7年越しのリベンジ達成! 麗美姉のユーミン&マンタ集
昨年末のリニューアル以降、ケイゾク販売やらイロイロと新たな試みが続いているソニーミュージックのオーダーメイドファクトリー。
以前に候補に挙がりながら実現しなかったタイトルの復活も見られますが、なんとちょうど7年前、2007年の8月に候補に挙がったものの数年かけても達成しなかったアルバムが復活しました!
それが78年12月リリース、堀川まゆみのファーストアルバムに、ボーナストラックとしてアルバム未収録のシングル「 レモン感覚/もうすぐSteady」「ニューヨーク ドール/クライマックス」、そしてデビューシングルのカップリング「ラスト・フレイズ」のシングルバージョン5曲を加えた「楡通りの少女+5 」!
前回と同じ本体価格でお値段据え置きなのに、予定型番が変更されBlu-spec CD2へとグレードアップされておりますからね。今回こそ実現させたいものです。
さて、沖縄出身、堀川まゆみさんと言えば、フィリピン人とのハーフで、美貌を生かしてクラリオン・ガールとしてモデルデビュー。資生堂のモデルにも起用されたほか、素晴らしいポップスセンスを生かして松任谷正隆プロデュースのもと、レコードも出した才色兼備の美女でした。
後にユーミン夫妻が全面的にバックアップしデビューを果たす麗美のお姉さんにして、ソングライター・MAYUMIと言った方がなじみがいいかも。
音楽的才能にも長けていて、歌手をリタイアした後は(といってもMAYUMI名義でレコードを出してたはず)麗美のみならず、河合奈保子や松本伊代、早見優、小泉今日子、岡田有希子、斉藤由貴、中山美穂、松本典子、水谷麻里、渡辺満里奈らのアイドル勢にも曲を提供しています。
という堀川まゆみが残したこのアルバム、“心が走る、想いが走る、私の体にいくつもの愛が走る。そして今日から一人歩き。”という帯コピーも素敵ですが、デビューシングル「ダディー/ラスト・フレイズ」とボートラを含む収録曲14+1曲の中には、ユーミンの提供曲が3曲も入っていますからやはりユーミンファンには避けて通れないものとなっています。
その3曲とは、ユーミン79年のアルバム「OLIVE」収録曲ですが、もともとは堀川まゆみのために書かれた「風の中の栗毛」。ユーミンらしいタイトルのメロウ&ゴージャスなディスコティーク「熱帯性低気圧」。作詞のみを呉田軽穂名義で提供したシングルB面曲「もうすぐSteady」(作曲はマンタさん)。
「風の中の栗毛」以外はキューン・ソニーから出たユーミン作品集シリーズでCD化済みですが、ユーミンファンにとってはセルフカバーしている「風の中の栗毛」を聴きたいと思うのがファン心理でしょうから、ユーミンフリークの皆さんにもオススメです。
こう書いてしまうと、何だかユーミンコレクター向けな感じがしますが、曲調はフュージョン、ディスコ、ボッサなどバラエティーに富んでいて、マンタさん渾身のシティポップスの名盤という雰囲気。鈴木茂、林立夫、深町純、松原正樹といったバッキングもグーです。
歌の方も、ちょっとクセがあって聴く人を選んだ麗美とは全く違って、サラッとした清涼感あふれるボーカルですので、初めての方にもオススメします。
オシャレなリゾートアルバムの雰囲気もありますし、BGMにもうってつけのキレイなお姉さんのファッション・アルバムという要素も高いと思います。
三度目のチャンスはもうないと思いますので、是が非でも7年越しのリベンジを果たしたいものですね。
(2014.8.4)