幻影」、志村香の「曇りのち晴れ」など。
そしてディスク3は、ポニキャン後期と、フォーライフ、BMG、コロムビア、ソニー、テイチクからリリースした作品をセレクト。
こちらにも、薬師丸ひろ子への「雨は止まない」、観月ありさへの「伝説の少女」といったポインツ的なセルフカバーが収録されています。
とにかく才女だし、キャリアも長いので、このベストだけではなかなか網羅できませんが、これをきっかけに東芝時代(こちらで紹介)、ポニキャン時代(こちらで紹介)と、オリアルへと進む新たなファンが増えればいいですよね。
また、メロディメーカーとしての足跡も併せて楽しむなら、自選のベスト&提供曲の2枚組「Amii in the box」(こちらで紹介)がお手軽です!
(2016.2.23)
*2016.5.25には、セルフカバー中心の40周年記念2枚組ニューアルバム「
SMILE ~40th Ami-versary~
」(CRCP-40458~9、¥3,704+税)も発売されます!