CD選書で出ていたハーフベストが21年ぶりに復刻!
オーダーメイドファクトリーで2007年にエントリーされるも不成立に終わったファーストアルバムが、先ごろはあっという間に達成するなど、ここに来て現役時代には考えられなかったほどの人気を博している朝倉理恵さん。
ご本人も大層お喜びのご様子ですが、確かに透明感あふれるあの美声や、70年代フォーク歌謡の哀愁味たっぷりメロディーは、今の時代にぴったりのように思えますからね。40年以上を経てようやく時代が追いついたといいますか、あの魅力に気づけるようになったのかもしれません。
そのOMFでは、2010年にお蔵入り音源を含むシングル全集「 GOLDEN☆BEST limited 朝倉理恵 」が商品化されたのを皮切りに、昨年には坂田晃一作品集といえるセカンド「誰のために愛するか」(こちらで紹介)が日の目を見て、そして今夏の「あの場所から」(こちらで紹介)もリベンジが果たせたワケで、この実績ならここで終わるはずがないというものです。
そう、CD化済みではあったものの長らく廃盤であった「 ひとさし指 」も、候補に挙がったのです!
思えばQ盤ブームに沸く94年、“昭和40年代はニッポンの青春だ!”を合言葉に展開されたCD選書・Enjoy 40'sシリーズの1枚にラインアップされていたこのアルバム。
75年4月発表、サードにしてラストとなったアルバムですが、LPの帯に“さわやかな愛の世界を歌う 朝倉理恵ベスト・アルバム”と書かれているようにベスト盤の要素が強く、既発のオリジナル曲に新録のカバー曲を集めた、厳密にはハーフベストという内容です。
収録曲としては、オリジナルは、デビュー曲の「あの場所から」から、第3弾の「さよなら、今日は」と第4弾の「誰のために愛するか」といったドラマ挿入歌&主題歌、ベトナム戦争のベストセラー絵本を翻案したCBS・ソニーの酒井さんお得意の文芸路線「ダーちゃんどこへ行く」、そして当時の最新シングル「ひとさし指/お見舞い」の6曲。
一方カバーは、このアルバムから次にシングルカットされる小椋佳の「春の雨はやさしいはずなのに」をはじめ、芹洋子の「愛の国から幸福へ」、ダ・カーポの「結婚するって本当ですか」、加藤登紀子&長谷川きよしの「灰色の瞳」、 真木悠子の「めぐりあい」、そして太田裕美の「雨だれ」という当時の最新ヒット6曲。
なかなかシブイチョイスですし、理恵さんの魅力がより伝わる選曲の上、とても丁寧なボーカルが耳に心地好く、就寝の際に聴く音楽としてもオススメします。個人的にも、彼女のアルバムの中でコレが特にリピート率が高いんですよ。
「春の雨はやさしいはずなのに」を除くカバー5曲はOMFで実現した3枚にも未収録ですので、CD選書を持っていない人は即買いすべきですし、持っている人も理恵さんの透明感あふれる歌声はリマスタリング&ブルスペ2でこそ生きると思いますので、買い換え、買い増しをば。
なお、今回も商品化達成するまでに予約すると、特典として直筆サイン入りのスペシャルポストカードがもらえるそうなので、どうせ予約するならお早めにどうぞ!
(2015.9.25)