王道コンピの新作は、男女別カラオケ定番曲集!
「オールスター」といえば、コンバースのバッシュ。もちろんハイカットで色は黒、いや赤の方がオシャレかな…。
80年代にティーンエイジャーだった身としては、ついそんな連想をしてしまいがちですが、プロ野球のオールスターゲームや、芸能人の大運動会に水泳大会を思い浮かべる人も多いことでしょう。
でもですね、今月発売となるのは、オールスターはオールスターでもソニーミュージック発のコンピシリーズの新作。「 オールスター・ベスト~女性ヴォーカル~ 」&「 オールスター・ベスト~男性ヴォーカル~ 」という男女別2タイトルです。
このシリーズがスタートしたのは2013年、80年代ヒット集の「 オールスター80'sベスト 」&90年代ヒット集の「 オールスター90'sベスト 」から。
昨年には第2弾として、2000年代映画主題歌集の「 オールスター・ムービー・ヒッツ 」&90年代ドラマ主題歌集の「 オールスター・ドラマ・ヒッツ 」が出ましたが、今回はそれに続く第3弾。90年代から00年代にかけてヒットしたJ-POPの中でも、カラオケで人気を得たナンバーという切り口なのだとか。
選曲にあたっては、通信カラオケの大手として知られるJOYSOUNDのランキングデータを参考にしたそうですが、確かに90年代以降は、カラオケボックスが隆盛を極め、ごく当たり前のモノになった時代。
新曲をカラオケで知ったり、カラオケをきっかけにヒット曲が生まれたり、流行歌にとって1つのメディアへと成長した時代でした。
何より、それまで多くの人にとって聴くものだった歌が、自分で歌うものとして選別されるようになり、カラオケで歌う歌を覚えるためにCDシングルを買うという図式が生まれたのですからね。
カラオケで歌いやすいかどうかがヒット曲になるという傾向は、カラオケ的音楽番組の象徴といえる「THE夜もヒッパレ」が世代を超えて高視聴率を記録し世間を席巻したように、音楽業界のあり方を変えた出来事といっても過言ではありませんが、今でも若い世代や演歌を聴く層には根強く残っていると思いますね。
さて、手前ミソではありますが今回オススメしたいのは、CHEMISTRYのグランドデビュー曲「PIECES OF A DREAM」からJanne Da Arcの「月光花」までを集めた男性編の「 オールスター・ベスト~男性ヴォーカル~ 」。
ソロボーカリストからビジュアル系も含むバンドまで、CMソングやアニメ主題歌も交えバラエティーに富んだ2枚組32曲というボリュームですが、注目はやっぱりバラードの名作。
カラオケでは気持ちよく酔いしれるこができるとあって、のどに自信のある御仁は決まってバラードをレパートリーにしていましたが、ここでは中西保志「最後の雨」、山根康広「Get Along Together -愛を贈りたいから-」、郷ひろみ「言えないよ」、玉置浩二「メロディー」などなど、感動的な名曲がずらり。
90年代、いい男を気取って歌っていたメンズや、歌で口説かれたというおねーちゃんは感涙ものではないでしょうか。
あの頃は先を競って新曲を覚えて歌っていたのに、いつしか音楽業界のターゲットからハズれてしまい、最近では「コレ誰の曲?」なんて言ってしまっているお父さん。
無理して新曲を仕入れることはないと思いますんで、このコンピで当時のナンバーを復習してみては? 濃くてタフだった、あの時代のカラオケスナックのムードを今に伝えていくのも、とっても意義があることだと思うのです。
(2015.8.1)