まさに21世紀のCD選書、ブルスペ2で一挙50作!
1982年にCBS・ソニーがコンパクト・ディスクを発売してから30年。
月日は流れ、2008年にはソニーミュージックが高品質でありながら従来のCDプレーヤーで再生可能なBlu-spec CDをリリースし、各社を巻き込んだ次世代CDの時代が本格的に到来しました。
そして2012年、それはBlu-spec CD2へと進化。Blu-ray Disc製造技術のすべてを注ぎ込んだ、より一層原音に忠実な高品質CDとして、巷では大きな期待が高まっています。
これに伴い、クラシックを筆頭に洋楽へと、ソフトの発売もいよいよ本格化。邦楽ではYUKI、ユニコーン&地球三兄弟といった現役組だけでなく、旧譜でも佐野元春、TMネットワーク、レベッカと80年代ロックの面々のアルバムのBlu-spec CD2化が続々と発表されていますが、来春にはCBS・ソニー、EPIC・ソニー、アルファ、RCA、ファンハウスと現在ソニーミュージックから販売されているレーベルの歴史的名盤が一挙発売されることがアナウンスされました!
その名も名盤復刻!全50タイトル、各1,890円というナイスプライスでのリリースとなる模様です!
オリジナルの発売順(複数出るアーティストは最古のアルバムの発売日を優先)に列挙しますと、藤圭子「 新宿の女 」「 女のブルース 」、南沙織「 17才 」「 純潔・ともだち 」「 傷つく世代 」、赤い鳥「 RED BIRDS 」「 竹田の子守唄 」、天地真理「 水色の恋/涙から明日へ 」「 ちいさな恋/ひとりじゃないの 」、ガロ「 GARO 2 」、太田裕美「 心が風邪をひいた日 」「 手作りの画集 」「 12ページの詩集 」、ハイ・ファイ・セット「 ファッショナブル・ラヴァー 」「 ラブ・コレクション 」、岸田智史「 モーニング 」、紙ふうせん「 再会-新たなる旅立ち 」、渡辺真知子「 海につれていって 」「 フォグ・ランプ 」、サーカス「 サーカス1 」「 ニュー・ホライズン 」、ふきのとう「 人生・春・横断 」、南佳孝「 SPEAK LOW 」「 MONTAGE 」「 SILKSCREEN 」「 SEVENTH AVENUE SOUTH 」、桑名正博「 Communication 」、SHOGUN「 ROTATION 」、久保田早紀「 夢がたり 」「 天界 」、村下孝蔵「 夢の跡 」「 初恋~浅き夢みし 」「 花ざかり 」、杉真理「 STARGAZER 」、THE MODS「 HANDS UP 」、大沢誉志幸「 CONFUSION 」「 in・fin・ity 」、小林麻美「 CRYPTOGRAPH~愛の暗号 」、 大江千里「 未成年 」「 乳房 」「 AVEC 」、白井貴子「 Flower Power 」、ルック「 ボーイズ・ビー・ドリーミン 」、聖飢魔Ⅱ「 地獄より愛をこめて 」「 BIG TIME CHANGES 」「 THE OUTER MISSION 」、小比類巻かほる「 I’m Here 」、鈴木聖美「 WOMAN 」、井上大輔「 BLUE 」、永井真理子「 Tobikkiri 」。
以上、1970年から88年までのアナログ時代の名盤というラインアップには、70年のオリコン年間1位と5位に入った藤圭子の2枚、72年の年間1位と3位を獲得した天地真理の2枚、77年の年間
1位のハイ・ファイ・セットという驚異のメガヒットアルバムを筆頭に、ガロ、岸田智史、久保田早紀らオリコンチャートNo.1を獲得したアルバム、さらにはトップ10の上位に食い込んだり、ロングセラーやスマッシュヒットを記録した作品がずらり。
タイトルだけ見てもわかるように、すべてが各アーティストのブレイク作や代表作。それも後で評価が高まった隠れた名盤ではなく、リアルタイムでセールス的にも成功したヒットアルバムで、現在は廃盤になってしまったり、市販流通では入手困難とされる音源が中心となっています。
近年復刻されても限定盤だったり、BOXの中の1枚だったりして気軽に手に取れなかったものや、カタログで生きていたとしてもリリースが古く音がザンネンなものがチョイスされているようです。
全部が過去にCD化済みとなっていますので、マニアックなCD復刻をよしとするコレクター向けではなく、当時リアルタイムで聴いていた世代向けの心に響く50枚といえるんじゃないでしょうか。
ラインアップといい、プライスといい、なんだか90年9月にスタートした「CD選書」を彷彿とさせるシリーズ。今回リリースの音源は、選書や紙ジャケ、BOXなどでほぼ所有しているものの、なんだか血湧き肉躍る感じで購買意欲が首をもたげてくるのは、やっぱり無類のカタログ好きのサガというものかもしれません。
やっぱり、昔のアルバムがその時代の一番いい音で生まれ変わるというのはそれこそ名盤の証しですから、ファン心理から言っても大歓迎だし、永遠に生き続ける大好きなアルバムを聴き続けていくのは醍醐味だと思います。洋楽の場合は、それこそ毎年いや中には半年のペースのものもあるほど、手を替え品を替えスゴイ再発が繰り返されていますが、邦楽の場合は特定のアーティスト以外、そうそうあるもんじゃないですからね。
個人的にはシンシアや太田さん、千里クンあたりは出るモノは全部買う主義でおりますし、まっちゃん、真理ちゃん、早紀さんらも含め、長年聴き込んできたお気に入りのアルバムたちの音がブルスペ2でいったいどんな風に変わったかを、頑張って聴き比べてみたいと思っています。
思えば、CD選書の記念すべき第1回発売はハウンド・ドッグから、山口百恵、よしだたくろう、マリーン、猫までの50余タイトルで、第2回は矢沢永吉から松田聖子、渡辺貞夫までのこれまた50余タイトル。その後も91年にナイアガラCD選書シリーズ、キャンディーズや太田裕美など70年代アイドルも加わった第3回、カルメン・マキや南沙織、天地真理らCBS・ソニーの黎明期も含んだ第4回という風にどんどん続いていきましたから、今回の企画も成功して同じように第2回、第3回と発展していくことを期待します。
そしてCD選書が各社を巻き込み、Q盤ブームへと広がっていったように、幾多の名盤たちが欲しいと思った時にすぐ手に入る状態ができるだけ長く続けばいいなと思います。アルバムをパッケージで所有するという文化を未来へと遺していく意味でも。
そのためには、やっぱり初動が肝心。前述の通り、今回のラインアップは選書廃盤後も紙ジャケ再発やBOXなどで復刻されてきたものですし、不要なモノまでを購入する必要はもちろんありませんけど、食指が伸びている方は、初買い、買い換え、買い増しなど、それぞれに応じたチョイスでぜひご検討ください。
(2012.12.25)
*「小林麻美/CRYPTOGRAPH~愛の暗号」は発売中止となりました。ご注意ください。
*名盤復刻シリーズについての詳細は、特設サイトまたは
SonyMusicShop
をご参照ください。
復刻タイトルのリクエストもできます。