ミディ時代のサントラが、高音質&紙ジャケで!
昨年、シュガー・ベイブでアーティスト活動をスタートさせてから40周年を迎えたター坊こと大貫妙子さん。
昨年後半にはエッセイ集「 私の暮らしかた 」の出版やトリビュートアルバム「 大貫妙子トリビュートアルバム - Tribute to Taeko Onuki- (2枚組ALBUM) 」のリリース。今年に入ってからは3月の記念ライブ「大貫妙子40th ANNIVERSARY LIVE」の開催、ちょっと延期になりましたが初のオフィシャルファンブック「 大貫妙子 デビュー40周年 アニバーサリーブック 」の刊行など、40周年記念を銘打った企画が目白押し。
基本マイペースの人なだけに、ここ半年余りの展開はめまぐるしい印象がありますが、そんな中にあっても確固とした姿勢を崩さない様に感銘を受けるばかりです。
幸いにも拝見することができたライブにも、親しき仲にも礼儀あり的な美しく心地好い規範のようなものが変わることなく漂っていましたし、いろんな意味でとても満たされたことでした。
と、ター坊の40周年関連ではありませんが、ター坊が以前在籍していたミディも今年が設立30周年というアニバーサリーイヤーなのだとか。
昨年から「2013-2014 MIDI INC. 30th Anniversary Remaster Collection」シリーズと題し、坂本龍一、矢野顕子、EPOらミディの代表的アーティストが80年代から90年代初頭にかけて発表した名盤の数々が、高音質のSHM-CD&初回紙ジャケット仕様で復刻されています。
もちろんター坊もラインナップに加わっておりまして、昨年3月に「 コパン(紙ジャケット仕様) 」と「 スライス・オブ・ライフ(紙ジャケット仕様) 」、5月に「 プリッシマ(紙ジャケット仕様) 」が再発されておりますが、今年の9月にはそれに続く第3弾として「 ニュー・ムーン(紙ジャケット仕様) 」と「 アフリカ動物パズル(紙ジャケット仕様) 」がリリースされることになりました。
いずれも個人的によく聴いた作品ばかりですが、今回ピックアップしたいのが後者の「 アフリカ動物パズル(紙ジャケット仕様) 」。
そもそもは羽仁未央ちゃんが監督し、85年に発表した同名映像作品のために創られた音楽で、翌86年にサウンドトラックLPとして通信販売されたもの。
アッコちゃんもそうでしたけど、ミディは通販限定企画などをよくしていましたし、それがとてもカッコよかったものですが、後に一般発売されるのが玉にキズというか、購入者だけが持てた優越感をそぐことが多かったりして…。
このアルバムも、プラスアルファが加わり87年にCDとカセットが市販品としてリリース。以降も再発され、今日に至るまでカタログで生きていますが、今回はその音源をデジタルリマスターした上で、SHM-CD&紙ジャケ化されるというワケです。
この仕事で84年に未央ちゃんと初めてケニアへ行き、アフリカにハマったというター坊。旅行記「神さまの目覚まし時計」を著し、その後ものべで1年も滞在したといいます。
今もエッセイやラジオで当時の話はよく出ますが、明け方から日没まで、ただひたすら動物を観察する日々だったそうで、このアルバムにはそういう雰囲気もよく出ているのではないかと思います。
事実、インストも多いので環境音楽的な聴き方もできますし、都会的な疲労を感じている時のおやすみミュージックとしてもオススメ。
盟友・大村憲司さん、鈴木さえ子さんのほか、当時キョージュがサンストでえらく褒めていたおしゃれテレビの野見祐二さんら新しい才能も参加。テクノっぽい味付けと、アイドルファンには中森明菜の歌姫シリーズで有名な千住明さん(これが正式なデビュー作だとか)のクラシカルな世界がマッチングしています。
オススメは未央ちゃんが英語詞を書いた「ソーン・トゥリーのうた」。名ライブ「ピュア・アコースティック」には再編集版の「プラス」から追加収録されていますし、ベスト盤にもよくチョイスされていますので、ファン以外にもおなじみですよね。
なお、ジャケットのイラストはお父さんの羽仁進さんですが、羽仁進・未央親子と言って個人的に忘れられないのが大の南沙織ファンだったこと。お父さんはFCにも入っていたほどでしたし、未央ちゃんはクリスマスパーティーなんかにもよくお呼ばれしていましたっけ。
同じちびっこシンシアファンとしては未央ちゃんのことが大層うらやましかったものでしたが(学校に行ってないというのも衝撃的でした)、とても親近感を感じたんですよね。
そういう個人的心理背景もあって、このアルバムは余計にお気に入りなのかも。というワケでシンシアファンにもオススメしたいと思います。
なお、ター坊のSHM-CDとしては、昨年ユニバーサルから発売された「絶対名盤 J-premium」シリーズの1枚として東芝EMI時代の「 Shooting star in the blue sky 」も出ていますよ。
(2014.8.8)