ついに日の目を見た、百恵ちゃん主演ドラマのサントラ!
先進的で卓越した音楽性の再評価が相変わらず高いゴダイゴ。
ここ数年、ゴダイゴ音源復刻レーベル・G-maticsからは、バンド名義の作品だけでなく、映画やドラマのサントラ、ソロ・関連作品など超貴重な音源付きでの再発もゾクゾクと進み、悲願のアグネス・チャンmeetsゴダイゴの傑作「不思議の国のアグネス」(こちらで紹介)もスゴイ内容でめでたく復刻が実現しました。
時が経つほどに周辺作品の発掘もガンガン進んでいましたが、今回マスターテープの音源が発掘され初商品化となるのが「 「人はそれをスキャンダルという」オリジナル・サウンドトラック 」。ゴダイゴのリーダー・ミッキー吉野さんによる劇伴音楽集です。
ミッキーさんといえば今春、大阪で交通事故に遭われ入院したというニュースが流れ、とても心配したものですが、無事に復帰されゴダイゴやゴールデン・カップスのライブも精力的にこなされているようで何よりです。
さて、話を戻して「人はそれをスキャンダルという」ですが、コレはご存じ山口百恵主演のドラマ。制作は赤いシリーズでもおなじみの大映テレビ、オンエアはTBSという名タッグで、1978年11月から2クール放映されたドラマです。
百恵作品では珍しくビデオ化もDVD化はされていないようですが、昔からケーブルテレビで何度も再放送されていましたし、近年もCSで再放送されたり、結構おなじみのドラマだと思います。
にもかかわらず位置づけが低いのは、ゴールデンコンビでも赤いシリーズでもないという点でしょうか。
確かに、当時はグリコのCMや映画「ふりむけば愛」といったゴールデンコンビ作品の大林宣彦監督が手がけるとか(結局は第1回のみ)、百恵ちゃんが未婚の母になるというショッキングな番宣とかが話題を呼びましたが、個人的にも不良になった「赤い絆」よりもインパクトはなかったし、かのロマン・ロラン原作とあって小学生にはかなり難しい内容でしたっけ。
当時の記憶としては、篠田三郎さんが百恵ちゃんとキスした時「キャラメルの味がしました」(キャラメル風味のリップクリームをつけていたそうな)と言われたエピソードとか、亜湖ちゃんの個性的な雰囲気の方が印象的だったほど。
思うに、ロマンスの相手が複数いたというのもまとまりなく見えてしまった一因だったのかもしれません。実際、百恵ちゃんと相手役のドラマというより、百恵ちゃんが尊敬する三國連太郎さんとの共演作というイメージが強いような気がしますね。
というように、結果的には百恵ちゃん最後の連続ドラマとなった作品なのに、なんとなく継子扱いされてる感じがしますけど、実はこの劇伴を担当したのがミッキーさん。
しかも演奏にはゴダイゴのメンバーが全面的に参加していたということで、今回の初CD化が実現したというワケなのです。むろん当時はサントラLPなど出ておりませんから、とっても貴重ですよね。
ミッキーさんの流麗なシンセソロはもとより、ゴダイゴのライブでよくオープニングを飾った「TAKE IT EASY」も演奏していたりということですから、飛ぶ鳥を落とす勢いだった時代のゴダイゴによるインスト・アルバムという聴き方もできそう。
ああ、百恵ちゃんが歌う主題歌もザ・歌謡曲的な「スキャンダル(愛の日々)」ではなく、百恵meetsゴダイゴだったらどんなに面白かったでしょうか。
ともあれ、今年は百恵ちゃんのDVDマガジン「 隔週刊 山口百恵「赤いシリーズ」DVDマガジン 」の刊行がスタートし、世間的にもテレビ女優・山口百恵への再注目が高まっていますから、タイミング的にもバッチリなリリース。ゴダイゴファンだけでなく、百恵ちゃんファンの皆さんもどうぞ。
(2014.7.17)
*発売延期となりました。ご注意ください。