大ヒットコンピシリーズに、時代をまたぐ新作登場!
うかうかしてたらもう4月。消費税率の改定とともに「ナツメロ喫茶店」も15周年を迎えました。これもひとえにアクセスしてくださる皆さまのおかげと心よりお礼申し上げます。
さて、そんな節目にご紹介させていただくのが、女性ボーカルの名曲コンピ盤として知られる「歌姫」シリーズの新作2タイトル。
それも1968年から2000年に至るまで、30年以上にわたる歌姫の歴史的ヒット曲が聴けるという「 歌姫クロニクル~1968-1984~ 」「 歌姫クロニクル~1985-2000~ 」です。
個人的にもオススメしたいのが最古は1968年のピンキーとキラーズ「恋の季節」、最新は1984年の原田知世「天国にいちばん近い島」という44曲収録の前者。まだ言葉もおぼつかない頃に生まれて初めて歌ったのがピンキラで、高校2年の時に最も好きだったアイドルは知世ちゃんだったという自分自身の、まるで人生の軌跡を見るようだからです。
どの曲も愛着ある歌ばかりですが、小柳ルミ子「わたしの城下町」、南沙織「17才」、天地真理「恋する夏の日」という新三人娘、岩崎宏美「ロマンス」に太田裕美「木綿のハンカチーフ」というWヒロミ、ピンク・レディー「ペッパー警部 」にキャンディーズ「ハートのエースが出てこない」などなど、人生の一コマ一コマできらめいた歌には胸が熱くなるばかりです。
中でも涙なしに聴けそうもないのが、最近お亡くなりになった方のナンバー。藤圭子さん「京都から博多まで」、安西マリアさん「涙の太陽」、俊さんを失ってしまったハイ・ファイ・セット「卒業写真」「冷たい雨」は、順繰りとはいいながら無念のひとこと、時の流れが確かなことを実感する次第であります。
思い返せばこの歌姫シリーズは、2008年に「 歌姫~オリジナル女性ヴォーカリスト~ 」から始まったワケですけど、縁あって最初からかかわらせていただいた身としても、まさかこんなに続くとは思いませんでした。
それはもちろん数字が動いたゆえなのですけど、2010年に集大成としてリリースされた「 歌姫~BEST女性ヴォーカリスト~ 」はなんと売り上げ6万8千枚を突破しているそうで、続く姉妹版の「 歌姫~SUPER BEST女性ヴォーカリスト~ 」も1万枚超えなのだとか。特に生協というチャネルで好評だそうですけど、今やイニシャルがン百枚というのが当たり前だと聞きますから、ホントに大ヒットといえるコンピだと思います。
マニアともなると、みんな知ってるヒット曲には見向きもせず、誰も知らないレア音源ばかりを珍重してしまう傾向にありますが、こういう結果を目の当たりにすると、やはり王道に勝るものはないとあらためて実感しますし、昨今の市場を思うにつけ、こういうコンピをきっかけに一般の人たちがまた昔のようにCDを買ってくれるようになると、レア音源を求める我々にとってもうれしい状況になるのではないかと考えています。
であるからして手前ミソではありますが、今回の2タイトルも当時を知るオールドファンから歌姫の歴史を知りたいヤングまで、1人でも多くの人に聴かれることを願っています。
(2014.4.9)